タンザニア大統領選、サミア・スルフ・ハサン氏が圧勝 初の選挙で選ばれた女性大統領に
2025年のタンザニア大統領選挙で、与党「チャマ・チャ・マピンドゥジ(CCM)」の現職、サミア・スルフ・ハサン大統領が得票率97.66%という圧倒的な支持を集め、初の「選挙で選ばれた女性大統領」となりました。与党の長年の支配が続く一方で、最大都市ダルエスサラームでは選挙をめぐる抗議デモと治安当局との衝突も報告されており、そのインパクトは国内政治にとどまらず、国際ニュースとしても注目されています。
97.66%の圧勝、独立選管が勝利を宣言
独立国民選挙委員会(INEC)は土曜日、首都ドドマで会見を開き、ハサン氏が31,913,866票、得票率97.66%を獲得したと発表しました。INECのジャコブス・ムワンベゲレ委員長は「与党チャマ・チャ・マピンドゥジ(CCM)のサミア・スルフ・ハサン氏が大統領選挙の勝者である」と宣言し、その圧倒的な勝利を公式に認めました。
今回の選挙では、野党側から16人の候補が立候補しましたが、ハサン氏はこれらすべての候補を退け、長年続く与党の支配的な地位を一段と固める結果となりました。
初の「選挙で選ばれた」女性大統領という節目
ハサン氏はタンザニア史上初の女性大統領としてすでに歴史に名を刻んでいます。2015年から2021年まで副大統領を務めたのち、2021年3月に当時のジョン・マグフリ大統領が心疾患で死去したことを受けて大統領職を引き継ぎました。
今回、自らの名前で選挙を戦い、大統領選挙に勝利したことで、「初の女性国家元首」であるだけでなく、「国民の投票によって選ばれた初の女性大統領」という新たな節目を迎えたことになります。
5年ごとに行われる総選挙、その仕組み
タンザニアの総選挙は5年ごとに実施され、大統領だけでなく、国会議員や地方議会の代表も同時に選ばれます。今回も水曜日に行われた投票で、有権者は大統領、議会、地方評議会の代表を一度に選びました。
大統領選挙には17の政党が候補者を擁立し、議会および地方選挙には18の政党が参加しました。その中で、与党候補が圧倒的多数を獲得したことは、タンザニア政治における与党の強い影響力をあらためて示す結果となりました。
ダルエスサラームで抗議デモ、治安部隊と衝突
一方で、この大勝の裏側では、選挙の公正さに対する不満も噴出しています。港湾都市ダルエスサラームでは、主要な野党候補が大統領選から排除されたことなどを理由に、当局が野党を封じ込めていると批判するデモ参加者が街頭に集まりました。
報道によりますと、デモはやがて警察との衝突に発展し、人びとを追い散らすために警察が発砲する場面もあったとされています。混乱の中で、複数の警察詰め所やガソリンスタンド、通勤バス、そして投票所の一部が損壊したと伝えられています。
政府は事態を受け、ダルエスサラームに夜間外出禁止令を出し、その後、インターネット接続に障害が生じているとの報告もありました。情報へのアクセスが制限される中で、現場の正確な状況を把握することが一層難しくなっているといえます。
圧勝と抗議が同時に示すもの
今回のタンザニア大統領選挙は、次のような点で注目すべき出来事となりました。
- 97.66%という得票率で現職大統領が勝利し、与党の長期的な優位が一段と強まったこと
- ハサン氏が「選挙で選ばれた初の女性大統領」となり、政治リーダーシップにおける女性の存在感を高めたこと
- 主要候補の排除をめぐる不満や、ダルエスサラームでの抗議・衝突、外出禁止令やインターネット障害など、政治的緊張も同時に表面化していること
圧倒的な勝利は、政権側に強い政治的な追い風をもたらす一方で、選挙の過程や野党の扱いに疑問を抱く人びとの声も残ります。2025年以降、ハサン政権がどのように社会の分断を和らげ、幅広い有権者の信頼を得ていくのか。アフリカ政治、そして国際ニュースに関心を持つ読者にとって、今後の動きにも注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








