中国の新型空母艦載機J-15Dが初公開 珠海航空ショー直前の訓練で
2025年11月9日、中国の新型空母艦載機J-15Dが広東省珠海市で行われた適応訓練中に初めて公開されました。数日後に開幕した第15回中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)を前にしたデビューで、同機の役割に関心が集まっています。
電子戦と攻撃能力を両立するJ-15D
J-15Dは2座席の電子戦機で、電子妨害能力と打撃能力を組み合わせたことが特徴の空母艦載機です。敵のレーダーや通信を妨害する電子戦(電子的手段による妨害・防御)と、実際の攻撃任務の両方をこなすことで、空母打撃群が空と海で優位を確保するうえで重要な役割を担うとみられます。
こうした電子戦機は、艦隊全体の「見え方」や「見えにくさ」を左右する存在であり、現代の海空作戦では欠かせない装備になりつつあります。
標準型J-15からの主なアップグレード
海軍軍事専門家の李建氏によると、J-15Dは標準型J-15と比べて大幅な改良が加えられているとされています。具体的には、次のような点が挙げられます。
- 航法・通信・センサーなどを含むアビオニクス(航空電子機器)の高度化
- 搭載兵器システムの強化
- 空母での発着艦をよりスムーズにするための機体構造の最適化
これらの改修によって、J-15Dは電子戦能力と攻撃能力の両面で戦闘力が高まり、新しい空母での運用にもより適した機体になっているとみられます。
空母打撃群にもたらす意味
J-15Dのような電子戦機は、空母打撃群が制空権を確保し、艦隊を守るうえで重要な役割を果たします。特に次のような効果が期待されます。
- 敵レーダー網や通信網の無力化・混乱を通じた航空作戦の支援
- 周辺の戦闘機や艦艇への情報提供による状況認識の向上
- 電子妨害と攻撃を柔軟に組み合わせた作戦運用
中国海軍の空母打撃群が今後、遠洋での行動範囲を広げるうえでも、電子戦能力を高めるJ-15Dのような機体は重要なピースになると考えられます。
第15回珠海航空ショーと公開のタイミング
第15回中国国際航空宇宙博覧会(エアショー・チャイナ、珠海航空ショー)は、2025年11月12日から17日まで、広東省珠海市で開催されました。J-15Dの初公開は、その直前の11月9日に同じ珠海で行われています。
航空ショー本番を前にした訓練での公開は、新型機の存在と性能に対する注目を高める効果もあり、来場者や関係者の関心を集めるきっかけになったといえます。
変化するアジア太平洋の空と海
各国が電子戦や空母航空団の能力向上に取り組むなかで、J-15Dの登場は、アジア太平洋地域の海と空の安全保障環境が一層ハイテク化していることを示す動きの一つと見ることができます。
日本を含む周辺諸国にとっても、単に新しい戦闘機が登場したというニュースにとどまらず、電子戦や情報戦をめぐる競争が今後どのように進んでいくのかを考える材料になりそうです。
空母艦載機や電子戦能力をめぐる各国の動向を継続的に追いながら、地域の安全保障バランスの変化を落ち着いて見ていくことが、これからますます重要になっていきます。
Reference(s):
China's J-15D makes public debut ahead of 15th Airshow China
cgtn.com








