スーダン・エルファーシャーで住民への暴力激化 国連が深刻な懸念
スーダン北ダルフール州の州都エルファーシャーから逃れる市民に対し、処刑や性暴力を含む深刻な暴力が増えているとして、国連の人道機関が強い危機感を表明しました。
エルファーシャー周辺で続く戦闘
国連人道問題調整事務所(OCHA)は水曜日、スーダン北ダルフール州で戦闘が続くなか、エルファーシャーから逃れようとする市民に対する残虐行為の報告が増え続けていると明らかにしました。
OCHAによると、現地のボランティアは、州都エルファーシャーがRapid Support Forces(RSF)と呼ばれる部隊に制圧されて以降、戦闘から逃げる人々が組織的な暴力にさらされていると公に訴えています。処刑、性暴力、屈辱、恐喝、襲撃などが報告されており、逃走中の住民も標的になっているといいます。
衛星画像が示す集団埋葬地
OCHAは衛星画像の分析の結果、エルファーシャーのモスク近くと、かつての小児病院付近で少なくとも2カ所の集団埋葬地が確認されたほか、遺体を処分したとみられる複数の地点が見つかったと説明しています。
女性や子どもへの被害
国連人口基金(UNFPA)は、エルファーシャーから避難する途中の女性や少女が、レイプや拉致など極度の暴力に直面していると報告しました。
OCHAによれば、エルファーシャーから約40キロ離れたトウィラ(Tawila)の町には、銃撃を受けたとみられる約1300人が到着しており、逃亡中に攻撃されたとみられています。
トウィラは州都からの避難民の主な受け入れ先となっており、現地の人道ニーズは、利用可能な資源を大きく上回っていると国際移住機関(IOM)は指摘しています。
8万超が避難、チャドにもさらなる負担
IOMは、火曜日時点で、エルファーシャーとその周辺から約8万2000人が避難したと報告しました。これは、10月26日の都市陥落以降の人数とされています。
一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、スーダン西隣のチャドがスーダン紛争から逃れる人々の重要な避難先となっており、現在、ダルフールからの避難民を中心に約140万人を受け入れているとしています。
エルファーシャーでの暴力が激化するなか、チャドへの新たな大規模流入が予想されており、受け入れコミュニティへの負担はさらに増す見通しです。
UNHCRは、保健、水、衛生、保護といった重要分野の支援が十分に確保されておらず、多くの人々が必要な支援を受けられていないとして、国際社会に対し、チャドでの難民対応への支援を早急に拡大するよう訴えています。
国連が求める即時停戦と人道アクセス
OCHAはあらためて、スーダンでの即時停戦と、国際人道法に基づく義務の順守をすべての当事者に求めています。
とくに、市民の保護と、人道支援団体や救援物資が必要とされる人々に安全かつ妨げられることなく到達できるようにすることが不可欠だと強調しました。
遠くの危機をどう自分事として捉えるか
今回のエルファーシャーの事態は、紛争が激化するたびに、最も大きな犠牲を払うのが一般の市民であることをあらためて浮き彫りにしています。
アフリカで起きている人道危機は、日本から見ると地理的にも心理的にも遠く感じられるかもしれません。しかし、避難民の受け入れや人道支援の財源は、国際社会全体の関心と関与によって左右されます。
この国際ニュースをきっかけに、紛争地の人々に何が起きているのかを自分の言葉で語り、周囲と共有することも、間接的な支援の一つと言えるでしょう。エルファーシャーから届く報告に目を向けることは、武力紛争のコストを考え、民間人をどう守るべきかという問いを、私たち一人ひとりに投げかけています。
Reference(s):
UN humanitarians alarmed by violence against civilians in El Fasher
cgtn.com








