拡大するBRICS:リオ首脳会議が示したグローバル・サウスの存在感 video poster
2025年7月、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた第17回BRICS首脳会議は、拡大するBRICSが世界の中でどれだけ存在感を増しているかを改めて示しました。本稿では、この会議の意味と「グローバル・サウス」の動きを、日本語で分かりやすく整理します。
BRICSとは?原点と現在地
BRICSは、もともとブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国から始まり、その後南アフリカが加わった新興国の枠組みです。現在はさらに6カ国の新メンバーを迎え、合計11カ国からなるグループへと成長しています。
共通点として、次のような特徴がよく挙げられます。
- 人口や市場規模が大きく、世界経済への影響力が高いこと
- 先進国中心とされてきた国際秩序に、より多様な視点を持ち込みたいという問題意識
- 経済だけでなく、外交、安全保障、開発など幅広いテーマを議論する場となっていること
パウロ・カブラル氏の報告も、こうしたBRICSの「現在地」と、その変化のスピードに焦点を当てています。
リオの第17回首脳会議が浮き彫りにした拡大のインパクト
リオデジャネイロでの第17回BRICS首脳会議は、6カ国の新規加盟を含む「拡大BRICS」の姿を世界に示す場となりました。会議を通じて、次のようなポイントが改めて意識されました。
- メンバー拡大による重みの増大
地域も経済構造も異なる国々が加わることで、BRICSは地理的にも政治的にも、より多様な声を束ねるグループになりつつあります。 - グローバル・サウスの代表を自認
アジア、アフリカ、中南米などの新興国・途上国が抱える課題を、国際社会に伝える「代弁者」のような役割を強めようとしていることがうかがえます。 - 既存の国際枠組みへの「もう一つのチャンネル」
従来の大国中心の場だけでは拾い切れない問題を、別のチャンネルから発信することで、議論の選択肢を増やそうとする動きも見えてきます。
こうした動きは、BRICSが単発のイベントではなく、継続的な協議の枠組みとして定着しつつあることを物語っています。
「グローバル・サウスの声」が意味するもの
今回の首脳会議を通じて、BRICSは「グローバル・サウスの強い声」としての存在感をさらに高めました。グローバル・サウスとは、主にアジア、アフリカ、中南米などの新興国・途上国を指す言葉です。
その背景には、例えば次のような問題意識があります。
- 国際金融や貿易のルール作りに、自国や地域の現実が十分反映されていないという感覚
- 気候変動や開発など地球規模の課題において、責任と負担の分担をどう考えるかという問い
- 一つの価値観やモデルではなく、多様な発展のあり方を尊重してほしいという思い
BRICSの拡大は、こうした思いを共有し、発言力を高めようとする国や地域が増えていることの象徴とも言えます。
日本からどう見るか:対立ではなく変化として読む
日本にいると、BRICS拡大は「既存の枠組みに対抗する別のブロック」として語られることも少なくありません。しかし、もう少し引いた視点で見てみると、「国際社会のプレーヤーが増え、議論の場が多層化しているプロセス」としても捉えられます。
日本やアジアの読者にとって、押さえておきたいポイントは次の通りです。
- パートナーの選択肢が広がる
経済協力や技術連携の相手として、BRICS諸国をどう位置づけるかは、企業や政策にとって重要なテーマになりつつあります。 - ルール作りの舞台が増える
デジタル経済やサプライチェーン、安全保障などのルール作りが、複数のフォーラムで並行して進む時代に入っています。 - 「どの陣営か」より「どう関わるか」
単純な二項対立で世界を見るのではなく、各国・各地域が何を重視し、どこで利害が交わり得るのかを丁寧に見ていくことが求められます。
これから数年の注目ポイント
リオでの第17回BRICS首脳会議は、拡大したBRICSが今後どのように協力を深め、具体的な成果につなげていくのかという問いを投げかけました。これから数年、次のような点に注目が集まりそうです。
- 新メンバーを含む11カ国が、どこまで共通の優先課題を見いだせるのか
- それぞれの国の事情の違いを乗り越え、実務レベルの連携をどこまで具体化できるのか
- 気候変動、インフラ、技術協力などの分野で、どのような共同プロジェクトが生まれるのか
BRICSの動きは、世界の「当たり前」が静かに書き換えられていくプロセスでもあります。ニュースとして事実を追うだけでなく、自分自身の世界の見方をアップデートするきっかけとして、今後の動向をフォローしていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








