国連安保理で米軍のベネズエラ攻撃を非難、マドゥロ氏連行めぐり波紋
米国によるベネズエラへの軍事行動と、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻の米国への連行をめぐり、国連安全保障理事会で非難が相次いでいます。2026年1月6日現在、国際法と主権の扱いが改めて問われる展開です。
何が起きたのか:1月3日の攻撃と「大統領夫妻の連行」
国連安保理は今週月曜日(1月5日)、緊急会合を開催しました。きっかけは、土曜日(1月3日)に行われたとされる米国の軍事行動で、報道によれば、攻撃にはベネズエラのマドゥロ大統領と妻のシリア・フローレス氏を米国へ強制的に移送する行為が含まれていました。
安保理で相次いだ「主権侵害」への懸念
会合では複数の国が、ベネズエラの主権・政治的独立・領土保全に対する侵害だとして強い言葉で批判しました。焦点となったのは、武力行使の正当化の有無だけでなく、「他国の政府や国家のあり方を力で変える」ことを許す前例になり得るか、という点です。
コロンビア:2026-2027年の安保理非常任理事国として初の発言
2026〜2027年の安保理非常任理事国として新たに参加したコロンビアは、今回の米国の行動を「明白な主権侵害」だとして断固非難しました。国連大使レオノール・サラバタ氏は、一方的な武力行使による「侵略行為」をいかなる状況でも正当化できないと述べ、国際法を守ることが国際平和と安全を維持する義務だと強調しました。
ベネズエラ:大統領夫妻の「即時解放と安全な帰還」を要求
ベネズエラ側も安保理に対応を求めました。国連大使のサムエル・モンカダ氏は、安保理がマドゥロ大統領夫妻の即時解放と安全な帰還を要求し、武力行使を非難するよう要請。今回の攻撃を、国連憲章、主権平等原則、ジュネーブ諸条約に反する「重大な違反」だと訴えました。
またモンカダ氏は、資源の支配、政権の押し付け、国家の作り替えを武力で行う発想は、植民地主義や新植民地主義の最悪の慣行を想起させると警告し、「法が任意になり、力が正義になる」危険性に言及しました。
ブラジル:爆撃と大統領の連行は「危険な前例」
ブラジルのセルジオ・フランサ・ダネーゼ国連大使は、国連憲章と国際法に明白に反する形での武力介入を「断固として拒否する」と表明。爆撃と大統領の拘束・連行は「越えてはならない一線」を越え、国際社会にとって極めて危険な前例になると述べました。
ロシア:国際法違反として非難、即時解放を要求
ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使も、米国による武力攻撃を国際法の規範に反するものとして非難し、マドゥロ大統領夫妻の即時解放を求めました。米国がベネズエラの天然資源の支配を狙っているとも主張し、国際秩序への影響を問題視しました。
国連事務総長:国連憲章の原則を再確認、「不安定化」を懸念
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も、1月3日の軍事行動で国際法が尊重されなかった可能性に深い懸念を示しました。国連憲章は、いかなる国に対しても領土保全や政治的独立に対する武力による威嚇・行使を禁じていると改めて指摘。ベネズエラおよび地域の不安定化リスクに触れ、国際法の順守、対話、平和的共存を呼びかけました。
いま注目されるポイント:安保理が問われる「線引き」
今回の緊急会合で議論の中心となった論点は、次のように整理できます。
- 主権と武力行使:国連憲章が禁じる「武力による威嚇・行使」に該当するのか。
- 国家指導者の拘束・移送:他国の指導者を武力の後ろ盾で連行する行為が、国際秩序にどんな前例を残すのか。
- 安保理の役割:国際平和と安全を担う機関として、どこまで明確なメッセージを出せるのか。
2026年の幕開け直後に起きた今回の問題は、単一の地域情勢にとどまらず、「国際社会はルールをどう守るのか」という根本的な問いを突きつけています。
Reference(s):
Multiple nations condemn U.S. military actions against Venezuela
cgtn.com








