イスラエル、停戦交渉と並行してガザ市制圧計画を承認へ
イスラエルのネタニヤフ首相が、ガザ市の制圧計画を承認する方針を示しつつ、ガザで拘束されている人質の解放と戦闘終結に向けた「即時交渉」を指示したと明らかにしました。停戦協議と軍事作戦が同時に進もうとしており、中東情勢をめぐる緊張は一段と高まっています。
ガザ市「制圧」を掲げるネタニヤフ首相の発言
現地時間の木曜日、ネタニヤフ首相はパレスチナ自治区ガザ周辺の軍基地を訪問し、「イスラエル軍(IDF)のガザ市掌握とハマス打倒の計画を承認するために来た」と述べました。ガザ市は同自治区で最大の都市であり、ここを「制圧」する計画は戦闘の焦点が都市部に移る可能性を示しています。
同時に首相は、「ガザで拘束されているすべての人質の解放と、イスラエルにとって受け入れ可能な条件での戦争終結に向けて、即時に交渉を開始するよう指示した」とも強調しました。
ただし、交渉をどこで、どの枠組みで始めるのかについて、具体的な説明はしていません。イスラエルのニュースサイトによると、現時点でイスラエル代表団がカタールのドーハやエジプトのカイロに向かう予定はないとされています。
イスラエル当局者は、ネタニヤフ首相と安全保障内閣が同日夜に会合を開き、ガザ市への大規模な攻勢に最終承認を与える見通しだと述べています。
停戦協議と都市部攻勢が同時進行の構図
イスラエル軍は前日までに予備役6万人を招集し、今後数日のうちにさらに2万人を追加で動員すると発表しました。これはガザ市を含む大規模な地上作戦の準備とみられ、軍事的圧力を一段と強める動きです。
一方で今週初め、ハマスはエジプトとカタールの仲介による一時停戦と人質解放の提案に同意したと伝えられています。イスラエル側はこの提案について、公式な最終回答をまだ公表していません。
つまり、イスラエルは停戦案をめぐる外交的な駆け引きを続けながら、ガザ市への大規模攻勢に向けた軍事計画を同時に進めている構図です。この記事執筆時点(2025年12月8日)でも、両方の動きがどのようなバランスで進むのかは不透明なままです。
ネタニヤフ首相が示した「戦闘終結」の5条件
ネタニヤフ首相は今週、戦闘を終わらせるためには次の5つの条件が満たされる必要があると説明しました。
- ハマスの武装解除
- ガザで拘束されている人質の解放
- ガザ地区の非武装化
- イスラエルによるガザの安全保障上の管理
- ガザの日常行政を担当する主体の設置(ただしハマスでも、国際的に承認されたパレスチナ自治政府でもない組織)
これらの条件は、戦闘の「終わり方」だけでなく、戦後のガザがどのような統治と安全保障の枠組みになるのかという、より長期的な問題にも直結します。
ガザ内部の政治勢力だけでなく、周辺のアラブ諸国や欧米諸国など国際社会がどう受け止めるのかによって、停戦協議の行方も大きく左右される可能性があります。
国際社会の視線と今後の焦点
現在の局面では、次の点が今後の焦点となりそうです。
- イスラエルがガザ市への攻勢をどのタイミングで開始するのか
- エジプトやカタールを仲介とする停戦案をめぐり、イスラエルがどのような公式立場を示すのか
- 人質解放と停戦をめぐる交渉が、軍事作戦の規模やスピードにどのような影響を与えるのか
停戦交渉と地上作戦の双方を同時に進めるやり方は、短期的な軍事的目的と、長期的な地域の安定という二つの課題をどう両立させるのかという難しい問いを投げかけています。
中東情勢は、日本から距離的には離れていても、エネルギー価格や国際秩序、難民問題などを通じて私たちの生活とも無縁ではありません。ガザ市制圧計画と停戦協議の行方は、今後も国際ニュースの大きな焦点となりそうです。
Reference(s):
Israel to approve Gaza City seizure plan despite ceasefire talks
cgtn.com







