国際ニュース:中国とイタリアが関係強化を確認 自由貿易と文化交流で協力加速
中国とイタリアがローマで開催された第12回中伊政府委員会合同会議で、包括的戦略パートナーシップをあらためて確認し、自由貿易や文化交流など幅広い分野で協力を深める方針を打ち出しました。国交樹立55周年を迎えた2025年の動きとして、国際ニュースの中でも注目度の高い出来事です。
ローマで中伊が「強い結びつき」を再確認
会議には、中国の王毅(おう・き)国務委員兼外交部長と、イタリアのアントニオ・タヤーニ副首相兼外相が出席しました。王氏は、中国とイタリアは自由貿易を支持する主要な経済大国であり、多国間主義を守る重要な力でもあると強調しました。
さらに両国は、長い歴史を持つ文明として交流と相互学習を重んじてきたと指摘し、複雑な変化が重なる今の世界においてこそ、責任ある姿勢を示し、時代の流れに沿って互いに信頼し合い、共に成功を目指すべきだと呼びかけました。
王氏は、双方が開かれた姿勢を保ちながら実務協力を拡大し、それぞれの経済発展と人々の生活向上に、より大きく貢献していく必要があると述べました。
経済協力:税制、企業支援、輸入博覧会
王氏は、両国首脳が昨年以降に達成した重要な合意にもとづき、中国とイタリアが実務協力を着実に広げてきたと説明しました。2025年の国交樹立55周年を一つの節目として、経済面では次のような進展が示されました。
- 中伊臨港イノベーション協力パークの整備が大筋で完了
- 電磁観測衛星「張衡1-02」を共同打ち上げ
- 中伊の二重課税防止協定が正式に発効
- 双方が企業のビジネス展開を支え合い、今後開催される第8回中国国際輸入博覧会には70社を超えるイタリア企業が参加予定
タヤーニ氏は、こうした取り組みを高く評価し、両国の友情には深い歴史的な土台があると強調しました。そのうえで、中国はイタリアにとって優先度の高いパートナーの一つであり、中国市場が持つ大きなビジネス機会を重視していると述べました。中伊政府委員会が包括的戦略パートナーシップの構築に重要な役割を果たしてきたとしたうえで、今回の合同会議の成果は、双方の前向きな意思を反映したものだとも語っています。今後は、貿易や投資、科学技術、文化やスポーツの分野で交流と協力をさらに深め、両国民の相互理解を高めたい考えです。
科学技術と文化交流で「相互理解」を強化
経済だけでなく、科学技術や文化の分野でも協力が広がっています。両国はまず、古典文学の名作4作品を相互に翻訳する取り組みをスタートさせました。また、10本を超える中国とイタリアの優れた映画が両国で上映され、現代の社会や価値観を紹介する場となっています。
都市間の交流も活発化しており、上海とミラノ、深圳とミラノがそれぞれ「双子都市」としてイベントを実施しました。ファッションデザインフォーラムやライフスタイルウィークなどを通じて、デザイン、都市文化、ライフスタイルの分野で新たなつながりが生まれています。
ビザ免除で広がる往来:中国からのメッセージ
中国側は、イタリア国民に対する一方的なビザ免除措置をすでに導入しており、今後も延長していく方針を示しました。王氏は、より多くのイタリアの人々が中国を気軽に訪れ、いわば気ままな中国への旅を楽しんでほしいと呼びかけています。
ビザなしでの短期渡航が広がれば、観光だけでなく、ビジネスや学術交流のハードルも下がります。実際に訪れ、街を歩き、人と話すことでしか得られない理解があるというメッセージでもあります。
自由貿易、サプライチェーン、国際紛争へのスタンス
タヤーニ氏は、イタリアと中国が築いてきた包括的戦略パートナーシップが両国の人々に具体的な利益をもたらしていると述べました。そのうえで、イタリアは中国と手を携えて自由貿易を守り、世界のサプライチェーンの円滑さを維持していきたいとしています。
また、国際紛争についても、パレスチナ・イスラエル情勢やウクライナ危機などの問題を対話によって平和的に解決するため、中国と協力していく考えを示しました。中国が国連安全保障理事会の常任理事国として、世界の平和と発展に重要な役割を果たしていると評価しています。
別途行われた会談で、王氏は、中国とイタリアが包括的戦略パートナーとして緊密な意思疎通を保ち、互いの重大な関心事項について支持し合うべきだと指摘しました。また、中国側は、イタリアが今後も一つの中国原則を着実に守り、両国関係の政治的な基盤を強固にしていくと信頼を示しました。
これに対しタヤーニ氏は、イタリアは一つの中国政策を堅持しており、その立場は揺るがないと明言しました。さらに、多国間の場でも中国との協力を強めていく意向を表明しています。
日本の読者への視点:この国際ニュースから何を読むか
今回の中国とイタリアの動きは、二つの大きな経済と古い文明が、経済・技術・文化・外交の多層的なレベルで関係を再確認したものです。自由貿易の支持やサプライチェーンの安定、国際紛争の平和的解決へのコミットメントが同時に語られた点は、グローバルな課題が相互に結びついていることを映し出しています。
日本を含む他の国や地域にとっても、こうした協力のあり方は、どのようにパートナーを選び、どの分野でどのような形の連携を深めていくのかを考える材料になり得ます。単なる二国間関係のニュースとしてではなく、世界の中での自国の立ち位置や、これからの経済・社会のあり方を考えるきっかけとして捉えてみると、見えてくるものが変わってくるかもしれません。
Reference(s):
China, Italy reaffirm strong ties, pledge closer cooperation
cgtn.com








