プーチン氏、米特使と4時間超会談 ウクライナ和平を巡り緊張激化
【モスクワ発】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今週火曜日、ドナルド・トランプ米大統領の特使スティーブ・ウィトコフ氏と娘婿のジャレッド・クシュナー氏とクレムリンで会談し、ウクライナ戦争の停戦と和平の可能性について4時間を超えて協議しました。2025年12月現在も続くこの戦争を終わらせる道筋を探る動きとして注目されています。
4時間超の「深夜会談」で探る和平の道
クレムリンでの会談は、モスクワ時間で深夜にまで及び、4時間以上続いたとされています。ウィトコフ氏はトランプ米大統領の特使として派遣され、クシュナー氏も同席しました。
ワシントンで開かれた閣議で、トランプ大統領は「われわれのチームが今ロシアにいて、事態を収拾できるかどうか探っている。簡単な状況ではない。ひどい有様だ」と述べ、戦場で月2万5千〜3万人の犠牲が出ているとの認識を示しました。
トランプ大統領はこれまでも、アラスカでのプーチン氏との首脳会談や、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談を重ねてきましたが、まだ停戦には至っていません。
流出した「28の和平案」と欧州の懸念
今回の会談の背景には、先週流出した米国のウクライナ和平草案があります。28項目からなるとされる草案は、
- NATO(北大西洋条約機構)を巡るロシアの主張への配慮
- ウクライナ領土のおよそ5分の1に対するロシアの支配容認
- ウクライナ軍の能力や活動への制約
など、モスクワ側の主要な要求に沿った内容だと受け止められ、ウクライナや欧州の関係者を不安にさせました。
こうした懸念を受けて、欧州諸国は独自のカウンター提案(対案)を提示。ジュネーブで開かれた協議では、米国とウクライナが「更新された洗練された和平枠組み」を作り上げたと発表し、当初案の見直しを強調しました。マルコ・ルビオ米国務長官は、ウィトコフ氏は戦争終結に向けて動いていると説明しています。
プーチン氏「欧州は和平を妨害」 対立する認識
一方、プーチン大統領はクレムリン会談直前の演説で、欧州の提案はロシアにとって到底受け入れられないものであり、トランプ政権の和平努力を妨げようとするものだと非難しました。
プーチン氏は欧州諸国について「彼らは戦争の側にいる」と述べ、「一連の変更は、和平プロセス全体を完全に阻止し、ロシアにとって絶対に受け入れられない要求を突きつけることだけを狙っている」と主張しました。
さらに、欧州がロシアとの全面戦争に踏み込んだ場合、「ヨーロッパが戦争を始めるなら、それはあまりに素早く終わり、交渉相手が誰も残らないだろう」と警告し、軍事力への自信を誇示しました。プーチン氏は欧州との戦争を望まないとしつつも、強硬な姿勢を崩していません。
ウクライナへの圧力も強めるロシア
プーチン大統領は、黒海でロシアの「シャドーフリート」と呼ばれるタンカーが無人機攻撃を受けていることへの報復として、ウクライナの海へのアクセスを断つ可能性にも言及しました。
ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、こうした発言はプーチン氏がなお戦争終結に前向きではない証拠だと批判しています。ロシア側は「和平の用意」を繰り返し表明する一方で、軍事的圧力も強めている構図です。
「将来の合意の基盤」か、それとも時間稼ぎか
プーチン大統領は、現在の協議は正式な合意案そのものではなく、「将来の合意の基盤となり得る一連の提案」について話し合っている段階だと説明しています。また、ウクライナ側が合意を拒めば、ロシア軍が前線をさらに押し出し、より多くのウクライナ領を掌握すると警告しました。
2022年2月のロシア軍侵攻から、まもなく4年を迎えようとする中で、戦場では今も高い犠牲が出ているとされています。今回の米露会談と新たな和平枠組みづくりの動きが、本当に停戦への一歩となるのか、それとも各国が自らの立場を強めるための駆け引きにとどまるのかは不透明です。
私たちはどう見ればいいのか
今回の動きを読み解くポイントとして、
- 米国案と欧州案のあいだで、どのような妥協点が探られているのか
- ロシアが提示する「将来の合意の基盤」が、ウクライナの主権と安全保障をどこまで担保し得るのか
- 長期化する戦争の負担について、各国の指導者は自国の人びとにどう説明しようとしているのか
といった論点が挙げられます。戦争を終わらせたいという言葉だけでなく、具体的な条件や安全保障の枠組みがどう設計されるのかを、今後も注意深く見ていく必要があります。
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Reference(s):
Putin meets U.S. envoy for over four hours to discuss Ukraine peace
cgtn.com








