北京で日中高級政治対話 王毅氏「協力パートナーとして関係改善を」
中国と日本の高級政治対話が北京で行われ、中国の王毅氏は、両国関係が改善に向かう「正念場」にあると述べ、日本側に「脅威ではなく協力パートナー」として関係を位置づけるよう呼びかけました。
北京で日中「高級政治対話」が開催
週明けの月曜日、北京で日中間の「高級政治対話」メカニズムに基づく協議が行われました。出席したのは、中国のトップ外交担当である王毅氏と、日本の国家安全保障局長を務める秋葉剛男氏です。
王毅氏は、中国共産党中央外事工作委員会弁公室の主任であり、党中央政治局委員も兼ねる要職にあります。一方の秋葉氏は、日本の国家安全保障会議を支える国家安全保障局の事務方トップです。両国の安全保障と外交を担う要人同士の対話となりました。
王毅氏「関係改善は重要な段階に」
王毅氏は会談で、現在の日中関係について「改善の重要な段階(クリティカルなステージ)にある」との認識を示しました。そのうえで、両国が進むべき方向として、次の点を強調しました。
- 両国首脳がこれまでに築いてきたコンセンサス(合意)を着実に踏まえること
- 関係を改善し発展させる「正しい方向性」を堅持すること
- 「新時代」の要請に合った、建設的で安定した日中関係を築くこと
つまり、首脳レベルで確認されてきた大枠の方向性を再確認し、その路線に沿って関係の安定化を図るべきだというメッセージです。
日本側に求めた三つのポイント
今回の高級政治対話で、王毅氏は特に日本側に対し、次の三つの点を求めました。
- 中国への「客観的で理性的な理解」を確立すること
感情的なイメージではなく、現実に即したバランスの取れた理解を日本側に求めています。 - 台湾問題に関する政治的約束を守り、日中関係の政治的基礎を着実に守ること
台湾問題は中国にとって核心的な関心事であり、その約束の順守が信頼の土台だと位置づけられました。 - 「互いを脅威ではなく協力パートナーとする」という重要なコンセンサスを具体的行動で実行すること
このコンセンサスを実際の政策や行動に反映させ、長期的かつ安定した二国間関係の発展につなげるよう促しました。
王毅氏は、日本側がこれらを「具体的な行動」で示すことを重視しているといえます。単なる言葉だけでなく、政策や外交スタンスとしてどう形にしていくかが問われている形です。
「脅威ではなく協力パートナー」というキーワード
今回の発言の中で目を引くのが、「互いを脅威ではなく協力パートナーとする」という表現です。これは、日中関係を安全保障上のリスクとしてのみ捉えるのではなく、協力の可能性に光を当てようとするメッセージとして受け止められます。
このフレーズには、次のような含意があると考えられます。
- 相手を「脅威」と規定すれば、警戒や対立が前面に出やすくなる
- 「協力パートナー」と位置づければ、共通の利益や課題に向き合う余地が広がる
- 長期的・安定的な関係づくりには、後者の視点が不可欠だという問題提起
日本の読者にとっても、「自国と中国の関係をどのような枠組みでイメージするのか」という、認識の問い直しを促す言葉といえます。
台湾問題への言及が示すもの
王毅氏は、日本側に対して台湾問題に関する政治的コミットメント(約束)を守るよう重ねて求めました。あわせて、それが日中関係の「政治的基礎」を守ることにつながると強調しています。
このことは、台湾問題が単独のテーマではなく、日中関係全体の信頼や安定と直結する問題として位置づけられていることを示します。日本側の対応次第で、両国関係の雰囲気や協力の余地にも影響が及び得る、という見方がにじみます。
これからの日中関係をどう見るか
今回の北京での高級政治対話は、日中両国が少なくとも「対話のチャンネル」を維持しようとしていることを示しています。王毅氏の発言からは、首脳レベルのコンセンサスを軸に、関係改善と安定化を進めたいという中国側の意向がうかがえます。
一方で、日本側がどのような「具体的行動」で応じるのかは、これからの注目点です。中国への見方、台湾問題への向き合い方、そして「協力パートナー」としての位置づけをどこまで実務に落とし込めるのか――日中関係をめぐる議論は、今後も続いていきます。
読者一人ひとりにとっても、日中関係を「脅威」か「協力」のどちらのレンズで見るのかは、ニュースの読み方や政策への評価を左右する重要な視点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








