イラン西部で抗議デモ衝突、死者6人以上 通貨急落が引き金に
イラン西部で数日続く抗議デモが衝突を伴う事態となり、少なくとも6人が死亡したと報じられました。通貨リヤルの急落が生活不安を直撃するなか、当局は対話も示しつつ治安対応を強めています。
何が起きたのか:複数都市で衝突、治安要員も負傷
2026年1月2日現在の報道によると、抗議デモが続くイラン西部で、デモ参加者と治安部隊の衝突が相次ぎ、死者が出ています。イランメディアは、少なくとも6人が死亡し、治安要員13人が負傷したと伝えました。
半官半民のファルス通信は、イラン南西部のロルデガンで木曜日に衝突が起き、2人が死亡したと報道。さらに、西部ロレスターン州のアズナーとクフダシュトで水曜日に計4人が死亡したとしています。
被害の情報:建物損壊や発砲の報道も
ファルス通信は、参加者の一部を「暴徒」と表現し、政府関連施設や銀行が損壊したと伝えました。また、警察に向けて発砲した者がいたとして、治安要員が負傷したとも、情報筋を引用して報じています。複数の逮捕者が出たともされています。
引き金は通貨急落:リヤル安と家計の圧迫
今回のデモの背景として、日曜日に起きた通貨の急落が挙げられています。リヤルは、米国が2018年に2015年の核合意から離脱し制裁を再開して以降、下落圧力が強まったとされます。
報道では、米ドルは闇市場(オープンマーケット)で1ドル=135万リヤル超で取引されているとされています。通貨安は輸入品価格などを通じて生活コストに波及しやすく、抗議の広がりを後押しした可能性があります。
当局の説明:経済不満は認めつつ、暴力は否定
ロレスターン州の政治・治安・社会担当の副知事サイード・プーラリ氏は、国営テレビIRIBに対し、ここ数日に複数都市で経済的な不満を背景に抗議が起きたと述べたと伝えられています。
同氏は、平和的かつ合法的なデモは尊重されるべきだとしつつ、破壊行為や暴力は容認できず国益を損なうと主張。通貨の変動や生計への不安など、経済的圧力の要因として「残酷な」西側制裁に言及したと報じられました。
大統領は「対話」と「改革」に言及:金融・銀行改革を示唆
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は水曜日、国営IRNA通信によると、困難を乗り越えるために「建設的な批判とともにある真の連帯」が必要だと述べ、持続的な改革への土台づくりを呼びかけました。
また同大統領は月曜日、Xへの投稿で人々の暮らしが日々の懸念だとし、購買力を守るため、通貨・銀行制度の改革に向けた「根本的な措置」を計画していると説明。抗議参加者側の代表と対話するよう内相に指示したとも報じられています。
今後の焦点:沈静化は「対話」と「通貨安」の行方次第
現時点の情報から見える注目点は、次の3つです。
- 治安対応と対話のバランス:逮捕や取り締まりが強まるのか、代表との協議が実質化するのか。
- 通貨安への具体策:金融・銀行改革がいつ、どのような形で示されるのか。
- 制裁環境と市場心理:外部環境への言及が続く中で、リヤル相場と物価への不安がどう推移するのか。
経済的不満を出発点とする抗議は、暮らしの実感と直結するぶん広がりやすい一方、衝突が起きれば社会の緊張も高まります。今後、当局が示す「改革」の具体像と、現場の落ち着きがどこまで両立するかが問われそうです。
Reference(s):
Reports: Clashes during protests leave at least 6 dead in western Iran
cgtn.com








