習近平氏の自然資源論述集が出版 中国の「人と自然の調和」を読む
習近平氏の自然資源論述集が出版
中国共産党中央委員会総書記の習近平氏による自然資源分野の論述をまとめた書籍が、中央文献出版社から出版されました。2012年12月から2024年10月までのおよそ12年間にわたる重要な発言を一冊に収めたもので、中国の自然資源政策や環境ガバナンスの流れを読み解く上で注目されています。
自然資源管理をめぐる中国の取り組み
2012年の第18回中国共産党大会以降、習近平氏を中核とする中国共産党中央は、自然資源の管理を強化し、国土空間の開発と保護の枠組みを最適化してきたとされています。
論述集の基礎となる取り組みとして、次のような方向性が示されています。
- 山や川、森林、耕地、湖沼、草原、砂漠を一体としてとらえる「統合的な保全と体系的な管理」
- 自然資源を保護しつつ活用するための、国土空間の配置や区分の見直し
- 資源管理のルールを明確化し、長期的な視点で環境を守る仕組みづくり
8つのテーマ、286本の論述を収録
今回出版された書籍は、自然資源に関する習近平氏の論述を8つのテーマ別に整理し、286本の文章を収録しています。いずれも重要な演説や文書から抜粋されたもので、その出典は150本を超えるスピーチや著作に及びます。
収録対象となっている期間は、2012年12月から2024年10月まで。中国の自然資源政策が大きく転換し、制度整備が進んだとされる時期と重なります。また、その一部の文章は今回初めて公表された内容だとされています。
自然資源を「資産」としてどう管理するか
論述集で示されている考え方は、中国における自然資源政策の方向性を理解するうえで重要だと位置づけられています。特に次の3点が強調されています。
- 自然資源を国家の重要な資産ととらえ、その所有権や管理権に関する制度を改善すること
- 環境への高いレベルの保護を維持しながら、「質の高い発展」を支えること
- 人と自然が調和して共生する形での「中国式現代化」をめざすこと
これらの視点は、単に環境政策にとどまらず、経済政策や地域開発、社会のあり方にも関わるものとして提示されています。
日本の読者が押さえておきたいポイント
日本を含む海外の読者にとって、この論述集は中国の自然資源政策や環境観を読み解く手がかりとなります。特に次のような点は、国際ニュースとしても注目できる視座です。
- 国家レベルで自然資源を「資産」として管理しようとする発想
- 経済成長と環境保護を両立させるために、国土空間の開発と保護をどう設計するかという問い
- 「人と自然の調和」といった価値観を、現代化の目標としてどのように位置づけるか
環境問題や資源管理は、多くの国や地域が直面する共通の課題です。中国でどのような議論がリーダーレベルで行われているのかを知ることは、アジアや世界の動向を考える上でのヒントにもなりそうです。
今後の議論への影響
2025年12月現在、この論述集は、自然資源の保全と利用のバランスを考えるうえで、政策担当者や研究者にとって重要な参考資料となることが期待されています。同時に、一般の読者にとっても、中国の自然観や発展像を知る入り口として位置づけられるでしょう。
自然資源をめぐる国際的な議論が続くなかで、各国や地域がどのような価値観と制度設計を選び取るのか。その一端を読み解く素材として、この論述集に目を通してみる価値はありそうです。
Reference(s):
Book of Xi Jinping's discourses on natural resources work published
cgtn.com








