中国、日本の遺棄化学兵器処理加速をOPCW会議で要求
中国が、日本による中国国内の遺棄化学兵器の廃棄を加速するよう強く求めました。オランダ・ハーグで今週開かれた化学兵器禁止機関(OPCW)の締約国会議で、中国代表団が日本の対応の遅れを指摘し、国際社会の注目が集まっています。
OPCW締約国会議で何が話し合われたか
ハーグで開かれた化学兵器禁止条約(CWC)第30回締約国会議(CSP-30)では、これまでの決定に基づく化学兵器の廃棄状況が議論されました。日本は、中国国内に遺棄された化学兵器(ACW)の処理状況について進捗報告を提出し、2025年の関連支出が前年より6.8%減少したと説明しました。
しかし中国側は、この報告は「破壊の進捗と投資額だけに一方的に焦点を当て、根本的な問題への言及を避けている」と批判しました。
中国が指摘する「期限の遅れ」と情報不足
中国代表団団長の王大雪(ワン・ダシュエ)氏は、化学兵器禁止条約の下では、日本は遺棄化学兵器の廃棄を2007年までに完了させる義務があったにもかかわらず、その期限がこれまでに4回延長されてきたと強調しました。
王氏は、廃棄の遅れについて、日本側の「注意不足」「投資の不十分さ」に加え、化学兵器が埋設されている地点に関する「意味のある情報を自発的に提供していない」ことが原因だと指摘しました。
中国が懸念する安全・環境リスク
中国は、日本の遺棄化学兵器が依然として中国の人々の生命や財産、さらには環境に重大なリスクをもたらしていると警告しました。
そのうえで北京は、日本に対し次のような対応を求めました。
- 中国および国際社会の懸念を真剣に受け止めること
- 歴史上の侵略行為を省みること
- 国際的な約束を順守し、廃棄作業のあらゆる側面で努力を強化すること
支援を表明する国々と「より強い監督」要求
会議では、ロシア、南アフリカ、チュニジアなど十数か国が中国の立場への支持を表明し、日本に対して遺棄化学兵器の破壊を加速するよう求めました。
ウガンダ常駐代表部のミリアム・ブラック・ソー氏は、非同盟運動を代表して一般討論に臨み、「日本が中国国内に遺棄した化学兵器の全体的な破壊の進捗は、期待よりも低い」と指摘しました。そのうえで、「遺棄国は可能な限り最大の努力を行い、一刻も早く破壊を完了させるべきだ」と述べ、OPCWによる一層強力な監督にも期待を示しました。
OPCW事務局長「完全廃棄には中国での作業完了が不可欠」
OPCWのフェルナンド・アリアス事務局長は、会議初日の開会あいさつで、中国国内に遺棄された化学兵器の破壊完了の重要性を強調しました。
アリアス氏は、「世界の化学兵器を完全に廃棄したと評価できるのは、中国に遺棄されたすべての化学兵器の破壊が終わったときだ」と述べ、この問題が国際的な軍縮プロセス全体の中でも重大な位置を占めていると訴えました。
今後の焦点:日本はどう対応するか
日本は2025年の支出減少を報告した一方で、中国や非同盟諸国、OPCWからは取り組みの加速と透明性向上を求める声が相次ぎました。
今後、日本がどのように廃棄作業のペースを上げ、中国との協議やOPCWとの連携を進めていくのかが注目されます。遺棄化学兵器の問題は、二国間関係にとどまらず、化学兵器をめぐる国際秩序の信頼性にも関わるテーマとして、引き続きフォローしていく必要があります。
Reference(s):
China urges Japan to speed up disposal of abandoned chemical weapons
cgtn.com








