中国の立冬グルメ:南北で違う冬の入りの味わい
2025年も冬が本格化しつつあります。中国では、二十四節気の一つ「立冬」が暦の上で冬の始まりを告げ、人びとは体をいたわる料理で季節の変わり目を迎えます。気温がまだそれほど下がっていなくても、「そろそろ冬が来る」という感覚を食卓から意識する日でもあります。
立冬とは?二十四節気で見る冬の始まり
立冬は、伝統的な中国の暦である二十四節気の第19番目にあたる節気です。秋から冬への分かれ目とされ、「冬の入口」を意味します。中国各地では、この日を境に日差しが弱まり、空気がひんやりとしてきて、長い冬に向けた準備が始まります。
とはいえ、立冬の頃は、地域によってはまだ本格的な寒さにはなっていません。「寒くなる前に体力をつけておこう」という発想から、栄養のあるものをしっかり食べる食文化が育まれてきました。
なぜ立冬に「滋養のある料理」を食べるのか
中国では、季節に合わせて体を整えるという「養生」の考え方が生活に根付いています。立冬は、寒さに備えてエネルギーを蓄え、免疫力を高めたいタイミングとされます。そのため、立冬の日には、温かくて消化に良く、栄養価の高い料理が好まれます。
ただし、その内容は中国北方と南方で大きく異なります。これは、気候や食材、料理のスタイルの違いが反映されたものです。
中国北方:餃子や肉料理でしっかり冬支度
冬の寒さが厳しい中国北方では、立冬は「しっかり食べて寒さに備える日」という側面が強くなります。小麦粉を使った主食が多い地域ならではのメニューが目立ちます。
- 餃子:立冬に餃子を食べる習慣がある地域もあり、家族で包んだ餃子をゆでて、酢やラー油で温かくいただきます。
- 羊肉料理:冷え込みが厳しくなる前に、体を内側から温める食材として羊肉が好まれます。煮込み料理やスープにして食べることが多いです。
- 鍋料理:野菜と肉をたっぷり入れた鍋を囲みながら、家族で冬の始まりを分かち合う光景も見られます。
北方の立冬グルメは、「カロリーと温かさ」で寒さに立ち向かうイメージに近いと言えるでしょう。
中国南方:薬膳スープなどでじっくり体を整える
比較的温暖で湿度も高い地域が多い中国南方では、同じ立冬でも少し違ったアプローチが取られます。極端な冷え込みに備えるというより、季節の変化で乱れがちな体調を整えることに重きが置かれます。
- 薬膳スープ:鶏肉や豚肉に、生薬として使われる食材(ナツメやクコの実など)を合わせたスープがよく食卓に上ります。
- 煲(ボウ)料理:土鍋でじっくり煮込む「煲」スタイルの料理も人気で、長時間火にかけることで素材のうま味と栄養を引き出します。
- 軽めの煮込み料理:脂っこすぎず、しかし温かく胃にやさしい煮込み料理が選ばれることが多いのも特徴です。
南方では、「体のバランスを整えながら、冬モードにゆっくり切り替える」という感覚が、立冬の食文化ににじんでいます。
日本から楽しむ「立冬」的な冬ごはん
日本にいても、中国の立冬の楽しみ方からヒントを得て、冬の入口を味わうことができます。ポイントは、「温かい」「消化に良い」「少しだけ栄養を意識する」の3つです。
- 餃子や水餃子を手作りして、家族や友人と一緒に包む時間も含めて楽しむ。
- 鶏肉と生姜、長ねぎを使ったシンプルなスープで、体を芯から温める。
- 根菜やきのこをたっぷり入れた鍋料理で、季節の野菜をバランスよくとる。
国や地域が違っても、「季節の変わり目に、食事で体と心を整える」という発想は共通しています。中国の立冬の食文化を知ることは、アジアの暮らし方や健康観を理解する手がかりにもなります。
冬の入口を、食卓から意識してみる
二十四節気の一つである立冬は、中国の人びとにとって「冬のスイッチ」を入れる合図のような日です。北方と南方で異なる立冬グルメは、それぞれの土地の気候や歴史が反映された、生活に根ざした知恵でもあります。
2025年の冬を迎えるこの時期、日本の食卓でも、少しだけ中国の立冬を意識した一品を取り入れてみてはいかがでしょうか。ニュースとして知るだけでなく、実際に「作って食べる」ことで、国境を超えた季節の楽しみ方が、ぐっと身近なものになるかもしれません。
Reference(s):
Welcome the start of winter with China's Lidong food customs
cgtn.com








