サウジと中国本土、eスポーツで関係強化 アジアンチャンピオンズリーグ始動 video poster
サウジアラビアのeスポーツ連盟トップであり、国際eスポーツ連盟会長でもあるファイサル・ビン・バンダル・ビン・スルタン王子が、中国のスポーツ番組のインタビューで、新設大会「Esports Asian Champions League」とサウジと中国本土の関係強化におけるeスポーツの役割について語りました。
アジアをつなぐ新大会「Esports Asian Champions League」
王子は、中国・上海に拠点を置くeスポーツ企業VSPOが立ち上げた新マルチジャンル大会「Esports Asian Champions League」の発表会に出席しました。インタビューで王子は、この大会の特徴として「オンラインとオフラインの世界をどうつなぐか」という点を強調しています。
アジアは世界でもっともeスポーツが発達した地域の一つであり、各国・地域に強豪チームやプロリーグがあります。しかし多くの選手は、ローカルリーグと国際大会のあいだに「空白の層」があり、互いに対戦する機会が限られていると指摘しました。
そこで今回の大会では、オンラインアリーナやVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、XR(複合現実などの総称)といった技術を活用し、シーズンのさなかに各国の代表チームを集め、ファンが「オンライン世界の参加者」として体験できる設計になっているといいます。王子は「これは単なる新しさではなく、産業としてのeスポーツの未来へ向けた一歩だ」と述べました。
サウジは「ホスト」と「投資」の両面で存在感
サウジアラビアはここ数年、eスポーツ分野で開催国と投資家の両面から存在感を高めています。7~8月には首都リヤドで初の「Esports World Cup」が開かれ、多くのトップチームとファンが集まりました。
サウジの政府系ゲーム企業であるSavvy Games Groupは2023年、中国・上海のVSPOに2億6500万ドルを出資しており、アジア市場に長期的に関わる姿勢を見せています。一方、中国本土のクラブは過去10年近く、多くのeスポーツ競技で好成績を収めてきました。
王子は、こうした動きを背景に「eスポーツはサウジアラビアと中国本土の協力や交流を深めるきっかけになる」と述べ、技術、リーグ運営、選手育成などで連携の余地が大きいと見ています。
観光と人の往来も後押し
eスポーツは競技だけでなく、人の往来や観光にも波及すると王子は強調します。「eスポーツはスポーツとして、各国のスポーツ省や選手、アジア競技大会やオリンピックのようなイベントをつなぐ存在だ」と述べました。
リヤドでのイベントには、多くの中国本土のファンが観戦に訪れたといいます。王子によると、2023年には10万人を超える中国本土からの観光客がサウジアラビアを訪れ、同じ年には約3万人のサウジの人びとが中国本土を訪問しました。今後はこれをさらに増やしたい考えです。
そのうえで王子は、「若い男女がeスポーツをきっかけにサウジを訪れ、初めての旅で何か新しいものを見つけてくれているかもしれない」と語り、eスポーツイベントが「最初の訪問」のきっかけ、つまり関心の「火種」になりうると指摘しました。
デジタル世代の交流プラットフォームとしてのeスポーツ
eスポーツは単なるゲーム競技にとどまらず、若い世代同士が国境を越えて出会い、文化や価値観を共有するデジタルなプラットフォームになりつつあります。サウジアラビアと中国本土の関係にとっても、観光、投資、テクノロジー、エンタメが交差する新しいチャンネルになりそうです。
アジア発の国際ニュースとして、こうした動きは、日本を含む周辺国のプレーヤーやビジネスにも少なからぬ影響を与える可能性があります。アジアのeスポーツが次にどんな連携を生み出すのか、今後の展開を追う価値がありそうです。
Reference(s):
Saudi esports chief: Esports enhance ties between Saudi Arabia, China
cgtn.com








