イラン外相が語るSCOへの期待とイスラエル停戦・核協議の行方 video poster
今週、中国・天津市で開かれた上海協力機構(SCO)外相会合の後、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相が単独インタビューに応じ、SCOへの期待、イスラエルとの停戦の「脆さ」、そして米国との核協議再開の可能性について語りました。本稿では、その発言から見えるイラン外交の現在地を整理します。
SCOは「グローバル・サウスの居場所」を探る枠組み
アラグチ外相は、イランが上海協力機構(SCO)を極めて重視していると強調しました。SCOが「国際社会の中でグローバル・サウス諸国の適切な位置を見いだそうとしている」点を高く評価していると述べています。ここでいうグローバル・サウスとは、アジアやアフリカなどを中心とする新興国・途上国を指す言葉です。
外相は、加盟国が共有する方向性として、安全保障、経済、文化などの課題について従来の西側諸国とは異なるやり方で取り組もうとしていると説明しました。西側中心とは異なるアプローチを模索する場として、SCOに対する期待がにじみます。
「西側とは違う」安全保障・経済・文化の議論
アラグチ外相は、SCO加盟国には「この道を進もうとする真の意思」があると述べ、共通の課題に独自の方法で向き合う姿勢を強調しました。安全保障だけでなく、経済や文化まで含めた幅広い分野での連携を想定している点がうかがえます。
こうした発言は、イランがSCOを単なる安全保障対話の枠組みとしてではなく、経済協力や文化交流も含む総合的な協力プラットフォームとして見ていることを示しています。
11月の攻撃非難に謝意、「完全な政治的支援」を要請
アラグチ外相は、2025年11月に発生したイランへの攻撃をめぐり、イスラエルと米国による攻撃を非難したSCOおよび加盟国の対応を称賛しました。SCOがイランに対して示した連帯を評価しつつ、政治的な後ろ盾としての役割を強調した形です。
さらに外相は、「イラン・イスラム共和国に対して、SCO首脳会議からの全面的な、政治的な支援を期待している」と述べ、今後開催されるSCO首脳会議に対し、明確な支持の表明を求めました。SCOサミットがイランにとって重要な外交の舞台となっていることがわかります。
イスラエルとの「脆い」停戦と核協議再開の可能性
今回の単独インタビューでは、SCOに関する話題に加えて、イスラエルとの停戦や核問題も取り上げられました。アラグチ外相は、イスラエルとの停戦を「脆い」と表現し、その先行きに大きな不確実性が残っているとの認識を示しました。
また、米国との核協議再開の可能性についても言及しました。イランが再び米国との対話の扉を開くかどうかは、地域の安全保障にも影響しうる重要なテーマです。外相の発言は、その行方を占ううえで注目すべきシグナルと言えるでしょう。
今後のSCOサミットとイラン外交の焦点
アラグチ外相が繰り返し強調したのは、SCOがグローバル・サウス諸国の声を国際社会に届ける新たな枠組みであるという認識です。イランはその中で、自国への攻撃に対する政治的な支援を求めると同時に、安全保障・経済・文化を含む幅広い連携を構想しています。
今後のSCO首脳会議で、イランへの「全面的な政治的支援」がどのような形で示されるのか、また、イスラエルとの停戦や米国との核協議をめぐる動きがどう連動していくのかが、国際ニュースとしての大きな注目点となりそうです。
Reference(s):
Exclusive: Iranian FM on SCO, Israel ceasefire and nuclear issues
cgtn.com







