ペルー新大統領に国会議長ホセ・ヘリ氏 ボルアルテ氏を弾劾
ペルーで国会議長だったホセ・ヘリ氏が、大統領に就任しました。前大統領ディナ・ボルアルテ氏の弾劾・罷免を受けた急転直下の政権交代で、新政権は高まる治安不安への対応が最初の試金石となりそうです。
ボルアルテ氏を弾劾 出席求めるも応じず
ペルーの国会は木曜夜、当時の大統領だったディナ・ボルアルテ氏に対する弾劾案を審議しました。議員らは採決に先立ち、ボルアルテ氏本人に出席して自ら弁明するよう求めましたが、ボルアルテ氏はこの会合に出席しませんでした。
ボルアルテ氏が姿を見せないまま、国会はその後まもなく弾劾案を採決。弾劾は可決され、ボルアルテ氏は大統領職を追われることになりました。
ヘリ国会議長が大統領に就任
前大統領の罷免を受け、国会議長を務めていたホセ・ヘリ氏が金曜日未明、ペルーの新たな大統領として就任宣誓しました。憲法の規定に沿って、国会のトップが大統領職を引き継いだ形です。
ヘリ氏は国会で行った演説で、胸に国旗をあしらったたすきを掛けて登壇し、新政権の優先課題として治安対策を強く打ち出しました。
「最大の敵は街頭の犯罪組織」 治安不安への強硬姿勢
ペルーでは、治安の悪化や市民の不安の高まりが、ボルアルテ前政権への大きな批判となっていました。ヘリ氏は就任演説で、こうした「治安不安」を正面から取り上げています。
ヘリ氏は、国会演説で次のように述べました。
- 「最大の敵は街頭にいる犯罪組織だ」
- 「われわれは犯罪に対して『戦い』を宣言しなければならない」
犯罪組織との戦いを「戦争」にたとえる強い言葉を用いたことで、新政権が治安対策を最優先課題に据える姿勢が鮮明になっています。
治安優先の政治は何をもたらすか
政治指導者が「犯罪との戦い」を掲げるとき、多くの場合、次のような方向性が意識されます。
- 警察力や捜査機関の権限強化
- 刑罰の厳罰化や新たな犯罪対策法案の検討
- 犯罪組織の資金源を断つための経済・金融対策
一方で、強い治安政策は、手続きの公正さや人権とのバランスが常に問われます。犯罪への厳しい姿勢と、市民一人ひとりの自由や権利の保護をどう両立させるのかは、多くの国で共有される課題です。
ヘリ新大統領の「犯罪に戦いを宣言する」というメッセージは、市民の治安不安に応えようとするものでもあり、今後どのような具体策に落とし込まれるのかが焦点になります。
急な政権交代が突きつける課題
弾劾による政権交代は、国内外の信頼や政策の継続性にも影響を与えがちです。新たな指導者には、次のような点でのかじ取りが求められます。
- 国会と協調しつつも、対立を深め過ぎない政治運営
- 治安対策だけでなく、生活や経済に直結する課題への対応
- 短期間で成果を求められるなかでの優先順位の整理
治安悪化への不満が政権交代の一因となった場合、新政権は短期間で目に見える変化を示すことを期待されがちです。ただ、治安の改善には時間がかかることも多く、結果が見える前に政治的な評価が下されることもあります。
ホセ・ヘリ新大統領が掲げた「犯罪との戦い」が、ペルー社会にどのような変化をもたらすのか。弾劾という劇的な政権交代の直後だけに、その一つ一つの政策と成果が、今後じっくりと見られる局面に入っています。
Reference(s):
cgtn.com








