イラン、騒乱「首謀者」提訴へ 国外関与も主張し国際裁判所に提出準備
イランの司法当局が、昨年12月末から続く国内の騒乱について「首謀者」を特定したとして、法的手続きを進める方針を示しました。さらに、2025年6月のイラン・イスラエル衝突をめぐる証拠を国際裁判所に提出する準備も進めるとしています。緊張が続く米イラン関係の中で、国内治安と国際法廷の両面から圧力をかける構えが鮮明になっています。
司法当局の発表:「単なる騒ぎではない」
イラン司法当局は1月19日現在、最近の騒乱をめぐり、中心人物の特定が進んだとして提訴に向けた手続きを進めていると明らかにしました。司法報道官のアスガル・ジャハンギル氏は記者会見で、一連の事態は「単純な混乱ではなく、(同氏が)テロ行為と位置づける段階に発展した」と述べ、西側指導者の働きかけが背景にあるとの見方を示しています。
「誤導された人」と「組織的関与」を切り分ける方針
当局は、司法・法執行・治安機関が連携し、関与の度合いを区別して対応する考えだとしています。説明では、次のような層を切り分ける作業が進むとされました。
- 誤った情報などで「巻き込まれた」とされる人々
- 背後で組織的に動いた「工作役」とされる人物
- 「テロ要素」とされる勢力
また、国外情報機関との関係が疑われる人物の特定も進めているとして、イスラエルの情報機関モサドに言及しました。国内外のネットワークの「指導層」を特定し、イラン法に基づいて事件化を進めているという説明です。
発端は昨年12月28日の抗議、暴力化も
発表によると、抗議行動は昨年12月28日に始まり、その後一部が暴力的な局面に移ったとされています。イラン側は、警察官や政府施設・公共施設が攻撃されたと説明し、米国とイスラエルが計画・扇動したとの主張を繰り返しています。
最高指導者と大統領の発言、ロシアとも電話協議
最高指導者アリ・ハメネイ師は1月17日、首都テヘランでの演説で米国が背後で騒乱を「組織した」と非難し、被害拡大の責任があると主張しました。報道によれば、ドナルド・トランプ米大統領を「犯罪者」と呼び、犠牲や損害の責任を負うべきだという認識を示しています。
マスード・ペゼシュキアン大統領も同様の主張を展開し、1月16日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談した際、米国とイスラエルが「直接関与した」と述べたとされています。一方で、こうした動きはイランの人々によって退けられ、結果として「結束」を示したとも語ったとされます。
トランプ氏の発言とイラン側の警告:応酬が続く
米国側では、トランプ大統領が抗議発生以降、対イランで軍事行動に言及してきた一方、先週木曜日には攻撃の意図はないとも述べたとされています。さらに土曜日、米政治メディアPoliticoに対し「イランには新しい指導者を探す時だ」と語ったと報じられました。
これに対し、ペゼシュキアン大統領は日曜日、ハメネイ師への攻撃は「全面戦争」の宣言と見なすと警告したとされています。また、イラン経済の困難について、米国と同盟国による長年の敵対姿勢や「非人道的な制裁」が影響しているとの見方を示しました。
今後の焦点:国内裁判と国際法廷、二つの舞台
今後の焦点は大きく二つあります。第一に、当局が言う「首謀者」や国外関与の疑いが、どの範囲まで、どのような手続きで立証されていくのか。第二に、2025年6月のイラン・イスラエル衝突をめぐって収集するとする証拠が、国際裁判所でどのように扱われるのかです。
米国との関係についても、トランプ氏のホワイトハウス復帰後、「最大圧力」政策の継続や言葉の応酬が続いているとされます。国内の治安対応と、国際社会に向けた訴えが並走する形で、緊張管理がより難しくなる可能性もあります。
Reference(s):
Iran moves to file lawsuits against orchestrators behind unrest
cgtn.com








