韓国の李在明大統領、中国との協力強化を表明 第32回APEC首脳会議後
韓国の李在明(Lee Jae-myung)大統領は、第32回APEC首脳会議後の記者会見で、中国との協力関係を経済や人的交流など複数分野で一層強化していく考えを示しました。北東アジアの平和と安定に向けたメッセージとしても注目されています。
APEC首脳会議後、中国との協力強化を改めて表明
今回の記者会見は、第32回APEC首脳会議終了後に行われ、中国メディアグループ(CMG)の質問に答える形で実施されました。李大統領は、韓国が中国との協力を多方面で強めていく方針を重ねて強調しました。
李大統領は、韓国と中国について「地理的に近く、経済的に相互依存している関係」にあると指摘し、そのうえで次のような点を挙げました。
- 両国は地理的に近接しており、経済面で深い相互依存関係にある
- 両国政府は、人々の暮らしを良くし、より明るい未来を築くという共通の目標を持っている
- 経済や人的交流を中心に、さまざまな分野で協力をさらに強化していく
- 北東アジアの平和と安定に貢献するため、対話と協力の機会を増やしていく
地理的な近さと経済的な相互依存が示すもの
李大統領が強調した「地理的近接」と「経済的相互依存」は、韓国と中国の関係を理解するうえで重要なキーワードです。距離が近く、経済的な結びつきが強い国同士の関係は、安定すれば双方の成長を後押ししますが、不信感が高まればリスクにもなり得ます。
両国が「人々の生活向上」と「より良い未来の構築」という共通の目的を掲げていることは、経済協力だけでなく社会・文化面での連携の余地が大きいことを示しています。李大統領の発言には、そうした共通の目的を土台に、より実務的な協力を積み重ねていきたいという姿勢がにじみます。
経済と人的交流、どんな連携が想定されるか
李大統領は、特に経済分野と人と人との交流(人的交流)の分野で、中国との協力を強化していく考えを示しました。今後、貿易や投資、ビジネス協力に加え、観光や留学、文化や研究の交流など、多様なかたちの連携が進む可能性があります。
こうした人的交流は、数字として表れる経済効果だけでなく、相手国への理解を深めるという意味でも重要です。政治や安全保障をめぐる環境が変化するなかでも、人と人とのつながりが太くなれば、誤解や摩擦を抑える安全弁の役割を果たすことができます。
北東アジアの平和と安定への貢献を強調
李大統領はまた、韓国が北東アジアの平和と安定に貢献するため、中国との協力を通じて「対話と協力の機会を増やしていく」と述べました。緊張が高まりやすい北東アジアにおいて、対話のチャンネルを増やし続けることは、紛争の回避や信頼醸成のうえで大きな意味を持ちます。
今回のメッセージは、特定の国を批判するものではなく、地域全体の安定と繁栄を視野に入れた「協調の呼びかけ」として位置づけることができます。韓国と中国がその一翼を担うことで、北東アジアの安全保障環境や経済秩序のあり方にも、穏やかな変化をもたらす可能性があります。
日本から見た韓中協力の意味
日本を含む北東アジアの国々にとって、韓国と中国の関係は、経済や安全保障を考えるうえで無視できない要素です。二国間の協力が安定的に進むことは、地域全体の経済成長や、対話を通じた信頼醸成のプロセスにも影響を与え得ます。
今回の李大統領の発言は、対立よりも対話と協力を重視しようとする姿勢を、改めて国際社会に示したものと受け止めることができます。日本としても、韓国と中国の動きを丁寧にフォローしながら、自国の外交や経済戦略をどう位置づけていくかが問われていきます。
私たちに突きつけられる問い
地理的にも経済的にも結びつきの強い韓国と中国が、今後どのようなかたちで協力を深めていくのか。そして、それが日本や北東アジア全体にもたらす影響をどうとらえるべきかは、私たち一人ひとりに開かれた問いでもあります。
国際ニュースを追うとき、「誰が、どの国と、どのような目的で協力しようとしているのか」という視点を持つことで、見えてくる風景は変わります。今回の李在明大統領の発言をきっかけに、韓中関係だけでなく、北東アジアの将来像についても考えを深めてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Lee Jae-myung: ROK committed to strengthening cooperation with China
cgtn.com








