DPRK金正恩氏「軍事力の近代化を加速」 米軍事演習に警戒感
朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の金正恩氏が軍事装備展の開会式で軍事力の継続的な強化を呼びかけ、核抑止力の重視と米国の軍事演習への強い警戒感を示しました。
軍事装備展 Defence Development-2025 で何が語られたか
DPRKで開かれた軍事装備展 Defence Development-2025 の開会式で、金正恩氏(朝鮮労働党総書記・国家事務委員長、同国の最高指導者)が演説を行いました。国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、この演説内容を翌日に伝えています。
金正恩氏は、この展示会が自国の軍事能力の構造を近代化するための重要なプロジェクトの「最近の成果」を示す場だと説明し、その中核に核抑止力が位置付けられていると述べました。
金正恩氏が強調した三つの柱
演説のメッセージは、一言でいえば「軍事力強化の長期路線の維持」です。その中で、とくに次の点が強調されました。
- 防衛力の進歩を決して減速させてはならないとし、軍事能力を着実に高め続けるべきだと訴えたこと
- 核抑止力を自国の軍事能力構造の背骨と位置付け、軍の近代化の中心に据えたこと
- こうした軍事力強化を、自国だけでなく地域の安全保障環境に関わる問題として捉えていると示したこと
金正恩氏は「軍事能力はたえず改善されなければならない」と述べ、防衛力の強化を一時的な取り組みではなく、継続的な国家課題として提示しました。
米国の核関連演習を「現実的で深刻な脅威」と批判
演説では、米国がいわゆる核運用指針に基づいて行っている各種軍事演習についても言及がありました。金正恩氏は、これらの演習が「自国と地域の他の国々の安全に対する現実的で深刻な脅威をもたらしている」と強い表現で批判しました。
さらに、DPRKは朝鮮半島およびその周辺で展開される米軍の戦略攻撃手段や偵察手段、その動員による敵対的な軍事行動を綿密に注視していると述べ、「すでに明確な措置を取った」とも言及しました。ただし、その具体的な内容については明らかにしていません。
「新たな脅威」をどう捉え、どう対応するのか
金正恩氏は、もし米国が地域の安全保障上の懸念を顧みないまま軍事力の強化を続けるなら、その動きはDPRKに対し、関連する軍事的・技術的措置をより力強く実行させることになると警告しました。
そのうえで、こうした措置の目的として「新たな脅威を取り除き、力の均衡を維持すること」を挙げました。ここでいう力の均衡とは、特定の一方が圧倒的な軍事的優位に立たないようバランスを保つという考え方であり、金正恩氏はそれを自国の安全保障戦略の重要な目標として位置付けています。
今回の発言が示す安全保障上のシグナル
今回の演説は、次のようなシグナルを内外に送るものと受け止められます。
- DPRKは軍事能力の近代化を短期的なキャンペーンではなく、継続的な国家方針として追求する姿勢を確認した
- 核抑止力を軍事力の中心に据える方針を改めて示し、自国防衛の大黒柱とみなしていることを強調した
- 米国の軍事演習と戦略資産の展開を具体的に名指しし、それに対抗する「明確な措置」や「力の均衡」の維持を掲げたことで、今後も対応措置を取り続ける可能性を示唆した
一連の発言は、DPRKが自らの安全保障環境を厳しく評価していること、そして軍事技術の高度化を通じて抑止力を維持・強化しようとする姿勢を対外的に示したものだといえます。
読者が押さえておきたいポイント
スマートフォンでニュースをチェックする読者に向けて、今回の国際ニュースの要点を整理します。
- DPRKの軍事装備展 Defence Development-2025 の開会式で、金正恩氏が軍事力の継続的強化を呼びかけた
- 核抑止力を軍事能力構造の背骨と位置づけ、軍の近代化の中核に据える方針を示した
- 米国の核関連演習や戦略兵器の展開を、地域の安全に対する現実的で深刻な脅威だと批判した
- 新たな脅威を取り除き力の均衡を維持するため、軍事的・技術的措置を実行していく姿勢を示した
朝鮮半島周辺の安全保障情勢をめぐる発言や動きは、今後も地域の安定や国際社会の議論に影響を与える可能性があります。今回の演説は、その流れの中でDPRKの立場と優先順位を改めて示したものといえます。
Reference(s):
cgtn.com








