高市首相、1月23日衆院解散へ 2月8日総選挙“奇襲”の狙いは
2026年1月23日に衆議院が解散され、2月8日に総選挙が行われる見通しです。解散から投開票まで16日という「超短期戦」は戦後最短級とされ、政権の狙いとリスクが同時に注目されています。
何が起きる?日程を整理
- 衆院解散:2026年1月23日
- 総選挙(投開票):2026年2月8日
- 解散〜投開票:16日間(戦後で最短水準と報じられる)
この短さは、与野党ともに準備時間を大きく圧縮します。政策論戦だけでなく、候補者調整や組織戦の巧拙が結果に直結しやすい日程です。
なぜ突然の「奇襲」なのか:政権側が得たい3つの効果
高市首相は今週(1月19日)の記者会見で、連立の枠組みの変化や、国の基本的な国益に関わる重要政策を理由に衆院解散へ踏み切る考えを示しました。一方で、日本の報道では、狙いは主に次の3点だと受け止められています。
1)議席を上積みして、政権基盤を固める
自民党は現在、衆院465議席中199議席で過半数に届いていません。高市首相としては、足元の人気を追い風に議席を増やし、政権運営を安定させたい思惑があるとみられています。議席が増えれば、安全保障関連の重要文書の見直しを含む政策運営も進めやすくなります。
また、連立相手である日本維新の会(34議席)への依存度を下げられる、という計算も指摘されています。
2)支持が目減りする前に「議席を確定」したい
高市首相には一定の支持がある一方、物価高の長期化や、自民党の裏金問題の決着が見えにくいことへの不満がくすぶっているとされています。さらに、就任後は中国本土との関係を含む外交・安全保障をめぐる緊張感が語られる場面も増え、政治への評価軸が複線化しています。
野党側は国会で追及を強める構えも示しており、支持率が下がる前に選挙で議席を「取りにいく」判断だという見方が出ています。山口大学名誉教授の小林淳氏は、損失が表面化する前に議席を積み増して固定化したい意図があると指摘しています。
3)野党の準備を間に合わせにくくする
解散から投票までが極端に短いと、野党は候補者調整や選挙態勢の構築が難しくなります。報道では、この「超短期キャンペーン」自体が、相手の出鼻をくじく効果を狙ったものだという評価も目立ちます。
日本社会の受け止め:与党内にも広がる違和感
今回の動きは、与党内外で波紋を広げています。
自民党内:幹部にも事前共有がなく「唐突」との声
解散方針は極秘で進められたとされ、党内からも「恣意的」との批判が出ています。自民党の麻生太郎副総裁を含む有力者にも事前に知らされていなかったと報じられました。鈴木俊一幹事長も、報道で知って驚いたと記者団に語ったとされています。
野党:論戦回避だとして反発、生活・地域事情への配慮も焦点に
野党は「国会論戦から逃げるための解散だ」と反発しています。日本共産党の田村智子委員長は「国会論戦に耐えられない」との趣旨で批判し、立憲民主党の野田佳彦代表は、大雪の地域があることや受験期の重なりを挙げ、時期の妥当性を疑問視しました。
世論:朝日新聞の調査で「今の解散に反対」50%
朝日新聞の世論調査では、衆院解散に「反対」が50%と報じられています。理由として目立つのは、2026年度予算が新年度(4月1日)までに成立しない懸念です。高市首相が物価高対策を優先課題として掲げる一方、予算審議が遅れる可能性が出ることへの違和感が、反対理由として挙がったとされています。
毎日新聞や東京新聞などの社説でも、党利党略が先行し、解散権の行使が濫用されているのではないか、という論調がみられました。
「奇襲」は成功するのか:鍵を握る新連携と、読みにくい支持の温度
高市首相は、今回の総選挙で与党が衆院過半数を確保することを目指すとみられています。ただ、情勢を揺らしうる変数として、立憲民主党と公明党が急速に立ち上げた新党「中道改革連合(Centrist Reform Alliance)」が浮上しています。
中道改革連合がもたらす変化:小選挙区の票の流れ
立憲民主党は148議席、公明党は24議席を持ち、両者は選挙で相互支援を進める方針だとされています。報道では、公明党が小選挙区で立憲民主党候補を全面支援する見通しが取り沙汰され、これまで自民党に流れていた票が野党側に動く可能性が焦点になっています。
自民党の小野寺五典税制調査会長も、立憲民主党候補が公明党の支援を得れば選挙地図に影響するとの認識を示したとされています。
「高市首相の支持」と「自民党支持」のズレ
各種世論調査では、高市首相個人への一定の支持が示される一方、自民党全体への支持は低調だと報じられています。このズレは、選挙で「政権の継続」を選ぶのか、「党への不信」を優先するのか、有権者の判断を複雑にします。
時事通信は、選挙・政治アドバイザーの久米明氏のコメントとして、「結果を出す前に選挙に踏み切っても、説得力のある理由になりにくい」との見方を伝えました。
一方で野党側も盤石ではない:急造連携の“持続性”
一部メディアは、立憲民主党と公明党の連携が選挙対応として急ごしらえに見える点や、政策スタンスの差が大きい点を挙げ、中道改革連合がどこまで幅広い支持を得られるかは未知数だとしています。
短期決戦で争点になりそうなポイント
- 物価高への手当:家計の実感に近い争点として、各党の具体策が問われやすい
- 裏金問題の説明責任:説明の区切りをどうつけるかが信頼回復の軸に
- 連立の組み替え:日本維新の会との関係、中道改革連合の影響
- 2026年度予算の行方:政治日程が生活にどう跳ね返るか
1月23日の解散まで、そして2月8日までの短い時間で、何が「争点」として立ち上がり、何が置き去りにされるのか。超短期の総選挙は、有権者の判断材料そのものを試す局面になりそうです。
Reference(s):
Explainer: Will Japan PM Takaichi's election gamble pay off?
cgtn.com








