トランプ米大統領、家具輸入への関税調査を表明 価格高騰への影響は
米国のトランプ大統領が、家具の輸入に対して新たな関税を検討する「大型調査」を始めると表明しました。すでに関税による価格上昇が続くなかで、国内の家具産業を守る狙いと、消費者物価への影響が改めて注目されています。
家具輸入に関する「大型」関税調査を指示
トランプ大統領は金曜日、米国に輸入される家具について関税を課すことを視野に入れた調査を行うと明らかにしました。大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、他国から米国に入ってくる家具は、詳細は未定ながら新たな関税の対象になると述べています。
大統領によれば、この調査は今後50日以内に完了する予定とされています。ホワイトハウスの担当者は、この調査が国家安全保障を理由に輸入制限を可能にする「232条」と呼ばれる安全保障関連の規定に基づいて行われると説明しています。
株式市場の反応:家具大手RHの株価が急落
発表を受け、米家具小売り大手RH(旧レストレーション・ハードウェア)の株価は時間外取引で7.5%下落しました。輸入家具への関税強化が現実味を帯びることで、同社を含む家具関連企業のコスト増や需要減が意識された形です。
既存の関税を支える「バックアップ」になる可能性
今回の232条調査は、トランプ政権がすでに発動している関税措置を法的に支える「バックアップ」となる可能性が指摘されています。連邦控訴裁判所では現在、トランプ政権が4月に幅広い貿易相手国に課した「相互主義(リシプロカル)」関税や、2月に中国・カナダ・メキシコからの輸入品に課した追加関税の是非が争われています。
もしこれらの関税が違法と判断された場合でも、国家安全保障を理由とする232条に基づく新たな調査結果があれば、関税を維持するための法的根拠として機能しうる、という見方です。
米家具産業の現状:雇用は半分以下に
トランプ大統領は今回の措置について、家具産業をノースカロライナ州、サウスカロライナ州、ミシガン州など全米各地に「取り戻す」と強調しています。その背景には、家具と木製品の製造業における雇用の長期的な減少があります。
政府統計によると、この分野の雇用は1979年には120万人でしたが、2000年には68万1,000人に減少し、最新の数字では34万人前後にまで落ち込んでいます。国内生産の縮小と引き換えに、家具の輸入は増え続けてきました。
業界専門誌「ファニチャー・トゥデイ」によれば、米国が2024年に輸入した家具は約255億ドルで、2023年と比べて7%増加しています。米国の家具市場において、輸入品の存在感が一段と高まっていることがうかがえます。
物価への影響:家具価格はすでに上昇基調
家具輸入に対する新たな関税は、消費者にとってどの程度の負担増になるのでしょうか。米商務省のデータによると、家具を多く生産する国からの輸入品に対する新しい関税により、7月の家庭用家具の価格は前月比0.7%という大きな上昇となりました。一方で、ガソリン価格の下落が全体の消費者物価上昇率を抑える効果を持ったとされています。
すでに関税による価格転嫁が進むなかで、さらに新しい関税が上乗せされれば、ソファやテーブル、ベッドなど日常的な家具の価格が一段と上がる可能性があります。所得が限られる世帯ほど影響を受けやすく、住宅費や光熱費の上昇と重なる形で家計を圧迫しかねません。
保護と負担、そのバランスをどう考えるか
トランプ政権の家具輸入への関税強化は、米国内の家具産業と雇用を守ることを前面に掲げています。一方で、輸入品への高い関税は、消費者にとっての価格上昇や、貿易相手国との関係悪化につながるリスクも抱えています。
- 国内産業と雇用をどこまで関税で守るべきか
- 家具価格の上昇を、消費者がどこまで受け入れられるのか
- 各国との貿易摩擦が長期化した場合、サプライチェーンや世界経済にどんな影響が出るのか
世界有数の消費市場である米国の関税政策は、国際的なサプライチェーンを通じて世界の家具メーカーや小売りにも波及しうるテーマです。日本にいる私たちにとっても、輸入品の価格や為替、企業収益などを通じて間接的な影響を受ける可能性があります。米国発の関税強化の動きが、今後どの方向に進むのかを継続的に追う必要がありそうです。
Reference(s):
Trump says U.S. taking steps towards tariffs on furniture imports
cgtn.com








