米上院、トランプ大型歳出法案の採決へ最終局面 社会保障削減と巨額赤字が焦点
2026年の米中間選挙を控えたワシントンで、トランプ大統領の大型歳出・減税法案をめぐり、米上院がマラソン採決の最終局面を迎えています。社会保障削減と巨額の財政赤字拡大をどう評価するかが大きな争点です。 米上院は米国時間の月曜日、トランプ大統領が旗艦政策と位置づける歳出法案の採決に向け、数十本の修正案を一気に処理する「vote-a-rama」と呼ばれるマラソン採決に入りました。 共和党はトランプ大統領の法案成立を目指していますが、このパッケージは社会保障費の削減や財政赤字の急拡大を招くとされ、有権者の間では不人気とされています。 当初の数時間で上院が処理できた修正案はわずか14件。最初の7時間で作業は「氷河のようなスピード」にまで落ち込み、審議は長期戦の様相を強めています。 トランプ大統領が「One Big Beautiful Bill」と呼ぶこの大型法案は、単なる歳出法ではなく、税制と安全保障、移民政策を一体で組み込んだパッケージです。 主な柱は次の通りです。 一方で、その財源を確保するために社会福祉関連予算を大きく削減するとされ、とりわけ低所得層への影響が懸念されています。 上院で最大の争点となっているのが、最も貧しい人々向けの医療支援の扱いです。法案は、今後10年間で約1兆ドル規模の医療補助を削減し、何百万人もの低所得層から補助を取り上げるとされています。 これは、病院への受診や薬代の支払いが補助に依存している人々にとって死活問題となり得ます。地方や高齢者の多い地域では、医療アクセスの悪化や、地域医療の維持が難しくなるリスクも指摘されています。 もう一つの大きな論点は、財政赤字の急膨張です。法案は今後10年で、すでに大きく膨らんでいる米国の財政赤字をさらに3.3兆ドル以上増やすとされています。 法人・個人向けの大規模減税と国防費の増額、国境警備の強化を同時に進める一方で、その穴埋めとして社会保障を削減する構図です。結果として、国全体の債務残高は約3兆ドル増える見通しとされています。 財政赤字が拡大すれば、将来世代の負担増や、金利動向への影響など、長期的な経済リスクにつながる可能性があります。短期的な景気刺激と長期的な財政健全性をどう両立させるかが問われています。 法案を推進する共和党は上院でかろうじて多数派を維持しており、「紙一重」の多数に依存して採決に臨んでいます。トランプ大統領が党内で強い影響力を持つことから、最終的には法案が可決するとみる見方が強い状況です。 しかし、2026年の中間選挙を控える上院議員の中には、社会保障削減や財政赤字の拡大に慎重な声も出ています。特に、激戦州を地盤とする議員にとっては、有権者からの反発リスクと、トランプ大統領や党指導部からの圧力との板挟みになっている構図です。 一方、野党・民主党は上院議員全員が法案に反対票を投じる見通しで、採決はほぼ完全な党派対立の図式となっています。 今回の審議が長期化している背景には、上院の独特な手続きがあります。最終採決の前に、多数の修正案を次々と投票にかける「vote-a-rama」というプロセスが義務づけられており、野党・与党双方が自らの主張を打ち出す場として活用しているためです。 月曜日の時点で、上院は7時間かけてわずか14本の修正案しか処理できていません。今後も多くの修正案が待ち受けており、最終採決までにはなお時間を要する見通しです。 米国の大型歳出・減税法案は、日本を含む世界経済にとって無視できないニュースです。米国の財政運営や金利、景気動向は、為替相場や株式市場を通じて各国に波及しやすいためです。 特に、 といった点は、日本の政策議論とも重なるテーマです。 今後数日の上院審議では、次の点が焦点となりそうです。 米上院での攻防は、トランプ大統領の経済・財政路線の今後だけでなく、米国政治の分断の深さ、そして世界経済の行方を占う試金石となりそうです。米上院、トランプ大型歳出法案の採決へ長期戦
トランプ大統領の「One Big Beautiful Bill」とは
焦点1:低所得者向け医療補助1兆ドル削減への懸念
焦点2:10年で3.3兆ドル超の財政赤字拡大
与党内も一枚岩ではない共和党
なぜ採決はここまで長引いているのか
日本の読者にとっての意味
これから何が注目ポイントか
Reference(s):
U.S. Senate in final slog towards vote on Trump spending bill
cgtn.com








