トランプ氏とゼレンスキー氏が防空協議 ロシアのドローン攻撃激化で
トランプ氏とゼレンスキー氏が防空協議 ロシアのドローン攻撃激化で
ロシアによるウクライナ首都キーウへのドローン攻撃が激しさを増すなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は米国のトランプ大統領と電話会談を行い、防空能力の強化や共同生産について協議しました。2025年12月現在も続くロシアの攻撃に対し、ウクライナがどう「空を守る」のかが改めて焦点となっています。
エスカレートするロシアの大規模ドローン攻撃
ゼレンスキー大統領によると、最近のロシア軍の攻撃では、キーウに対して紛争開始以来最大規模となるドローン攻撃が行われました。この攻撃は、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領との電話会談から数時間後に行われたとされ、ゼレンスキー氏は夜間の演説で「意図的に大規模で、冷酷な攻撃だ」と非難しています。
こうした無人機やミサイルによる空からの攻撃は、前線から遠く離れた都市部のインフラや民間人の生活を直接脅かすものであり、ウクライナ側にとって防空能力の強化は最優先課題になっています。
トランプ・ゼレンスキー電話会談のポイント
ゼレンスキー大統領は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、金曜日に行われたトランプ大統領との電話会談の内容を明らかにしました。主なテーマは、ウクライナの防空体制をどう強化するかです。
- 防空システム、とくにパトリオット(Patriot)ミサイルの供給
- 米ウクライナ間での防衛装備品の共同生産
- 共同購入や投資の枠組みづくり
米メディア「Axios」は、匿名の関係者の話として、この電話会談が約40分間にわたって行われたと報じています。トランプ大統領はウクライナ向け米国製兵器のうち、どの出荷が保留されているのかを確認すると伝えたとされています。
ゼレンスキー大統領はその後の夜間演説で、両首脳が「防空を強化するため、双方のチーム同士の会合を設定することで合意した」と説明し、共同生産についても「ウクライナにも、アメリカにも必要だ」と強調しました。
一時停止された米国の兵器供与
ウクライナ側によると、ワシントンが一部の兵器供与を停止した決定は、ロシア軍の空爆や前線での攻勢に対抗する能力を弱めかねないと懸念されています。ウクライナがとくに重視するのが、長距離防空システムであるパトリオットです。
ロイター通信が取材した情報筋は、両首脳の電話会談が「非常に良い内容だった」と述べ、パトリオットの供給再開に前向きな見方を示しました。今回の会談が、停止されている兵器供与の見直しにつながるかどうかが焦点です。
ドイツの役割:パトリオットで「空白」を埋める試み
こうしたなか、ドイツはウクライナ向けにパトリオット防空システムを追加で確保するための協議を進めていると報じられています。米国からの供与が一部止まるなかで、その「空白」を埋める狙いがあるとみられます。
トランプ大統領は木曜日、ドイツのメルツ首相とも電話会談を行いました。独メディア「シュピーゲル」によると、両首脳はウクライナ情勢、とりわけ防空能力の強化に加え、貿易問題についても意見を交わしたとされています。
なぜ防空がキーワードなのか
今回の一連の動きからは、2025年のウクライナ情勢において「防空」がいかに中心的なテーマになっているかが見えてきます。輸送網や電力インフラなどを守れなければ、戦場での防衛だけでなく、国全体の経済や市民生活が成り立たなくなるためです。
ゼレンスキー政権が提案する共同生産は、単なる短期的な兵器供与ではなく、ウクライナの防衛産業そのものを強化し、長期的な安全保障を支える仕組みづくりでもあります。米国にとっても、防空システムの需要が高まるなかで同盟国と生産基盤を分散させるメリットがあります。
- 短期的には、停止された兵器供与がいつ、どの規模で再開されるか
- 中期的には、米国・ウクライナ・ドイツなどを含む防空ネットワークがどう構築されるか
- 長期的には、共同生産や技術協力がウクライナの自立的な防衛能力につながるか
これからの注目ポイント
今回の電話会談を受けて、今後の国際ニュースとしては次の点が注目されます。
- 米政府がパトリオットを含む兵器供与の停止を正式に見直すかどうか
- 米ウクライナ両国の担当チームによる協議がいつ、どのレベルで行われるか
- ドイツが追加のパトリオットを実際にどの程度確保し、ウクライナに提供できるか
- ロシアが今後もドローンやミサイルによる攻撃をエスカレートさせるのか、それとも圧力に変化が見られるのか
ロシアとウクライナの紛争は、ヨーロッパと米国の安全保障の枠組み全体を揺さぶり続けています。今回のトランプ大統領とゼレンスキー大統領の協議は、単に二国間の問題にとどまらず、同盟やパートナーシップのかたちが試されていることを示しています。日本からこの国際ニュースを追う私たちにとっても、「空をどう守るか」という問いは、今後の安全保障を考えるうえで無関係ではありません。
Reference(s):
Trump, Zelenskyy discuss air defense amid Russian drone attacks
cgtn.com








