トランプ米大統領、ロシアにウクライナ和平で10〜12日の新期限
ウクライナ危機をめぐり、トランプ米大統領がロシアに対し10〜12日以内に和平に向けた進展を示すよう求め、応じなければ制裁などの措置に踏み切る考えを示しました。米露関係とウクライナ情勢に新たな緊張が走っています。
記事のポイント
- トランプ米大統領がロシアに対し、ウクライナ和平で10〜12日以内の進展を要求
- 進展がなければロシアとその輸出品の購入国に制裁や関税を科す可能性を示唆
- ロシア側ではメドベージェフ前大統領が最後通牒のゲームだと警告し、戦争拡大への懸念も表明
- ウクライナのゼレンスキー大統領は発言を歓迎し、より強力な制裁を和平の鍵と位置づけ
トランプ大統領、ロシアに新たな期限を設定
この国際ニュースが伝えるところによると、トランプ米大統領はスコットランドのターンベリーにあるゴルフ場で、英国のキア・スターマー首相と並んで記者団の質問に答えました。その場で大統領は、ロシアがウクライナ和平に向けて目に見える進展を示すまでの猶予を、およそ10日から12日とする新たな期限を提示しました。
トランプ氏は今月初め、ウクライナ情勢をめぐってロシアに約50日間の期限を与えていたといいます。しかし、その後も情勢に改善が見られないとして不満をあらわにし、長い猶予を与えても進展がないのであれば待つ意味はないと強調しました。新たな発言は、従来の50日間の期限を大幅に短縮する形となります。
大統領はまた、これまでにも何度も解決に近づいたと感じてきたにもかかわらず、プーチン大統領がウクライナの都市にロケット攻撃を行い、高齢者施設などで多くの犠牲者が出ていると強い不満を表明しました。そのうえで、そうしたやり方は受け入れられないと述べ、プーチン氏へのいら立ちを隠していません。
制裁と関税で圧力強化へ 対話には消極的
今回の発言で特に目を引くのは、トランプ大統領がロシアだけでなく、ロシア産の輸出品を購入する側にも圧力をかける構えを示した点です。大統領は、ロシアが和平に向けた進展を見せない場合、ロシアに対する制裁を発動するだけでなく、その輸出品の買い手にも制裁を科す可能性に言及しました。
さらにトランプ氏は、制裁に加えて関税、そして二次的な関税措置も選択肢になり得ると述べました。二次的な制裁や関税は、対象となる国や企業と取引する第三国にも影響が及び得るため、エネルギーや原材料の市場、国際貿易に広い波紋を投げかける可能性があります。
一方で、プーチン大統領との追加の首脳会談など、対話による打開策には消極的な姿勢を示しました。トランプ氏は、結末があらかじめ見えているのであれば、長時間待つ必要も交渉を続ける必要もないと述べ、軍事力ではなく経済的な圧力を主なテコとする方針を改めて強調しています。
ロシア側の反応 メドベージェフ氏は最後通牒の連続と警告
トランプ大統領の新たな期限設定について、ロシア大統領府はすぐにはコメントを出していません。しかし、ロシアのドミトリー・メドベージェフ前大統領は、SNSのXに投稿し、トランプ氏が最後通牒のゲームをしていると批判しました。
メドベージェフ氏は、出される最後通牒の一つ一つが新たな脅しであり、一歩一歩戦争に近づく行為だと指摘しました。しかも、その戦争はロシアとウクライナの間ではなく、トランプ氏の自国を巻き込むものになりかねないと警鐘を鳴らしています。ロシア側が今回の発言を安全保障上の重大なリスクとして捉えていることがうかがえます。
ウクライナは歓迎 ゼレンスキー大統領は制裁を和平の鍵と位置づけ
こうしたロシア側の警戒感とは対照的に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はトランプ氏の発言を歓迎しました。ゼレンスキー氏は、大統領の声明を特に重要かつタイムリーなものだと評価し、人命を救い、この悲惨な戦争を止めることに焦点を当てていると述べて謝意を示しました。
ゼレンスキー氏は、その後の夜間のビデオ演説でも、ロシアに対するより厳しい制裁を和平実現の鍵となる要素だと位置づけています。ロシアは制裁やそれに伴う損失に敏感に反応しているとしたうえで、経済的な負担を通じてロシアの行動を変えることができるという見方を示しました。
イスタンブールでの協議と来年の首脳会談案
軍事衝突が続く一方で、ロシアとウクライナの外交団は最近、トルコのイスタンブールで協議を行いました。これまでに同地で3回目となる交渉が持たれ、プーチン大統領本人は出席していないものの、停戦や和平への道筋を探る場となっています。
ウクライナ側はこの会合で、ゼレンスキー大統領とプーチン大統領による首脳会談を来年8月末までに開催する案を提示しました。しかしクレムリンは、このスケジュールは実現性が低いとの見通しを示し、首脳会談はあくまで和平を最終的に固める段階でのみ開かれるべきだと主張しています。
またロシア外務省は、もし西側諸国がウクライナとの真の和平を望むのであれば、キーウへの武器供与をやめるべきだとの立場を示しました。誰が戦闘の継続を支えているのかという責任の所在を、西側に求める姿勢がにじみ出ています。
何が問われているのか 経済制裁と和平のジレンマ
今回のトランプ大統領の発言は、ウクライナ情勢をめぐる国際ニュースの中でも、経済制裁と外交のバランスという難題を改めて浮き彫りにしています。短い期限と強い制裁をちらつかせることでロシアを交渉の場に引き出そうとする発想は、ウクライナにとっては歓迎すべき圧力となる一方、ロシア側からは緊張を高める最後通牒として受け止められています。
制裁や関税は、軍事力を直接用いない圧力手段でありながら、エネルギー価格やサプライチェーン、金融市場を通じて世界経済に影響を及ぼす可能性があります。日本を含む多くの国や地域にとっても、ロシアとウクライナ、そして米国の動きは、経済と安全保障の両面で無関係ではありません。
短期的なプレッシャーが本当に和平への道を開くのか、それともメドベージェフ氏が懸念するように対立を先鋭化させるのか。ゼレンスキー大統領が期待するように、制裁が戦争を終わらせる決定打となるのか。今後10〜12日前後の動きは、ウクライナ情勢と米露関係、さらには国際秩序の行方を占う一つの試金石となりそうです。
Reference(s):
Trump sets new deadline for Russia to reach Ukraine peace deal
cgtn.com








