トランプ米大統領、プーチン氏とのアラスカ会談は「探り合い」 ウクライナ巡り欧州に不安
今週金曜日にアラスカで予定されるトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の会談を前に、欧州各国とウクライナが米国の立場を見極めようと動きを加速させています。ウクライナ情勢と国際秩序に影響しうる首脳会談として、国際ニュースの大きな焦点となりつつあります。
アラスカでの米ロ会談は「探り合いの場」
トランプ大統領は月曜日、ホワイトハウスでの記者会見で、今週金曜日にアラスカで行われる予定のプーチン大統領との会談について、今回の米ロ首脳会談は本格的な合意を目指す場というより、互いの考えや条件を探る「探り合いの会談」になるとの見方を示しました。
トランプ大統領は、将来的にはウクライナのゼレンスキー大統領を交えた会談、あるいはロシアとウクライナ双方の首脳を同席させた場を設ける可能性にも言及しています。ホワイトハウス高官も、トランプ大統領は両首脳を交えた形式の首脳会談に依然として前向きだと記者団に説明しました。
ゼレンスキー氏の出席、決定は「まだ先」
米国の NATO(北大西洋条約機構)大使を務めるマシュー・ウィテカー氏は日曜日、今週金曜日のアラスカ会談にゼレンスキー大統領が参加する可能性は依然として残されていると述べました。
ウィテカー氏は、最終的な判断はトランプ大統領が下すとしたうえで、会談の形を決める時間はまだあるとの認識を示しています。ウクライナをめぐる戦闘が続くなか、当事者であるウクライナが席につくかどうかは、国際社会にとって大きな関心事となっています。
欧州とウクライナ、米国の立場をめぐり駆け引き
アラスカでのトランプ・プーチン会談を前に、欧州の指導者やゼレンスキー大統領は、米国の姿勢に影響を与えようと動きを強めています。トランプ大統領は、紛争終結の功績をアピールしたい思いに加え、モスクワとの共同ビジネスを含む経済面の協力にも関心を示しているとされています。
一方で、トランプ大統領がロシアとの関係改善を急ぐあまり、ウクライナにとって不利な内容で妥協するのではないかという懸念が、キーウや欧州各国の首都で高まっています。トランプ大統領は、和平案の一環として、ロシアとウクライナ双方にとって利益になる形での領土の交換もありうると発言しており、この点が欧州側の警戒心を強める要因になっています。
ドイツ主導でオンライン協議、EUも結束を確認
ドイツ政府は水曜日に一連のビデオ会議を開催し、アラスカ会談に向けた欧州側の方針をすり合わせる予定です。その一環として、欧州の指導者、ゼレンスキー大統領、トランプ大統領、そして米国のヴァンス副大統領が参加するオンライン会議が、午後3時から行われるとされています。
ドイツ政府の報道官によると、会議に先立ち、欧州連合(EU)の首脳や NATO 関係者が、どのような姿勢で米国と向き合うかを事前に調整する方針です。月曜日の午後には、EU 外相会合もオンライン形式で開かれ、ウクライナ支援と今週の米ロ会談への対応が話し合われました。
EU の外交政策を統括するカヤ・カラス外交安全保障上級代表は、その後に発信した SNS の投稿で、EU 外相たちは公正な平和につながる米国の取り組みを支持するとしたうえで、対ロシア制裁の強化、ウクライナへの軍事支援の拡充、ウクライナの財政支援や EU 加盟プロセスへの支援を進めると強調しました。
ゼレンスキー氏「譲歩では戦闘は止まらない」
ゼレンスキー大統領は月曜日、ロシアに一方的な譲歩を行っても、戦闘をやめさせることはできないと述べ、むしろモスクワに対する圧力を強める必要があると訴えました。領土や主権に関わる譲歩を前提とした和平案に対し、明確な懸念を示した形です。
同大統領はまた、インドとサウジアラビアの指導者とそれぞれ電話会談を行い、アラスカでの米ロ首脳会談を前に、ウクライナの立場への支持拡大を図りました。欧米以外の国々にも働きかけを強めることで、国際的な後ろ盾を固めたい思惑がうかがえます。
英伊も「和平支持」と「ウクライナの関与」を両立強調
イギリスのスターマー首相の報道官は、ロンドンはウクライナ危機の終結を目指すトランプ大統領の取り組みを支持するとしつつも、戦闘終結に向けたあらゆる合意にはウクライナが関与すべきだとの考えを示しました。
イタリアのタヤーニ外相は、EU 外相らとの協議の中で、どのような外交的解決策であっても、ウクライナの主権と領土的一体性、そして将来を自ら選ぶ自由、特に EU への道を選ぶ権利が守られなければならないと強調しました。
今週のアラスカ会談、注目すべきポイント
今週の国際ニュースとして、読者が注目しておきたいポイントは次の通りです。
- ゼレンスキー大統領が最終的にアラスカ会談に参加するのかどうか
- トランプ大統領が示唆する領土の交換案が、具体的な議題として浮上するかどうか
- ドイツや EU 各国、NATO がどこまで結束したメッセージを米国に示せるか
- インドやサウジアラビアなど、欧米以外の国々がウクライナ支援にどのような姿勢を取るか
アラスカでの米ロ首脳会談は、現時点では「探り合い」と位置づけられていますが、その周辺で交わされる数多くの電話会談やオンライン協議は、これから数カ月のウクライナ情勢と欧米関係の方向性を占う材料になりそうです。短いニュースの見出しの裏側で、どの国がどの価値を守ろうとしているのかを意識して追っていくと、この会談の意味合いがより立体的に見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com








