EU外相ら、米国のパレスチナ当局者ビザ禁止の再考を要請 ガザ情勢でも溝
欧州連合の外相らがコペンハーゲンで会合を開き、米国がパレスチナ当局者に対して入国ビザを拒否する決定を見直すよう一斉に求めました。
ガザの人道危機とイスラエルへの対応をめぐる議論が続く中、米国とEUの間でパレスチナ問題に対するスタンスの違いが改めて浮き彫りになっています。
コペンハーゲンでEU外相会合 米国にビザ方針の再考を要請
土曜日にデンマークの首都コペンハーゲンで開かれた欧州連合の外相会合では、パレスチナ側の要人に対する米国のビザ禁止方針が主要な議題の一つになりました。
参加した各国の外相は、米国に対し、この決定を再考するよう全会一致で求めました。対象となっているのは、パレスチナ解放機構(PLO)とパレスチナ自治政府(PA)の関係者です。
米国務省は前日の金曜日に発表した声明で、近く開かれる国連総会を前に、PLOやPAのメンバーに対するビザの新規発給を拒否し、既存のビザも取り消す方針を明らかにしています。
米国のビザ禁止措置とは
今回の措置では、パレスチナ側の代表や担当者が米国に入国するためのビザが認められない、あるいは取り消される可能性があります。これにより、国連総会などの国際会議への出席や、米国での外交交渉に影響が出ることが懸念されています。
欧州連合の外相らがそろって方針の見直しを求めた背景には、パレスチナ側との対話の窓口が狭まることで、中東和平をめぐる外交努力が一層難しくなるのではないかという危機感があります。
ガザの人道危機とイスラエル制裁をめぐる溝
コペンハーゲンでの会合では、ガザ地区の悪化する人道状況も重要なテーマとなりました。ただ、イスラエルに対して追加の制裁を科すかどうかについては、参加国の間で意見が大きく分かれました。
欧州連合の外交政策を統括するカヤ・カラス氏は記者会見で、加盟国は状況の深刻さについてはおおむね認識を共有しているものの、どのような具体策を取るべきかについては合意に至っていないと説明しました。
会合の議長を務めたデンマークのラーズ・ルッケ・ラスムセン外相は、イスラエルが現在の方針を変えるには、より強い圧力が必要だと考える加盟国が増えているとの見方を示しました。
会場外ではデモ、市民がより強い行動を要求
会合が行われた会場の外では、ガザの人道危機に抗議し、デンマークや欧州連合に対して、より踏み込んだ行動を求めるデモが行われました。
参加者たちは、ガザの住民を支援するための具体的な措置や、紛争当事者への圧力強化を訴え、欧州の指導者に対し、人道上の責任を果たすよう求めました。
日本の読者にとっての3つのポイント
今回の国際ニュースは、日本から見るとやや距離のある出来事に感じられるかもしれません。しかし、パレスチナ問題とガザ情勢をめぐる米国と欧州の動きは、今後の国際秩序や外交のかたちに影響を与え得る重要なサインでもあります。
次の3つの視点から整理してみます。
- 米国と欧州の間で、パレスチナ問題への向き合い方や手段に差が出てきていること。
- ガザの人道状況が、制裁や圧力といった外交手段の是非をめぐる議論の中心にあること。
- 国連総会など多国間の場で、パレスチナ側の声がどの程度反映されるのかが、改めて問われていること。
パレスチナとイスラエルをめぐる問題は、長年にわたる紛争であると同時に、人道、国際法、外交のすべてが交差するテーマです。今回のEU外相会合で示された懸念や迷いは、国際社会がこの複雑な課題にどう向き合うのかを考える一つの材料と言えるでしょう。
ニュースを追い続けることは簡単ではありませんが、自分なりの視点で状況を整理し、周囲と対話することが、遠く離れた中東の出来事を自分ごととして捉える小さな一歩になります。
Reference(s):
EU ministers urge U.S. to reconsider visa ban on Palestinian officials
cgtn.com








