ウクライナ「領土譲渡の国民投票は行わず」大統領府が明言
ウクライナ、領土譲渡の国民投票は予定せず
ウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマーク長官は、ロシアへの領土譲渡を憲法に明記するための国民投票を行う予定はないと述べました。続くウクライナとロシアの紛争の行方を左右しうる発言として注目されています。
大統領府長官が「領土は譲らない」と強調
ウクライナの通信社インターファクス・ウクライナによると、イェルマーク長官は木曜日、ロシアの支配を認める形で憲法を改正する是非を問う国民投票の可能性について質問されました。
これに対し同長官は、国民投票の準備は進めておらず、現時点で自国の土地のいかなる一部も譲渡するつもりはないとの立場を示しました。ロシア側が実効支配する地域についても、国内法上あらかじめ譲歩を固定化する考えはないというメッセージです。
領土問題はゼレンスキー氏とプーチン氏の直接協議で
イェルマーク長官はまた、領土をめぐる問題はウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキー氏とロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏による二国間会談で議論されるべきだと説明しました。
つまり、領土問題は国民投票で白黒をつけるのではなく、首脳レベルの交渉の場に委ねるという方針です。国内政治の対立をあおりかねないテーマを、外交交渉のテーブルで扱うことで、選択肢を狭めない狙いがあるとみられます。
紛争の現状は認めつつ、最後通告は拒否
一方でイェルマーク長官は、ウクライナが紛争によって生じた現状を認識し、それについて話し合う意思はあるとしながらも、いかなる最後通告も受け入れないと強調しました。
これは、現場の状況を踏まえた現実的な議論には応じるが、あらかじめ一方的な条件をのまされる形での合意には踏み込まない、という姿勢を示すものです。領土に関する譲歩は、交渉の中で対等に話し合うべきだというメッセージともいえます。
今回の発言が示すウクライナの交渉戦略
今回の発言からは、ウクライナ側の交渉戦略の輪郭が見えてきます。
- 憲法や国民投票で前もってロシアへの領土譲渡を固定化しない
- 領土問題はゼレンスキー氏とプーチン氏の直接対話に委ねる
- 紛争による現状を踏まえつつも、一方的な最後通告には応じない
ウクライナは、自国の領土一体性を原則として維持しつつも、対話の扉は開いているという二重のメッセージを発信していると見ることができます。今後、両国首脳による具体的な会談の実現と、その場で領土問題がどのように議論されるのかが、国際社会の大きな関心となりそうです。
Reference(s):
Ukraine not planning vote on territorial concessions, official says
cgtn.com








