世界開放度指数、低下続く中で中国が「明るい例外」に 報告書2024
世界の開放度がじわじわと低下するなか、中国は「例外的な明るい存在」として浮かび上がっています。2008〜2023年の129経済を追跡した世界開放度指数をまとめた「世界開放度報告書2024」が、こうした姿を描きました。本記事では、そのポイントと私たちへの意味を整理します。
世界開放度指数とは何か
世界開放度指数は、各国・地域の貿易や投資などの「開放度」を数値化した指標です。129の経済圏を対象に、2008年から2023年までの動きを追跡しています。
- カバーする対象: 129の経済圏
- 対象期間: 2008年〜2023年
- 初公表: 2021年
- 作成主体: 中国社会科学院世界経済与政治研究所と虹橋国際経済フォーラム研究センター
この指数は、上海で開かれた第7回虹橋国際経済フォーラムで公表された「世界開放度報告書2024」の中核データとして発表されました。
世界全体では開放度がじりじり低下
報告書によると、2023年の世界開放度指数は0.7542でした。これは以下のような下落を示しています。
- 2022年比で0.12%の低下
- 2019年比で0.38%の低下
- 2008年比で5.43%の低下
世界全体としてみると、開放度は長期的な低下傾向にあり、報告書は現在の状況を「開放度が赤字の状態」にあると表現しています。
背景にあるのは何か
報告書は、開放度低下の主な要因として次の点を挙げています。
- 一国主義や保護主義の台頭
- 世界経済成長の減速
- 関税および非関税措置の増加
- 地政学的リスクの高まり
- 新型コロナウイルス感染症などのショック
中国社会科学院の張宇燕氏によると、2020〜2023年の間に世界で実施された貿易介入措置は4700件を超え、2020年以前の水準を大きく上回りました。
ノーベル経済学賞受賞者のクリストファー・ピサリデス氏も、報告書発表後のシンポジウムで、経済制裁が開放とグローバル化にマイナスの影響を及ぼしていると指摘し、その長期化に懸念を示しました。
中国は「明るい例外」
こうした世界的な逆風のなかで、中国は開放度指数の面で際立った動きを見せています。報告書によると、中国の開放度指数は2008年の0.6789から2023年には0.7596へと上昇し、11.89%の伸びを記録しました。成長率では世界有数のグループに入るとされています。
虹橋国際経済フォーラム研究センターの屈偉西氏は、中国の対外開放について「互恵的な関わり方のモデル」と位置づけています。上海で開かれる中国国際輸入博覧会は、中国が開放を重視していることを象徴するイベントだと強調しました。
それでも広がる協力の余地
報告書は、反グローバル化の流れが強まる一方で、いくつかの分野では国際協力がむしろ広がっていると指摘しています。特に注目されるのは次の三つの領域です。
- デジタル分野の開放
- 環境・気候変動ガバナンス
- サービス産業
これらの分野では国境を越えた連携が進み、新たな経済成長の機会が生まれているとされています。保護主義が強まるなかでも、データや環境技術、サービス取引などを通じて、より協調的な世界経済を築く余地は残されているという見方です。
読者にとっての示唆
世界開放度指数の低下は、貿易や投資、人的交流がこれまでより予測しにくくなっていることを意味します。一方で、中国を含む一部の経済は開放の拡大を続けており、デジタルや環境、サービスなどの新しい協力分野も広がっています。
私たち一人ひとりにとっても、どの地域や分野で開放が進んでいるのかを見極めることが、これからのキャリアやビジネス、投資の判断材料になっていきます。報告書が呼びかける「より開かれた世界経済」に向けた議論は、2025年の今もなお、国際社会にとって重要なテーマであり続けていると言えそうです。
Reference(s):
China stands out as global openness declines, new index shows
cgtn.com








