ガザ飢餓深刻化 イスラエルが空からの人道支援を容認、その限界は
ガザ地区で飢餓が深刻化し、多くの人が栄養失調や死亡に追い込まれる中、イスラエル当局が国際社会からの圧力を受けて、人道支援物資の空中投下を再び認めました。ただし、国連機関や支援団体は空からの支援だけでは危機は解決しないと警告しており、その限界があらためて問われています。
ガザで進む飢餓と国際的な圧力
ガザ地区では、現在の危機の長期化により、広範囲で深刻な栄養失調が報告され、命を落とす人も出ています。こうした人道状況の悪化を受け、イスラエルに対して支援物資の搬入を拡大するよう求める国際的な圧力が高まっていました。
イスラエル軍が空中投下再開を発表
現地時間の12月6日土曜日、イスラエル軍(IDF)は、同日夜にガザへの人道支援物資の空中投下を再開すると発表しました。
イスラエルのメディアによると、同じ6日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は7日日曜日にガザでの軍事作戦を一時的に停止すると表明したと伝えられています。
ガザ北部で実際に再開 内容は7パレットの食料
パレスチナ側の情報源や目撃証言によりますと、発表の数時間後、ガザ北部の複数の地点で実際に空中投下が再開されました。
イスラエル軍は、今回の空輸で小麦粉、砂糖、缶詰などを積んだ7パレット分の人道支援物資が投下されたと説明しています。物資は国際機関が提供したもので、支援は今後も続ける方針とみられます。
さらにイスラエル軍は、国連の車列がガザ内部を安全に移動できるようにするため、専用の人道回廊を設ける計画も明らかにしました。これにより、国連の支援車両が現地で活動しやすくなるとしています。
国連・支援団体は「空輸だけでは不十分」と警告
しかし、国連や支援団体は、空中投下のみではガザで必要とされる支援量を賄うことはできないと繰り返し訴えています。空からの投下は、そもそも運べる量が限られるうえ、落下地点や受け取る人を細かくコントロールすることが難しいためです。
また、落下する木箱やパラシュートが人びとを傷つけたり、地上で物資の奪い合いが起きたりする危険性も指摘されています。新華社通信の報道によると、6日に北部ガザで投下された支援物資の一部が避難民のテントの上に落下し、複数の人がけがをしたということです。
「気をそらすだけ」との懸念 飢餓は解消されるのか
国連のパレスチナ難民支援機関のトップは、イスラエル側のこうした取り組みについて、飢餓の根本原因から目をそらさせる気をそらす行為にすぎないと警告しています。ガザ全体で進む飢餓の深刻さに比べれば、今回の空中投下は規模も頻度も十分ではないという見方です。
空からの支援は、地上の通行が危険なときに一定の役割を果たしうる一方で、長期的に多くの人の生活を支える仕組みにはなりにくいという矛盾を抱えています。今回のガザでの取り組みは、そのジレンマを象徴的に示しているとも言えます。
私たちが考えたい視点
軍事作戦が続く中で、人道支援をどのように優先させるのか。短期的な見せる支援と、人びとの生活を継続的に支えるための仕組みづくりを、どう区別して議論できるのか。
ガザで続く飢餓と支援をめぐる動きは、遠い地域の出来事でありながら、戦闘と人命の保護をどう両立させるべきかという普遍的な問いを、私たち一人ひとりにも投げかけています。
Reference(s):
Israel finally allows aid airdrops amid growing starvation in Gaza
cgtn.com








