米議会、エプスタイン関連文書公開法案を可決 司法省に開示義務 video poster
米議会、エプスタイン関連文書公開法案を可決
米国議会で、故ジェフリー・エプスタイン氏に関する捜査・訴追資料の公開を義務づける法案が、上下両院でほぼ全会一致で可決されました。成立すれば、米司法省が保有する未分類のエプスタイン関連文書が広く公開されることになり、米国社会で高まる透明性への要求を象徴する動きとなります。
上院は全会一致、下院も427対1の賛成
先週火曜日、米上院は下院が同日可決した法案を、全会一致(ユナニマス・コンセント)で承認しました。法案は「エプスタイン・ファイル透明化法案」とされ、エプスタイン氏に関する司法省の資料公開を求める内容です。
特徴的なのは、上院が下院からの法案が正式に送付される前に採決に踏み切った点です。上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務は本会議で、
「私の全会一致の要請によって、上院はエプスタイン文書透明化法案を追加の手続きなしに直ちに可決することが保証される。下院から送られ次第、変更も遅れもなく通過させ、ついにこれを成し遂げる」
と述べ、迅速な採決の意図を強調しました。
同じ日、下院は427対1という圧倒的多数で法案を可決しており、上下両院を通じて事実上の超党派合意が形成された形です。
司法省に求められる「公開」の範囲
今回のエプスタイン関連文書公開法案は、米司法省(DOJ)に対し、エプスタイン氏に関する捜査・訴追の経緯を示す未分類資料を公開するよう義務づける内容です。
具体的には、司法省が保有する次のような資料が対象になります。
- 未分類(機密指定されていない)記録
- 関連する文書やメモ、電子メールなどのコミュニケーション
- エプスタイン氏に対する捜査および訴追に関する各種の捜査資料
対象となるのは、司法省が「保有している」資料とされています。つまり、今回の法律によって新たな捜査が始まるというより、これまでの捜査・訴追の過程が、どこまで公の目に触れるかが焦点となります。
被害者保護と捜査継続への配慮も
一方で、公開の範囲には一定の制限も設けられています。法案は、全面公開を求めつつも、次のような情報については司法省が非公開とすることを認めています。
- 被害者の個人を特定できる情報など、プライバシーに直結する情報
- 現在進行中の連邦捜査を危険にさらすおそれのある資料
つまり、法案の狙いは単純な「暴露」ではなく、
- 公的機関の説明責任と透明性の向上
- 被害者の安全とプライバシーの保護
- 現在も進行中の捜査への悪影響を避けること
という複数の要素のバランスを取ることにあります。どこまでが「公益のための公開」で、どこからが「守るべき個人情報」なのか。その線引きが今後の大きな論点になりそうです。
法案成立までのステップと現在の状況
法案が実際に法律として効力を持つためには、米大統領の署名が必要です。今回のエプスタイン関連文書公開法案も、上下両院を通過したものの、まだトランプ大統領の署名を経ていません。
大統領が署名すれば法案は正式に成立し、司法省は一定のスケジュールに従って関連文書の公開作業を進めることになります。先週の上下両院での可決を受け、今後はホワイトハウスの判断と、司法省による具体的な公開プロセスが注目されます。
なぜこの動きが米国で注目されているのか
エプスタイン氏に関する捜査や訴追の経緯は、米国内で長く関心を集めてきました。どのような判断がいつ、誰によって行われたのか。なぜ特定の判断が下されたのか。こうした点について、より詳細な記録を知りたいという世論の声があります。
そうした中で、
- 司法省が保有する未分類資料を体系的に公開する
- 公開のルールを法律として定める
という今回の法案は、個別の事件を超えて、公的機関の説明責任のあり方を問う動きともいえます。特に、超党派でほぼ全会一致という形で可決された点は、政党間の対立を超えて「透明性の確保」が重要なテーマとして共有されていることを示しています。
日本の読者にとっての論点
今回のエプスタイン関連文書公開法案は、米国のニュースであると同時に、日本にとってもいくつかの示唆を与えます。
- 重大事件をめぐる捜査・訴追の経緯を、どこまで記録し、どのような形で公開すべきか
- 被害者のプライバシーと、安全・安心を損なわずに透明性を高めるにはどうすればよいか
- 政治的対立がある中でも、情報公開のルール作りで合意を形成できるのか
日本でも、公文書管理や情報公開、被害者保護をめぐる議論は続いています。米議会の今回の動きは、こうしたテーマをあらためて考える材料にもなりそうです。
今後、トランプ大統領が法案に署名するかどうか、そして司法省が実際にどの範囲まで資料を公開するのか。透明性と保護のバランスをめぐる議論は、しばらく続くとみられます。
Reference(s):
cgtn.com








