スコットランドでトランプ大統領訪問に抗議デモ アバディーンとエディンバラで数百人
米国のドナルド・トランプ大統領がスコットランドを5日間の日程で訪問する中、現地時間土曜日、アバディーンとエディンバラで数百人規模の抗議デモが行われました。厳重な警備態勢と、市民の反発がぶつかる国際ニュースです。
スコットランドで広がるトランプ訪問への抗議
スコットランドの都市アバディーンとエディンバラでは、トランプ大統領の到着に合わせて、多様な立場の人々が街頭に集まりました。今回の訪問は5日間の予定で行われており、国際ニュースとしても注目されています。
デモ参加者たちは、トランプ氏の政治姿勢やこれまでの言動に異議を唱え、スコットランドを「イメージ洗浄」の場にしてほしくないと訴えています。
アバディーン中心部とエディンバラの街頭で何が起きたか
アバディーンでは、市中心部のウィリアム・ウォレス像の近くに数百人のデモ参加者が集まりました。地元メディアによると、スコットランド緑の党共同代表のパトリック・ハーヴィー氏をはじめ、気候変動の活動家やマイノリティーの権利を訴える人たちが演説したとされています。
デモの現場では、参加者がさまざまなメッセージを掲げました。
- 「FELON 47 NOT WELCOME HERE(有罪判決を受けた47代大統領は歓迎しない)」と書かれたプラカード
- トランプ氏とジェフリー・エプスタイン氏の写真を並べて掲示
- ガザの人道危機への懸念を示す声
これらのメッセージからは、単に一人の政治指導者への賛否を超え、刑事裁判へのまなざし、人権、国際的な人道状況への不安など、複数の論点が重なり合っている様子がうかがえます。
TikTokでも拡散する「反トランプ」の声
今回の抗議行動は、現場だけでなく、オンラインでも広がっています。「UK Stop Trump Coalition」と名乗るグループは、動画投稿アプリTikTokにデモの様子を映した動画を投稿しました。
そのうちの一つの動画には、「Aberdeen is filling up with protesters against Donald Trump's golfing visit(アバディーンはトランプ大統領のゴルフ訪問に抗議する人々でいっぱいになっている)」という字幕がつけられ、トランプ氏のゴルフ目的の訪問への反発を強調しています。
こうしたオンライン発信は、現地にいない人々にも状況を伝える役割を果たしており、SNSを通じた政治参加の一形態とも言えます。
トランプ・ターンベリー周辺は厳重警備
一方で、トランプ大統領が滞在するサウス・エアシャーのトランプ・ターンベリー・リゾート周辺では、厳重な警備体制が敷かれています。テロ関連の脅威を含む潜在的なリスクを想定し、多数の警察官が配置されています。
英スカイニュースによると、スコットランド警察は警備体制の強化のため、英国の他地域からも追加の支援を要請したと伝えられています。
スコットランド警察の幹部であるエマ・ボンド氏は、今回の警備計画にあたって、昨年トランプ氏を狙った暗殺未遂事件を無視するのは「不適切」だと述べました。そのうえで、この警備オペレーションは「ここ数年で最も複雑で困難な任務の一つ」であり、費用も「相当な規模」になるとの見方を示しています。
国際的に注目される人物の訪問は、警備上の負担が大きくなる一方で、その費用負担や優先順位をどう考えるのかという点も、地元社会の議論の対象になりやすいテーマです。
「分断の政治」に対する反発
今回のデモには、「Scotland Against Trump」という連合に参加する人々も加わりました。この連合のメンバーであるカースティ・ヘイグ氏は、地元メディアに対し、英国各地から人々が集まり、トランプ氏とその「分断の政治」に反対するために結束したと語っています。
ヘイグ氏は、トランプ氏がスコットランドを自身のイメージを「浄化」する場として利用していると批判し、そのことに対しても強い異議を唱えました。
こうした発言からは、抗議の矛先がトランプ氏個人だけでなく、社会を分断すると受け止められている政治スタイルそのものにも向けられていることがわかります。
ガザ人道危機や気候変動も交差するデモ
デモ会場では、ガザで続く人道危機についての懸念も表明されました。気候変動の活動家や、マイノリティーの権利を求める人々もスピーチを行い、トランプ訪問への抗議は、より広い国際的・社会的なテーマと結び付いています。
気候、マイノリティーの権利、人道危機——一見バラバラに見えるテーマが、同じデモ空間で語られていることは、今の英国社会の一部の不安や問題意識の「重なり」を映し出しているとも言えます。
今回の出来事から見えるもの
スコットランドで起きた今回の抗議デモは、トランプ大統領の評価をめぐる賛否に加えて、治安と自由な抗議行動のバランス、警備費用の負担、そして国際的な人道問題や環境問題への危機感など、複数の論点が交差する出来事となりました。
政治指導者の訪問は、短期間のイベントに見えますが、その裏側では、社会が何に不安を抱き、何を受け入れがたいと感じているのかが浮かび上がります。今回スコットランドで上がった声は、英国の中だけでなく、世界の読者にとっても「自分は何を重視するのか」を静かに問いかける材料になりそうです。
国際ニュースを日本語で追う私たちにとっても、単なる「賛成か反対か」を超え、こうした動きの背景にある感情や価値観に目を向けていきたいところです。
Reference(s):
Hundreds protest Trump's visit to Scotland amid heavy security
cgtn.com








