米国、ウクライナへのトマホーク供与を検討 トランプ氏が最終判断へ
米国が、ウクライナが求めている長距離ミサイル「トマホーク」の供与を本格的に検討し始めました。ロシアによる大規模な空爆が続く中、戦況と外交の両面で重要な動きとなりそうです。
米副大統領「トマホーク供与を検討」 最終判断はトランプ氏
米国のVance副大統領は、日曜日に放送された米テレビ番組『Fox News Sunday』で、ウクライナが要請している長距離ミサイル「トマホーク」の供与について、米国が検討を進めていると明らかにしました。
Vance副大統領は、欧州各国から寄せられている複数の要請を「検討している」と述べ、最終的に認めるかどうかはトランプ米大統領が判断すると説明しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国がトマホークを欧州諸国に販売し、それらの国がウクライナに提供するという仕組みを提案しています。米国が直接供与する形を避けつつ、ウクライナの長距離打撃能力を高める狙いがあるとみられます。
トマホークは射程約2,500キロの長距離ミサイルで、ウクライナにとってはロシア軍のミサイル・無人機攻撃に対抗するうえで強力な戦力になり得るとされています。
トランプ大統領はこれまで、ウクライナによる長距離ミサイルの使用要請を退けてきたとされていますが、最近はロシアのプーチン大統領に対するいら立ちを強めているとされ、その姿勢に変化が生じるかが焦点となっています。
600機近いドローンとミサイル ロシアの大規模空爆
Vance副大統領の発言は、ウクライナで大規模なロシア軍の空爆が発生した直後に出ました。
ゼレンスキー大統領によると、この空爆は12時間以上にわたって続き、少なくとも4人が死亡、80人以上が負傷したということです。
ロシア側の攻撃は、ウクライナの7つの地域を狙って実施され、ドローン(無人機)約600機と数十発のミサイルが使用されたとされています。ここ数カ月で最も激しい攻撃の一つとみられています。
ゼレンスキー大統領はSNSで、ウクライナは報復すると警告し、今回の攻撃は「モスクワがなおも戦争と殺りくを続けようとしていることを示している」と非難しました。
これに対しロシア側は、攻撃はあくまでウクライナ軍を支える軍事施設や産業施設を狙ったものだと主張しています。
停戦交渉の「シグナルなし」とロシア報道官
戦闘が激しさを増す一方で、ロシアとウクライナの停戦交渉再開の見通しは立っていません。
ロシアの大統領報道官ペスコフ氏は、ロシアの通信社の取材に対し、ロシアとウクライナの代表団による交渉再開について、キーウ側から「いかなるシグナルもない」と述べました。
ペスコフ氏は「これまでのところ、キーウからは基本的に何のシグナルもない」と話し、現時点で交渉が動き出す兆しは見えないとの認識を示しました。
なぜ「トマホーク検討」がウクライナ情勢を左右しうるのか
今回のトマホーク供与の検討は、単に兵器の種類が増えるという話にとどまりません。ウクライナ情勢や米欧とロシアの関係を左右しうる重要な意味を持っています。
- 射程2,500キロの長距離ミサイルが実戦投入されれば、ロシア軍やその後方拠点に対するウクライナの抑止力・打撃力が大きく変化する可能性があります。
- 米国が欧州諸国経由で供与を認めるかどうかは、米欧がどこまでウクライナ支援を広げるつもりなのかというメッセージとしても注目されています。
- 一方で、ロシア側が戦闘のエスカレーション(拡大)と受け止める可能性もあり、停戦交渉の見通しが立たないなかで軍事的緊張を一段と高めるおそれもあります。
今後の焦点:トランプ氏の決断と欧州の出方
ウクライナへのトマホーク供与をめぐっては、少なくとも次の二つが焦点になります。
- トランプ大統領が、これまでの慎重姿勢を変えて長距離ミサイルの供与を認めるかどうか
- ウクライナへの支援を続ける欧州各国が、トマホークを受け取り自国から供与する枠組みにどこまで踏み込むか
今後、トランプ大統領がどのような決断を下すのか、またロシアとウクライナの戦いがどの方向に向かうのか。ウクライナへのトマホーク供与をめぐる動きは、今後の国際秩序と安全保障を考えるうえで、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








