中国、ウクライナ危機の早期和平を期待 米露・欧州・ウクライナの会談が本格化
中国外務省は8日、ウクライナ危機の「公平で持続的な和平合意」ができるだけ早期に実現することへの期待を示し、関係する全ての当事者と利害関係者に対し、和平協議への参加を呼びかけました。
- 中国は、全ての当事者と利害関係者が参加する和平協議を支持
- ウクライナのゼレンスキー大統領と欧州の首脳らが、トランプ米大統領とワシントンで会談へ
- アラスカでの米露首脳会談は合意なしで終了も、中国は対話継続を歓迎
中国外務省「公平で持続的な和平合意を」
ウクライナ危機をめぐり、中国外務省の毛寧(マオ・ニン)報道官は8日、記者団に対し、中国は関係する全ての当事者と利害関係者が和平協議に参加し、あらゆる側から受け入れ可能な「公平で持続的な」和平合意を、できるだけ早く実現することを期待していると述べました。
毛報道官は、中国がウクライナ危機の平和的な解決を一貫して支持していると強調し、外交的な対話と交渉こそが、長期的な安定につながるとの立場を改めて示しました。
ワシントンでの会談:ゼレンスキー氏と欧州首脳がトランプ氏と協議
こうした中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と欧州の指導者たちは、8日(月)にワシントンでトランプ米大統領と会談する予定です。今回の会談は、ウクライナ危機をめぐる今後の和平プロセスを左右し得る重要な局面とみられます。
ゼレンスキー大統領と欧州の首脳らは、軍事支援や経済支援に加え、停戦や安全保障の枠組みづくりなど、和平に向けた具体的な条件についてトランプ大統領と協議するとみられます。中国が呼びかける「全ての当事者を含む和平協議」に、こうした会談がどうつながるのかが注目されます。
アラスカでの米露会談は合意に至らず、それでも対話継続を評価
今回のワシントンでの会談は、トランプ米大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と米アラスカで行った首脳会談に続く動きです。アラスカでの会談は、ウクライナ危機をめぐる具体的な合意には至らないまま終了しましたが、その後も米露間の接触は続いています。
毛報道官は、このトランプ・プーチン会談についてコメントし、中国はウクライナ危機の平和的な解決に向けたあらゆる努力を支持すると述べました。そのうえで、ロシアと米国が対話を続け、関係改善を図りながら、政治的な手段による解決を進めることを奨励すると強調しました。
中国が強調する「全ての当事者」とは誰か
中国外務省が言及する「全ての当事者」とは、ロシアとウクライナだけでなく、米国や欧州諸国など、ウクライナ危機に直接・間接に関わる幅広い国や組織を含むと考えられます。中国は、特定の陣営に肩入れするのではなく、多国間の協議の場を重視する姿勢を示しています。
今回の発言は、米露首脳会談やワシントンでのトランプ大統領とゼレンスキー大統領、欧州首脳らとの会談といった、さまざまな外交のラインが動くタイミングで出されました。中国としては、こうした個別の会談が、最終的には包括的でバランスの取れた和平合意につながることを期待しているとみられます。
なぜ今、「公平で持続的な和平」が鍵なのか
ウクライナ危機は、エネルギー価格や食料供給、安全保障の枠組みなど、世界全体に大きな影響を与えています。たとえ短期的な停戦が実現しても、当事者間の不信や安全保障上の不安が残れば、紛争が再燃するリスクは消えません。
中国が「公平で持続的な和平合意」と表現する背景には、
- どの側にも一方的な負担を強いないこと
- 安全保障や経済など、複数の問題を包括的に扱うこと
- 国際社会が合意の履行を支える枠組みをつくること
といった考え方があると読み取ることができます。中国は、ウクライナ危機が長期化すれば世界経済や地域の安定に悪影響が及ぶとの認識から、早期の政治的解決を重ねて訴えている形です。
これからの焦点:多層的な対話は一つの和平プロセスへまとまるか
今後の焦点は、ワシントンでの会談や米露の対話といった個別の動きが、中国が呼びかけるような「全ての当事者を含む和平協議」へと収れんしていくのかどうかです。
ウクライナ危機をめぐる外交は、
- 米露間の首脳レベルの対話
- 米国・欧州・ウクライナの協議
- 中国を含む国際社会による呼びかけや仲介の試み
といった、複数のレイヤーで同時に進行しています。それぞれのレイヤーがバラバラに動くのではなく、最終的に一つの包括的な和平プロセスに結びつくかどうかが、今後の大きなポイントです。
中国外務省の今回のメッセージは、各国に対して対話の扉を開き続けるよう促すシグナルとも受け止められます。ウクライナ危機の政治的解決に向けて、米露、ウクライナ、欧州、中国などがどのように役割を分担し、連携していくのか。今後の動きを注視する必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








