ナイジェリア軍、クーデター計画疑惑で将校を軍法会議へ 2025年10月の拘束を初めて認める
ナイジェリア軍は2026年1月26日、2025年に拘束した複数の将校について「政府転覆を企てた」との疑いがあるとして、軍の司法手続きで裁く方針を明らかにしました。クーデター未遂の疑いを当局が公に認めるのは、今回が初めてとされています。
何が発表されたのか:捜査完了、軍の司法パネルで審理へ
軍の声明によると、2025年10月に将校16人を拘束した事案について調査を終え、軍の規則に沿って上級当局へ報告書(所見)を提出しました。
国防本部のサマイラ・ウバ少将(広報担当)は、所見により「政府転覆を企てたとの疑いがある将校が確認された」と説明し、「責任を問うべき事案がある者は、適切な軍の司法パネルに正式に付され、裁判を受ける」と述べています。
不明点:人数、計画の中身、開始時期は示されず
一方で、軍は以下の点を明らかにしていません。
- 16人のうち、何人が「政府転覆」疑惑に該当するのか
- 疑いとされる計画の具体的内容(動機、実行方法、関与範囲など)
- 審理(軍法会議に相当)の開始時期
また、法律の専門家は、軍法上は有罪の場合に死刑の可能性があると指摘しています。
これまでの説明との違い:「規律問題」から「政府転覆疑惑」へ
この将校らは当初、軍が「規律上の問題(issues of indiscipline)」として拘束したと説明されていました。政府側も、当時はクーデター計画報道を公に否定していましたが、治安・政府関係筋の話として、ボラ・ティヌブ大統領の排除を狙った動きと関連しているとの見方が報じられていました。
今回の発表は、そうした見方を公式に裏づける形となり、軍の統制と政治の安定をめぐる関心が再び高まっています。
背景:クーデターの記憶と「1999年以降」の文民統治
ナイジェリアは20世紀に軍政や政変を経験してきましたが、1999年に文民統治へ移行して以降、民主的な統治が継続してきました。仮にクーデターが成功していれば、25年以上続く文民統治の連続性が断ち切られる事態になっていた可能性があります。
治安の重圧:複数正面の作戦と部隊環境の懸念
軍は現在、複数の戦線で治安対応にあたっています。北東部ではボコ・ハラムや「イスラム国西アフリカ州」(ISWAP)への対処、北西部では武装犯罪集団、南東部では分離主義に関連する暴力への対応が続いているとされます。
分析者の間では、治安負担の増大に加え、部隊の待遇や給与の遅れといった報告が不安定化の要因になり得るとの指摘もあります。クーデター疑惑の審理が、軍内部の規律・士気・統制の議論とも結びついていくのかが注目点です。
ティヌブ大統領の動き:拘束後の軍首脳入れ替え
将校らの拘束後、ティヌブ大統領は軍の上層部を大幅に入れ替える人事を実施し、治安強化を狙ったとされています。当時、政府高官は「こうした事態は情報面の隙を意味する。指導者なら受け入れない」といった趣旨の発言も伝えられていました。
今後の焦点:手続きの透明性と治安への影響
今後は、軍の司法手続きがいつ始まり、どの範囲まで事実関係が示されるのかが焦点です。同時に、治安対応が続く中で、軍組織の信頼や作戦能力にどのような影響が出るのかも、静かに見極める必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








