スーダン、移行期立法評議会の設置へ協議開始 空白の立法機関は埋まるか
スーダンの軍指導部が、移行期の「立法評議会(Transitional Legislative Council)」を立ち上げるための協議を始めたと、事情に詳しい関係者がスーダン・トリビューンに語りました。2019年の制度設計で想定された“移行期の要”が、2026年1月下旬のいま動き出すのか注目されます。
何が起きた?「設置協議の開始」とは
報道によると、軍指導部が立法評議会の設置に向けた協議(相談)に着手しました。立法評議会は、移行期における法整備や政治のルールづくりを担う想定の機関です。
立法評議会は本来、2019年の憲章で予定されていた
立法評議会の設置は、オマル・アル=バシル前大統領の退陣後、移行軍事評議会と「自由と変革の勢力(FFC)」の交渉を経てまとめられた2019年の憲法憲章案で描かれていました。
さらに、2020年のジュバ和平合意で枠組みが調整され、合意に署名した反政府勢力(武装勢力)を含む形で、移行期の諸機関への参加が広がったとされています(中東政策研究機関の整理による)。
しかし「未設置」が続き、立法権は暫定運用のままだった
一方で、立法評議会は移行期間中に結局、形成されないまま時間が経過しました。
その結果、立法権は、立法評議会ができるまでの暫定措置として、主権評議会(Sovereignty Council)と閣僚評議会(Council of Ministers)が共同で担う運用が続いてきたとされます。本来は「つなぎ」の仕組みだったはずが、実態として長期化している構図です。
なぜいま協議再開が注目されるのか
今回の協議再開は、文民主導の制度の回復が遅れていること、そして移行プロセスの先行きがなお不透明であることと重なります。立法機関の不在は、次のような点で政治の“足場”を弱めやすいとみられます。
- ルール形成の正当性:法律や制度改正の手続きが、暫定色の強い形で進みやすい
- 代表性:多様な政治勢力・地域の声を吸い上げる仕組みが細りやすい
- 監督機能:行政権へのチェック(監視)が制度として立ちにくい
今後の焦点:誰が入り、どこまで権限を持つのか
協議が「設置」に結びつくかどうかは、構成(参加勢力の範囲)と権限(立法の実効性)の設計次第になりそうです。ジュバ和平合意で参加枠が広がった経緯もあり、実務上は次の論点が焦点になります。
- 代表枠の配分(政治勢力、地域、和平合意に加わった勢力など)
- 立法プロセス(法案提出・審議・成立までの手順)
- 暫定の共同立法運用からの移行(主権評議会・閣僚評議会との役割整理)
制度は「置けば終わり」ではなく、実際に議論が積み上がる設計と運用が問われます。協議がどの程度具体化し、移行期の政治プロセスにどんな変化をもたらすのか。2026年の序盤、スーダンの政治移行を占う重要な動きとして見守られます。
Reference(s):
High-level consultation begin to set up Sudan's legislative council
cgtn.com








