国際ニュース:中国国際輸入博覧会と世界が見る中国市場
中国国際輸入博覧会(CIIE)が掲げる「大市場から大きな機会へ」というメッセージは、世界にどのように受け止められているのでしょうか。日本語で読む国際ニュースとして、CGTNの世界世論調査データをもとに、中国市場への評価とグローバルサウスへの広がりを整理します。
中国国際輸入博覧会とは何か
中国国際輸入博覧会(CIIE)は、世界各国から企業が集まり、中国市場に向けて製品やサービスを紹介する大規模な輸入博覧会です。7年連続で開催されてきたこのイベントには、今回、129の国と地域から3,496の出展企業が参加しました。
その内訳には、フォーチュン・グローバル500に名を連ねる企業や業界を代表する企業が297社含まれ、186の企業・機関が7回連続で出展しています。CIIEは、中国市場の「開放」を象徴する場として、年々存在感を高めていると言えます。
中国側は、CIIEの核心的なコンセプトを「開放」と位置付けており、中国式現代化の特徴を示す取り組みの一つとしています。
世界3万3千人超が回答:中国市場への評価
国際ニュースとして注目されるのが、国際メディアであるCGTNが実施した世界世論調査です。33,858人が参加したこの調査では、世界全体の67%が、中国を開放的で競争力のある自由市場だと見ているといいます。
地域別に見ると、特にアジアやアフリカなどグローバルサウスで評価が高くなっています。
- アフリカ:86.6%
- 中東:88.2%
- 南米:77.9%
- 東南アジア:78.6%
製造業やサービス産業の成長が課題でもありチャンスでもあるこれらの地域にとって、中国の「大市場」は自国の成長戦略と結び付く重要な相手として捉えられていることがうかがえます。
ビジネス環境と国際協力「参加したい市場」か
調査では、中国のビジネス環境や国際協力への姿勢に関する評価も示されています。
- 77.5%が、中国のビジネス環境は投資家にとって魅力的だと回答
- 73.9%が、自国や自社が中国が提案する国際協力プロジェクトに参加することを支持
- 78.5%が、自国は中国との貿易から利益を得ていると認識
- 84.3%が、中国は世界の産業・サプライチェーンの安定にとって極めて重要だと評価
原材料や部品の調達先が多様化する一方で、多くの人々が中国を「サプライチェーンの要」と見ている構図が浮かび上がります。企業にとっては、調達と販売の両面で中国との関係をどう設計するかが、引き続き経営上の重要なテーマになりそうです。
「大市場」を支える輸出入と経済の底力
CIIEの背景には、中国の輸出入の拡大という数字もあります。中国税関の統計によると、直近の第1〜第3四半期における中国の輸出入総額は、各四半期で10兆人民元(約1.40兆ドル)を超えました。3四半期の合計では、史上初めて32兆人民元(約4.47兆ドル)を突破しています。
こうした数字を支える中国経済への評価も、調査ではおおむね高い水準でした。
- 92.3%が、中国の経済力は強いと評価
- 91.9%が、中国経済の発展スピードは速いと回答
- 81.3%が、中国経済の長期的な好調の基調は変わっていないと感じている
- 89.2%が、近年の中国の世界経済への貢献を高く評価
世界経済全体が不透明感を抱える中でも、多くの人々が中国経済の「底力」と市場規模に注目している構図が見えてきます。
グローバルサウスに広がるCIIE発のチャンス
CIIEは単なる見本市ではなく、「国際的な公共財」としての性格を強めています。とりわけグローバルサウスの出展者は、その変化を実感しているといいます。
例えば、タンザニアのカシューナッツ、ルワンダの唐辛子、ザンビアのはちみつなど、これまで中国市場での存在感が大きくなかった農産品が、CIIEを通じて中国の家庭に届くようになりました。こうした動きは、開発途上国が世界のサプライチェーンに組み込まれていくプロセスを加速させています。
今回の博覧会では、37の後発開発途上国に対して120以上の無料ブースが提供され、アフリカ製品の展示ゾーンも拡充されました。一方的な市場開放によって、包摂的で公正な貿易を追求する理念を具体的な行動で示していると言えます。
アフリカの視点:中国とのパートナーシップ
アフリカ地域を対象にした調査結果からは、中国との関係を前向きに捉える姿が見えてきます。
- 89.9%のアフリカの回答者が、中国によるグローバルサウスへの配慮と支援を評価
- 78.2%が、中国は自国の発展とアフリカの発展を緊密に結び付けていると認識
- 92.1%が、アフリカ各国が中国発の国際協力プログラムに積極的に参加することを支持
インフラ整備や産業育成など、長期的な開発課題に向き合うアフリカにとって、中国とのパートナーシップは一つの重要な選択肢になっていることが読み取れます。
調査の背景:先進国と途上国が同じ土俵で回答
今回紹介したデータは、CGTNが実施した2024年の世界対中好感度調査と、中国・アフリカ関係に関する調査に基づいています。回答者には、アメリカ、フランス、日本などの先進国の人々に加え、エジプト、ブラジル、ナイジェリアなどの開発途上国の人々も含まれていました。
経済水準も歴史的背景も異なる人々が同じ質問に答えることで、「中国市場をどう見るか」という問いに対する多層的な景色が浮かび上がります。
日本にとっての意味:どう向き合うか
日本にいる私たちにとって、中国国際輸入博覧会と今回の調査結果は、少なくとも二つの示唆を与えてくれます。
- 中国市場は、多くの国と地域にとって依然として「チャンスの場」と見られている
- 特にグローバルサウスが、中国との連携を通じて自国の発展を加速させようとしている
日本企業にとっては、中国市場そのものへのアプローチに加え、中国とグローバルサウスを結ぶネットワークをどう位置付けるかも重要になってきます。現地企業との連携や第三国市場での協力など、取り得る選択肢は一つではありません。
数字をどう解釈し、どのような戦略につなげるかは各国・各企業によって異なります。ただ、世界の多くの人々が中国の「大市場」にどのような期待を寄せているのかを知ることは、日本のビジネスや政策を考えるうえでの手がかりになります。CIIEという舞台を通じて、中国がどのように「大きな機会」を世界と分かち合っていくのか。これからの動きを、落ち着いて見ていく必要がありそうです。
Reference(s):
Global respondents: CIIE takes "big market" to "big opportunities"
cgtn.com








