中国本土、メコン5か国のビジネス人材に5年有効の数次ビザ発給へ
中国本土が、メコン地域5か国からのビジネス人材に対して、最長5年間有効のマルチプル(数次)ビザを発給する方針を決めました。アジアの人の移動とビジネス往来が再び活発化する2025年、地域経済にどのような波及効果が出てくるのか注目されています。
何が決まったのか:メコン5か国に5年の数次ビザ
今回明らかになったのは、中国本土が「一定の条件を満たしたビジネス関係者」を対象に、5年間有効のマルチプルビザを発給するという方針です。このビザを持つことで、対象者は有効期間中に何度も中国本土へ出入境できるようになります。
対象となるのは、メコン川流域の以下の5か国です。
- カンボジア
- ラオス
- ミャンマー
- タイ
- ベトナム
これらの国からの「資格を満たしたビジネス人材」に対して、従来よりも長期かつ柔軟な出入境が可能になることで、出張や商談、現地拠点のマネジメントなどがしやすくなるとみられます。
なぜ重要なのか:メコン地域と中国本土の結び付き強化
メコン5か国は、近年アジアの成長センターとして存在感を高めてきました。製造業の集積やインフラ整備が進み、中国本土と結び付いたサプライチェーン(供給網)も広がっています。そこに今回のビザ緩和が加わることで、次のような効果が期待されます。
- 企業経営者や幹部の移動がスムーズになり、現地拠点の調整や意思決定が迅速化する
- スタートアップや中小企業にとっても、商談やパートナー探しのための訪問がしやすくなる
- 長期・継続的な取引関係を前提とした投資や協力プロジェクトを組み立てやすくなる
単発の訪問ではなく、「継続的に行き来できる」という点が数次ビザの大きな特徴です。メコン地域と中国本土の間で人が動きやすくなることで、モノやサービス、資本の流れにも変化が生じていく可能性があります。
日本にとっての意味:アジア拠点戦略の選択肢に
日本企業や日本で働くビジネスパーソンにとっても、この動きは無関係ではありません。すでに多くの日本企業が、メコン5か国と中国本土の両方に生産・販売拠点を持ち、サプライチェーンを構築しています。
例えば、次のような場面で影響が出てくる可能性があります。
- メコン地域の現地スタッフが、中国本土の工場や本部に研修・出張で頻繁に行き来しやすくなる
- 日系企業が、メコン地域のパートナー企業とともに中国本土市場向けの共同プロジェクトを立ち上げやすくなる
- アジア全体を見据えた物流や生産配置を考える際に、「中国本土+メコン地域」を一体で捉えた戦略が取りやすくなる
日本側に直接のビザ変更があったわけではありませんが、現地のビジネスパートナーや従業員の移動環境が変わることで、日本企業のアジア戦略にも影響が及ぶ可能性があります。特に、メコン地域を「第二の拠点」として活用している企業にとっては、ニュースをフォローしておきたいところです。
ビジネスパーソンが押さえておきたいポイント
詳細な条件や運用の方法については、今後順次示されていくとみられますが、現時点で意識しておきたいポイントを整理しておきます。
- 対象は「資格を満たしたビジネス人材」:どのような職種・役職・業種が対象となるのか、具体的な要件の確認が重要になります。
- 期間は最大5年間の数次ビザ:有効期間中、繰り返し出入境できることで、短期出張と中長期プロジェクトの両方に対応しやすくなります。
- メコン5か国に限定:今回の発表はカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムが対象です。他地域への拡大があるかどうかも今後の注目点です。
メコン地域や中国本土と関わるビジネスを展開している人は、自社の人事・総務部門や現地の専門家と連携しながら、最新情報をフォローしておくとよいでしょう。
これからの論点:人の移動が変えるアジアの地図
今回の数次ビザ発給の方針は、アジアにおける人の移動、そして経済圏の形をじわじわと変えていく可能性があります。国境を越えるビジネスの現場では、ビザや入国手続きといった「見えにくいコスト」が小さくなるほど、新しいプロジェクトや連携は生まれやすくなります。
2025年のいま、アジア各地でビザ緩和やデジタル化など、人の移動をめぐるルールづくりが進んでいます。メコン5か国と中国本土を結ぶ5年の数次ビザは、その流れの一つとして位置付けることができます。日本からアジアを見るときも、「どこで人が動きやすくなっているのか」という視点を持つことで、新しいビジネスチャンスやキャリアの可能性が見えてくるかもしれません。
Reference(s):
China to issue multiple-entry visas for qualified personnel from Mekong countries
cgtn.com








