ウクライナ ゼレンスキー氏「建設的だが容易でない」 米国和平案とロシア・欧州の思惑
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアとの戦闘終結に向けた米国との和平協議について「建設的だが容易ではない」と述べ、今週予定される欧州首脳との会談を前に、外交交渉が山場を迎えていることを示しました。
米国との和平協議は「建設的だが容易ではない」
ゼレンスキー氏は現地時間日曜日の夜のビデオ演説で、米国代表団との協議について「米国側はウクライナの基本的な立場を理解している。協議は建設的だったが、決して容易ではなかった」と語りました。ここ数日、戦闘の停止と和平に向けた集中的な外交努力が続いているとされています。
マイアミでの三日間協議 焦点は領土と安全保障
米オンラインメディアの報道によると、米国とウクライナの代表団はフロリダ州マイアミで三日間の協議を行い、土曜日に終了しました。協議の主な議題は、ロシアとの間で最大の争点となっている領土問題と、ウクライナに対する米国の安全保障上の保証でした。
領土をめぐる議論は「難しい」ものとなり、キーウはロシアが求めるドンバス地域の一部からの部隊撤収を拒否したと伝えられています。一方で、ウクライナに対する安全保障の保証については「大きな進展」があったとされ、停戦後の安全枠組みづくりが交渉の中心となっていることがうかがえます。
トランプ政権の和平案とゼレンスキー氏の慎重姿勢
マイアミでの協議の終盤、ゼレンスキー氏はトランプ大統領の特使とされるスティーブ・ウィトコフ氏や、大統領の義理の息子にあたるジャレッド・クシュナー氏と電話会談を行いました。ゼレンスキー氏は交流サイトで、この通話を「時間をかけた実質的な議論」と表現し、ウクライナは真摯に平和を実現するため、米国と誠意を持って協力し続けると強調しています。
一方でトランプ氏は日曜日、記者団に対し、米国側が作成した和平案について、ゼレンスキー氏がまだ署名する準備ができていないとの見方を示しました。ゼレンスキー氏が提案書そのものをまだ読んでいないことに「やや失望している」と述べつつ、「側近たちは気に入っているが、本人はまだだ」とも語っています。和平案をめぐり、ワシントンとキーウの間で微妙な温度差がうかがえます。
欧州歴訪へ ロンドンとブリュッセルでの協議
ゼレンスキー氏は、月曜日にロンドンで英国、フランス、ドイツの各国首脳と会談し、その後ブリュッセルでも協議を行う予定です。ロシアとの戦闘が長期化する中で、欧州の安全保障と経済への影響が深まっており、欧州側が今回の和平プランをどう受け止めるかが注目されます。
ロシア側は米国新戦略に慎重な期待
ロシアのプーチン大統領は先週、クレムリンで米国の代表団と会談した後も、和平案にはなお未解決の論点が残っていると述べています。つまり、米国・ウクライナ側との間で、重要な条件面での隔たりが続いているということです。
それでもロシア政府は日曜日、トランプ政権が公表した新たな国家安全保障戦略を歓迎する姿勢を示しました。ペスコフ大統領報道官は、戦略の見直しは「ロシア側のビジョンと大筋で一致している」と語り、対立を避け、対話や良好な関係構築を重視する表現が盛り込まれている点を評価しました。新戦略は、欧州の同盟国を弱い存在として描写しつつ、西半球での米国の優位性を再確認する姿勢を示していますが、同時にウクライナでの戦闘を早期に終わらせることを米国の中核的な利益と位置づけています。
戦略文書は、ウクライナでの敵対行為を早期に停止させることによって、欧州経済を安定させ、戦争のエスカレーションや拡大を防ぎ、ロシアとの戦略的安定を回復するとともに、戦後のウクライナ再建を進め、同国が存続可能な国家として立ち直ることを支援する必要があると強調しています。
今後のカギとなる三つの論点
今回明らかになった発言や動きを踏まえると、今後の和平交渉で焦点となりそうな論点は次の三つです。
- 領土問題の線引き:ドンバス地域を含む支配地域をどう扱うかは依然として最も難しい課題であり、各当事者の譲歩の余地が問われます。
- 安全保障の保証:ウクライナに対する米国の安全保障上の約束をどのレベルまで明文化し、ロシアとの緊張緩和とどう両立させるかが鍵となります。
- 欧米とロシアの力学:米国の新戦略にロシアが一定の共感を示す一方で、欧州は自らの安全と経済をどう守るのか。ロンドンやブリュッセルでの協議が、全体のバランスを左右する可能性があります。
領土、安全保障、そして欧州経済という三つの軸がどのように組み合わさるかによって、ロシア・ウクライナ紛争の行方と欧州の安全保障秩序は大きく変わり得ます。今週続く首脳外交と米ロ双方の反応が、次の局面を占う手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Zelenskyy says talks on peace plan 'constructive' but 'not easy'
cgtn.com








