中国がイタリア大学に100超の交換枠 大学間交流を拡大へ
中国の懐進鵬教育相は北京で開かれた中伊大学学長対話で、イタリアの大学向けに100を超える交換留学の機会を新たに提供すると発表しました。中国とイタリアの高等教育交流が、2025年の今、次の段階に進もうとしています。
中国が示した「100超の交換枠」の中身
中国教育省の懐進鵬教育相は土曜日、北京で行われた中伊大学学長対話の開会式で、イタリアの大学との高等教育交流をさらに深めるため、100を超える交換の機会を提供すると明らかにしました。
具体的には、今回の対話に参加したイタリアの22大学それぞれに対し、少なくとも5人分の全額支援による学生交換枠を用意するとしています。学費などが全面的に支援されることで、経済的な理由で留学をためらっていた学生にも道が開かれる可能性があります。
開会式ではこのほか、中国でヨーロッパの若者交流規模を倍増させることを目指すハイレベルな取り組みの一環として、そのイタリアでの展開が正式にスタートしました。さらに、中国とイタリアの複数の大学が、共同研究センターや共同キャンパスを設ける合意書に署名しています。
数字が示す中国・イタリアの教育連携の深まり
懐教育相は演説の中で、現在の中国とイタリアの教育交流について「全方位的で、広範かつ多層的」と評価しました。
- 中国は、イタリアに留学する外国人学生の最大の出身国となっている
- イタリアは、中国で学ぶ自国学生の数で、ヨーロッパ諸国の上位5か国に入っている
- 両国の大学はこれまでに、共同の高等教育機関・プログラムを45設立
- 最先端・基礎分野やハイテク工学分野に焦点を当てた国際研究ラボを9設置
こうした数字は、単発の交換留学にとどまらず、長期的な共同教育・共同研究の枠組みが積み重ねられてきたことを示しています。
2025年は、中国とイタリアが「包括的戦略パートナーシップ」を結んでから20周年にあたる節目の年でもあります。過去20年の教育交流は、両国の人々の相互理解を深めるうえで大きな役割を果たしてきたとされています。
マルコ・ポーロから現代の学生へ――若者交流の意味
開会式では、イタリア大学学長会議の理事を務めるティツィアナ・リッピエッロ氏が、13世紀にマルコ・ポーロの旅が中国と西洋の文明をつないだ歴史に触れながら、次のような趣旨の発言をしました。
今後も対話と協力を通じて、相互尊重と交流の精神を引き継ぎ、両国の若者により多くの機会をつくっていきたい――。中世の旅人に象徴される往来の歴史を、現代の学生たちが引き継ぐ構図が浮かび上がります。
懐教育相も、短期研修、学生交換、サマースクール、共同教育プログラムなど、さまざまな形の機会を最大限に活用し、中国とイタリアの若者同士の交流を一層深めていきたいと呼びかけました。
今回の中伊大学学長対話には、中国とイタリアの大学およそ50校の代表が参加しました。各大学がどのような新しい共同プログラムや研究テーマを打ち出していくのかは、今後の国際教育の動向を占ううえでも注目されます。
日本の読者にとっての問いかけ
中国とイタリアの大学間交流が拡大する流れは、ヨーロッパとアジアをまたぐ学生モビリティの一つのモデルともいえます。高等教育の国際連携が当たり前になりつつある中で、どの国のどの大学とどう結びつくかは、学生一人ひとりの学びやキャリアにも影響します。
日本の大学や学生にとっても、こうした動きを「遠い話」として眺めるのではなく、自らの学び方・働き方を考え直すヒントとして捉えられるかどうかが問われています。国境を越える学びの場が増えるとき、その中で自分はどこに立つのか。静かに考えさせられる国際ニュースです。
Reference(s):
China to offer over 100 exchange spots to Italian universities
cgtn.com








