ウクライナ危機の終結はウクライナと欧州の同意が必要 メルツ独首相がG20で発言
ウクライナ危機をどう終わらせるのか──ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、G20サミットの場で「当事国の頭越し」に決める解決には否定的な立場を明確にしました。
ウクライナと欧州の「同意」が不可欠と強調
メルツ首相は、南アフリカのヨハネスブルクで開かれたG20サミットにあわせて土曜日に行われた記者会見で、続くウクライナ危機の終結に向けた考え方を示しました。首相は、危機の行方はウクライナだけでなく「欧州全体の安全保障に関わる」と述べ、欧州の問題としての重みを強調しました。
そのうえでメルツ首相は、「戦争は、関係する国々の頭越しに大国が終わらせることはできない」と述べ、今回のウクライナ危機の終結は「ウクライナの無条件の同意があって初めて成り立つ」と強調しました。大国同士の取引だけで停戦や和平の条件を決めるべきではない、というメッセージです。
G20ヨハネスブルクで語られた危機の位置づけ
メルツ首相によれば、欧州の大地で進行しているこの紛争と、その結果としてどのような秩序が形づくられるかは、欧州全体の安全に直結します。つまり、ウクライナ危機は一国の問題にとどまらず、欧州の安全保障構造そのものを左右する課題だという位置づけです。
首相の発言は、ウクライナを抜きにした「外側からの合意」ではなく、現地の人々と欧州のパートナーが納得できる枠組みが必要だという認識を示したものといえます。
ジュネーブでの協議と「安全保障の保証」
メルツ首相はまた、外交面での次のステップにも言及しました。ドイツ、フランス、英国の外交政策担当者や欧州連合の代表が、日曜日にスイスのジュネーブで、米国とウクライナの代表とともに協議を行う予定だと明らかにしました。
首相は、ウクライナに対して「信頼できる安全保障上の保証」を確立する必要があると述べています。安全保障の保証とは、将来同じような危機が再び起きないよう、攻撃の抑止や防衛体制、国際的な約束を組み合わせて、国の安全を支える仕組みのことを指します。
「終結のチャンス」はあるが、合意にはなお距離
メルツ首相は、現在ウクライナ危機を終結させるチャンスがあるとの認識も示しました。一方で、関係する当事者の間には、誰もが満足できる共通の結果に到達するには「まだ大きな隔たりがある」とも指摘しています。
つまり、外交的な窓は開いているものの、具体的な条件や保証の中身をめぐっては、なお意見の差が大きいということです。G20という場でこうした認識を共有したうえで、ジュネーブでの協議がどこまで隔たりを埋められるかが、今後の焦点となります。
問われる「誰が戦争の終わりを決めるのか」
今回のメルツ首相の発言は、ウクライナ危機にとどまらず、次のような問いを私たちに投げかけているようにも見えます。
- 戦争や紛争の「終わり」は、誰がどのように決めるべきなのか。
- 当事国の意思と、大国や周辺国の安全保障上の思惑を、どのように調整できるのか。
- 「信頼できる安全保障の保証」とは、具体的にどのような姿になりうるのか。
G20サミットでの発言とジュネーブでの協議は、こうした問いに対する一つの試みです。ウクライナ危機の行方とともに、欧州の安全保障のあり方をめぐる議論がどのように進んでいくのか、引き続き注目が集まりそうです。
Reference(s):
Ending Ukraine crisis requires consent of Ukraine, Europe: Merz
cgtn.com








