ウクライナ20項目和平案「9割完成」 12月28日にトランプ氏と協議へ、ロシアは隔たり強調
ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシア・ウクライナ紛争の終結を目指す「20項目の和平案」について、更新版の文書化が約90%まで進んだと明らかにしました。さらに、2025年12月28日に米国のドナルド・トランプ大統領とフロリダで会談し、安全保障の保証や領土問題など「微妙な論点」を協議する見通しです。一方、ロシア側はウクライナ案と、ロシアが米国と議論してきた枠組みの間に大きな違いがあると強調しており、溝は埋まっていません。
「20項目和平案」は最終段階へ 焦点は安全保障と領土
ゼレンスキー氏は金曜日、和平案の更新に関する文書が「約90%」完成したと説明しました。特に安全保障の保証については、複数の文書にまたがる論点だとし、ワシントンと関連事項を幅広く話し合いたい考えを示しています。
また、合意の詰めには直接協議が重要だとして、トランプ氏との会談が「できる限り多くの合意を最終化するために必要だ」と述べました。
署名の想定は「ウクライナ・米国・ロシア・欧州」
ゼレンスキー氏は、和平案はウクライナ、米国、ロシア、欧州諸国が共同で署名する必要があるとの認識を示し、ロシアと欧州の参加がなければ文書を取りまとめられないと警告しました。
「60日停戦」なら国民投票へ ただし準備の壁も
ゼレンスキー氏は、ロシアのプーチン大統領が60日間の停戦に同意するなら、和平案全体を国民投票(全国民投票)にかける考えを改めて表明しました。
一方で、国民投票には政治面・物流面・治安面のリスクがあるとも認め、準備には「60日が最低限必要」としています。停戦が「合意形成の助走」になるのか、それとも新たな対立点を可視化するのかは、なお不透明です。
ロシア「米国と議論の27項目枠組みと根本的に違う」
ロシアのリャプコフ外務次官は同じ金曜日、ウクライナが公表した20項目の和平案は、ロシアが米国とここ数週間議論してきた「27項目の枠組み」と根本的に異なると述べ、隔たりの大きさを示しました。
そのうえで、解決に「本当に近づいている」としつつも、最終的な突破が可能かどうかは相手側の政治的意思にかかっているとの見方を示しています。
期限設定に否定的 「中身に集中を」
リャプコフ氏は、期限やタイムラインの設定は合意を促進しないとして、実質的な論点に集中すべきだと主張しました。また、ウクライナと欧州連合(EU)が交渉を損なっているとも述べています。
さらにロシア外務省のザハロワ報道官は、米国との協議が具体的成果につながることに期待を示しつつ、ロシアが「中核的立場」で譲歩する意図はないと強調しました。
トランプ氏「最終的には私の承認が必要」 28日の会談は「建設的」とも
トランプ氏は金曜日、米メディアPoliticoのインタビューで、ウクライナとロシアを含むいかなる和平合意も「最終的には自分の承認が必要だ」と述べ、ゼレンスキー氏について「私が承認するまで、彼は何も持っていない」と語りました。
一方で、ゼレンスキー氏の最新提案を急いで支持する姿勢は見せなかったものの、12月28日の会談は建設的になるとの見通しも示しました。ゼレンスキー氏・プーチン氏双方との意思疎通は「うまく進んでいる」とし、近くプーチン氏とも話す見込みだとしています。
停戦を見据える現場:ウクライナは「戦後の選挙」準備会合、ロシアは軍需計画の点検
ウクライナでは金曜日、戦後の選挙の組織・実施に焦点を当てた初の会合が開かれました。将来の停戦の可能性を見据えた動きですが、課題は山積みです。
- ウクライナ議会のコルニイェンコ第一副議長:紛争で国内の多くの投票所が破壊された
- 中央選管のディデンコ委員長:地雷が選挙準備における重大な安全リスクになっている
一方、クレムリンによるとプーチン大統領は金曜日、2027〜2036年の国家軍備計画と、防衛産業複合体の発展に関する国家計画を点検する会議を主宰しました。
プーチン氏は、2022年と比べて2025年までに前線装備の生産が大幅に増えたと述べ、戦車は2.2倍、軽装甲車は3.7倍、軍用機は4.6倍、軍用車両は5.7倍、ロケット砲・ミサイルシステムは9.6倍、通信・電子戦装備は12.5倍、個人用防弾装備は約18倍、弾薬や打撃兵器は22倍超に増えたとしています。
専門家の見方:交渉の重心は「米国との関係」、戦況が心理に影響
分析者らは、ロシアがこれまでウクライナの20項目和平案へのコメントを控えてきた背景として、米国が同案を全面的に支持していないとロシアが見ている可能性を挙げています。そのためロシアは、ウクライナとの直接協議を急がないという見立ても示されています。
また、ロシアが戦場で一定の優位を保っている状況では、早期終結の圧力が弱まりやすいとも指摘されています。加えて、ロシアがウクライナとの交渉よりも米国との関係を重視しているように見える点が、キーウに対して距離を置く姿勢につながっている、という見方もあります。
和平案がどのような形で当事者間に共有され、どの論点から「積み上げ」が始まるのか。28日の会談は、合意の中身そのものだけでなく、交渉の順序や関与国の枠組みをめぐる空気を変えるのかが注目されます。
Reference(s):
Ukraine says peace plan near ready, Russia responds it differs sharply
cgtn.com







