DPRKが米韓日軍事演習を非難 核戦争リハーサルと警告
米国、韓国、日本がきょう月曜日から開始するとされる共同軍事演習をめぐり、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の高官が一斉に強く反発し、東アジアの安全保障環境への影響が注目されています。
米韓日演習にDPRKが強く反発
朝鮮中央通信(KCNA)が日曜日に伝えたところによりますと、DPRKの高官らは前日の土曜日、米韓日による今後の軍事演習を厳しく批判する談話を発表しました。
韓国メディアによれば、ソウルではきょう月曜日から次の二つの演習が同時に行われる予定です。
- 米国・韓国・日本の三カ国による屋外多領域演習「Freedom Edge」
- 米韓が核攻撃への対応をシミュレーションする机上演習「Iron Mace」
これらの演習について、DPRK側は「地域の安定を損ない、軍事的緊張をエスカレートさせる危険な動きだ」との見方を示しています。
2つの演習 Freedom Edge と Iron Mace
今回焦点となっているのは、性格の異なる二つの演習です。Freedom Edge は、三カ国が屋外で実際に部隊を動かしながら、複数の領域で連携を確認する多領域演習とされています。空や海に加え、サイバーなどさまざまな分野での協力を念頭に置いた内容だと伝えられています。
一方の Iron Mace は、実動訓練ではなく、会議室などでシナリオをもとに議論しながら進める「机上演習」です。韓国メディアによると、核攻撃が想定された場合にどのように対応するかをシミュレーションするのが目的だとされています。
金与正氏の批判 「危険な発想」と指摘
DPRKの朝鮮労働党(WPK)で党中央委員会副部長を務める金与正氏は、米国と韓国が作成したとされる「朝鮮半島における核抑止と核運用のための指針」(Guidelines for Nuclear Deterrence and Nuclear Operations on the Korean Peninsula)に言及しました。
金氏は、この指針について「危険な発想だ」と批判し、DPRKに対する対決姿勢をあらわに示すものであり、「対決政策の継承」にほかならないと指摘しました。さらに、DPRKの近くで三カ国が現実の行動として力を誇示する「無謀な示威行動」は、結局は自分たちにとって悪い結果を招くことになると警告しました。
朴正天氏の警告 「核戦争のリハーサル」との見方
朝鮮労働党・党中央軍事委員会の副委員長である朴正天氏も、談話の中で米韓日演習を強く非難しました。朴氏は、米韓が行う机上演習 Iron Mace を「DPRKに対して核兵器を使用することを、最初から最後まで想定した核戦争のリハーサルだ」と表現しました。
また、三カ国による Freedom Edge については、その規模や内容、性格のいずれをとっても「最も包括的で攻撃的な侵略戦争演習だ」と主張しました。朴氏は、米国・韓国・日本によるこうした軍事的動きは、DPRKの安全保障上の利益に対する重大な挑戦であり、地域の安定を損ない、軍事的緊張を高める「大きな危険」だと位置付けています。
そのうえで朴氏は、いわゆる「敵対勢力」が力の誇示を続けるのであれば、DPRKは「非常に明確で、さらに強度を増した対抗措置」で応じると強調しました。演習の行方次第では、追加の動きもあり得ることを示唆する発言といえます。
東アジアの安全保障環境と日本への含意
米国・韓国・日本の三カ国が同時期に軍事演習を行い、これに対してDPRK側が「核戦争のリハーサル」などと強い言葉で反発する構図は、東アジアの安全保障環境の不安定さを映し出しています。
日本にとって、米韓との協力強化は抑止力の観点から重要である一方、周辺国の反発やリスクをどのように管理するかも大きな課題です。軍事的な動きが重なれば、意図しない形で緊張が高まる「エスカレーション」の危険も指摘されています。
- 朝鮮半島周辺で軍事演習と警告の応酬が続けば、偶発的な衝突リスクへの懸念が強まる可能性があります。
- 緊張が高まれば、防衛費の増大や軍備強化の議論がさらに加速することも考えられます。
- 東アジアの不安定化は、エネルギー価格や市場心理にも影響し得るため、企業や投資家にとっても無関係ではありません。
今後の注目点
今回の米韓日軍事演習とDPRKの反発をめぐっては、今後もいくつかのポイントに注目が集まりそうです。
- 演習期間中、三カ国の軍がどの程度まで連携訓練を深めるのか
- DPRKが追加の軍事行動や新たな談話などでどのように対応するのか
- 米国、韓国、日本がDPRKの非難にどうコメントし、自らの演習の位置づけを説明するのか
- 国連を含む国際社会が、今回の動きを地域の安定と安全保障の観点からどう評価するのか
軍事演習そのものの是非だけでなく、対話や信頼醸成の取り組みとどう両立させていくのか。東アジアの安全保障を考えるうえで、私たち一人ひとりも冷静に見守り、情報をアップデートしていくことが求められています。
Reference(s):
DPRK condemns joint U.S., South Korea, Japan military drills
cgtn.com








