中国本土最深の地熱井「伏深熱1号」が完成 海南省で再エネ利用へ
中国本土・海南省で、国内最深となる地熱探査井「伏深熱1号」が完成し、利用に向けた準備が整いました。深さ5200メートルの井戸から高温の地熱資源が確認され、中国本土の再生可能エネルギーと脱炭素の取り組みに新たな一歩となりそうです。
中国本土最深の伏深熱1号、深さ5200メートル
伏深熱1号は、中国本土南部の島である海南省に位置し、水曜日に掘削が完了しました。井戸は地下5200メートルにまで達し、およそ2億5000万年前の花こう岩層を貫いています。その古い地層の内部で、摂氏188度を超える高温の地熱資源が見つかりました。
この成果は、中国本土が地下の再生可能エネルギーを開発し、カーボン削減目標を前進させるうえでの節目とされています。
安定して低炭素、地熱エネルギーの強み
中国石油化工集団(Sinopec)の主任地質学者であるGuo Xusheng氏は、地熱エネルギーについて、安定性が高く低炭素であり、埋蔵量が多く分布も広い再生可能エネルギーだと説明しています。
- 天候に左右されにくく、安定して利用しやすい
- 温室効果ガスの排出が少ない低炭素エネルギーである
- 資源量が大きく、広い地域に存在している
伏深熱1号は、こうした地熱エネルギーの特長を高温・高深度の領域で生かそうとする試みだといえます。
今年4月の掘削成功から研究プラットフォームへ
伏深熱1号では、今年4月に掘削が成功した後、中国石油化工集団が岩盤の破砕や冷水の注入、熱の採取に成功しました。今回、井戸の完成によって、高温地熱資源の産業利用をめざす研究プラットフォームとして開発が進められる見通しです。
現時点では研究目的の色合いが強いものの、ここで得られた知見やデータが、将来の本格的な利用に向けた技術開発につながることが期待されています。
浅層から高温へ、中国本土の地熱利用が次の段階に
これまで中国本土での地熱資源の利用は、主に浅層および中深度の井戸に集中してきました。中国石油化工集団はすでに、合わせて約1億平方メートルの地熱暖房能力を整備し、複数の地域で地熱暖房プロジェクトを運営しています。
伏深熱1号のような高温・高深度の地熱資源の開発は、従来の浅い地熱利用を補完し、再生可能エネルギーの選択肢を広げる新しい段階といえます。
海南から広がる再生可能エネルギーの可能性
海南省の伏深熱1号で確認された高温地熱資源は、中国本土が掲げるカーボン削減の目標と地下エネルギー開発の取り組みを象徴するプロジェクトです。今後、ここで培われた技術や経験が他地域にも応用され、地下深部の再生可能エネルギー開発が広がっていくかどうかが注目されます。
地熱という安定した低炭素エネルギーがどこまで電力や熱供給の一端を担うのか。伏深熱1号の動向は、中国本土だけでなく、再生可能エネルギーの可能性を模索する各国・地域にとっても参考になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








