アフガン高官、トランプ大統領のバグラム基地奪還発言を批判
アフガニスタン外務省の高官が、トランプ米大統領によるバグラム空軍基地の奪還発言に強く異議を唱え、外国軍の駐留を拒む立場と、経済・政治面での関係構築を改めて訴えました。
アフガン高官がトランプ発言を批判
アフガニスタンの国営放送であるラジオ・テレビ・オブ・アフガニスタン(RTA)は金曜日、外務省の上級外交官ジャラリ氏がトランプ米大統領の最近の発言を批判したと報じました。
ジャラリ氏は、アフガニスタン人は歴史を通じて自国への外国軍の駐留を決して受け入れてこなかったと強調しました。そのうえで、アフガニスタンとアメリカは、相互の尊重と共通の利益に基づく経済・政治関係を築くべきだと述べています。
トランプ大統領のバグラム基地奪還発言とは
トランプ大統領は今週木曜日、ロンドンで記者団に対し、バグラム空軍基地について必要であれば奪還したいとの考えを示しました。具体的には、かねて批判している前任のジョー・バイデン氏が、2021年8月の米軍撤退時にこの基地を手放したことを問題視し、基地を再び確保したいと発言したと伝えられています。
トランプ氏は、アフガニスタンからの米軍撤退とバグラム空軍基地の放棄をめぐって、バイデン氏を継続的に批判してきました。今回の発言も、その文脈のなかで出てきたものといえます。
バグラム空軍基地とは
バグラム空軍基地は、首都カブールの北およそ50キロに位置し、アフガニスタンに展開した米軍および米軍主導の多国籍軍にとって、約20年にわたる軍事駐留の主要拠点となってきました。
この軍事プレゼンスは2021年8月に終了し、それに続いて、欧米の支援を受けた旧政権が崩壊し、現在のアフガニスタン政府が権力を掌握することになりました。2021年の撤退からはすでに4年以上が経過していますが、その象徴的な拠点だったバグラム空軍基地をめぐる議論は今も続いています。
アフガニスタン側が示した三つのポイント
ジャラリ氏の発言からは、アフガニスタン側の立場として次のようなメッセージが読み取れます。
- 歴史的に見ても、アフガニスタン人は他国軍の駐留を受け入れてこなかったという認識
- 軍事基地の再占拠ではなく、経済・政治分野での関与を重視していること
- 今後の米アフガン関係は、相互尊重と共通の利益を基礎に構築されるべきだという姿勢
これは、戦後のアフガニスタンが自国の主権と進路をどう位置づけるかという問題とも深く結びついています。外国軍の駐留を拒む一方で、経済協力や政治対話といった非軍事的な関わりは歓迎するという方向性がうかがえます。
2025年の今、このニュースが示す意味
2021年の米軍撤退から4年以上が過ぎた2025年の現在、バグラム空軍基地の奪還という言葉は、アフガニスタンの人々にとって過去の軍事介入の記憶を呼び起こしかねません。
一方で、トランプ大統領による一連の発言は、アフガニスタン戦争とその終わらせ方をめぐる評価が、アメリカ国内で今も政治的なテーマとなっていることをうかがわせます。軍事拠点の扱いをめぐる言葉は、アメリカ国内の政治だけでなく、地域の安全保障環境や当事国の主権意識にも波紋を広げる可能性があります。
読者が押さえておきたい視点
- バグラム空軍基地は、約20年にわたる米軍主導の駐留を象徴する拠点だったこと
- アフガニスタン側は、軍事ではなく経済・政治面での関係構築を求めていること
- 基地の奪還をめぐる発言は、戦後アフガニスタンの主権や進路をどう考えるかという問いにつながること
SNSでは、強い言葉だけが切り取られて拡散されがちです。しかし、その背後には、長年続いた軍事介入の経験と、これからどのような国際関係を築くのかという当事者たちの思いがあります。短いコメントだけで判断せず、こうした背景にも目を向けたいニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
Senior Afghan official slams Trump's remarks on Bagram airbase
cgtn.com








