イエメン・フーシ派がオランダ船籍貨物船攻撃を主張 アデン湾で火災
イエメンの武装組織フーシ派が、アデン湾を航行中のオランダ船籍の一般貨物船ミネルヴァグラハトへの攻撃を認めました。2人が負傷し、紅海・アデン湾の航路安全に改めて不安が広がっています。
今回のポイント
- オランダ船籍の貨物船ミネルヴァグラハトがアデン湾で攻撃を受け、火災が発生
- 乗組員19人はヘリコプターで避難し、うち2人が負傷
- イエメンのフーシ派が犯行声明を出し、巡航ミサイルによる攻撃だと主張
- 紅海とアデン湾では2023年以降、船舶を狙った攻撃が継続
オランダ船籍貨物船ミネルヴァグラハトが被弾
攻撃を受けたのは、オランダ船籍の一般貨物船ミネルヴァグラハトです。船はアデン湾の公海上を航行中に被弾し、大きな損傷と火災が発生したと、オランダ・アムステルダムに拠点を置く運航会社スプリートホフが明らかにしました。
欧州連合の海上任務アスピデスや運航会社によると、この攻撃で船員2人が負傷し、全19人の乗組員がヘリコプターで緊急避難しました。
フーシ派「巡航ミサイルで攻撃」と主張
イエメンのフーシ派は、水曜日にこの攻撃の犯行声明を発表しました。フーシ派の軍事報道官は、攻撃は月曜日に巡航ミサイルを使用して実行したと説明しています。
フーシ派は、ミネルヴァグラハトを狙った理由について、船主が占領下パレスチナの港への入港禁止に違反したと主張しました。こうした説明は、自らの攻撃を正当化するためのフレーミングと言えます。
ガザをめぐる戦争と「連帯」を掲げた攻撃
イランと関係があるとされるフーシ派は、2023年以降、紅海を航行する船舶への攻撃を繰り返してきました。フーシ派は、これらの攻撃はイスラエルに関係するとみなした船を標的にし、ガザでの戦闘に対するパレスチナ人との連帯だと位置づけています。
ただし、実際の船籍や運航企業の国籍は多岐にわたり、攻撃が広範な商業航路を巻き込んでいる点が国際社会の懸念となっています。今回の標的がオランダ船籍の船だったことも、その象徴の一つと言えます。
最近の主な攻撃を時系列で振り返る
今回のミネルヴァグラハトへの攻撃は、紅海・アデン湾で続く一連の動きの延長線上にあります。報道が伝える主な事例を整理すると、次のようになります。
- 2023年以降:フーシ派が紅海で多数の船舶を攻撃。イスラエルに関係するとみなした船を標的にしていると主張。
- 2024年7月:アデン湾でシンガポール船籍のコンテナ船ロビビアが攻撃を受ける。この攻撃が、今回以前のアデン湾における最後の大きな攻撃とされています。
- 今年7月:紅海でばら積み貨物船マジックシーズと貨物船エタニティCが攻撃され、いずれも沈没。
- 今年9月1日:サウジアラビアの紅海沿岸都市ヤンブー近郊で、イスラエル所有のタンカー、スカーレット・レイが標的となる。
今回のミネルヴァグラハトへの攻撃は、商業船を狙ったものとしては9月1日以来とされ、紅海にとどまらずアデン湾の航路でも再びリスクが高まっている形です。
紅海・アデン湾の航路安全に何が起きているか
紅海とアデン湾は、アジアと欧州を結ぶ海上交通の要衝です。その海域で、特定の紛争当事者と結び付けられたと見なされた船舶が繰り返し攻撃されることは、地域紛争が世界の物流やエネルギー輸送に影響を及ぼしうることを改めて示しています。
今回の事案では、EUの海上任務アスピデスが負傷者や避難の状況を明らかにしました。このことからも、個別の国だけでなく、複数の国や地域が航路の安全確保に関心を寄せていることがうかがえます。
今後も、
- 船会社や乗組員の安全確保
- 航路選択や保険料など、商業航路の運用コストへの影響
- ガザをめぐる戦闘や中東情勢全体との連動
といった点が、国際社会にとって重要な論点となりそうです。
私たちがこのニュースから考えられること
フーシ派は、自らの攻撃を政治的なメッセージと結び付けていますが、その矛先は国籍や企業が多様な商業船に向かっており、現場でリスクを負うのは乗組員をはじめとする一般の人々です。
ガザでの戦闘、紅海・アデン湾の航路リスク、そして世界経済のつながりは、互いに切り離せないテーマとして重なり合っています。ニュースを追う私たちにとっても、単なる一つの武力攻撃の事例としてではなく、地域紛争がどのように国際社会や日常の経済活動に波及していくのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Yemen's Houthis claim responsibility for attack on Dutch-flagged ship
cgtn.com








