習近平主席「グローバル・サウスの声を高めよう」メディア・シンクタンク会合に祝電
中国の習近平国家主席は8日、ブラジル・サンパウロで開幕した「グローバル・サウス メディア・シンクタンクフォーラム」に祝電を送り、グローバル・サウスの役割強化と国際秩序の公正化を呼びかけました。本記事では、そのメッセージの要点と、国際ニュースとしての意味を日本語で分かりやすく整理します。
サンパウロでフォーラム開幕 メディアとシンクタンクが集結
グローバル・サウス メディア・シンクタンクフォーラムは8日、ブラジルのサンパウロで開幕しました。中国の新華社とブラジル・コミュニケーション会社が共催し、テーマは「開発と活性化:グローバル・サウスの新たな旅路」とされています。
ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領も、同フォーラムに祝意のメッセージを送りました。アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど、いわゆるグローバル・サウス諸国と地域のメディア関係者やシンクタンク研究者が一堂に会し、今後の協力の方向性を議論する場となっています。
習主席「中国は常にグローバル・サウスの一員」
習主席は祝電で、現在グローバル・サウスが力強い発展の勢いを見せ、人類の進歩においてますます重要な役割を果たしていると指摘しました。そのうえで、中国はこれまでも、そしてこれからもグローバル・サウスの一員であり、発展途上国の側に立ち続けると強調しました。
こうしたメッセージには、中国が自らを「グローバル・サウス陣営」に位置づけ、同じ立場の国々との連帯を重視している姿勢が表れています。国際ニュースの文脈では、先進国と発展途上国という二分法を超え、多様な国と地域の声をどう国際社会に反映させていくかという論点にもつながります。
「真の多国間主義」と包摂的なグローバル化を提唱
習主席は、中国がグローバル・サウス各国とともに「真の多国間主義」を実践し、「平等で秩序ある多極化」と「普遍的な利益をもたらす包摂的な経済グローバル化」を追求していく意思を示しました。
「真の多国間主義」とは、特定の少数の国だけではなく、より多くの国と地域が対等に参加し、国際ルールや意思決定に関わるべきだという考え方を指します。また、「包摂的なグローバル化」は、経済のグローバル化による利益が一部の国や層に偏るのではなく、広く共有されるべきだという方向性を示しています。
習主席は、こうした取り組みを通じて「人類運命共同体」を共に築いていくことを呼びかけました。中国がこれまでも掲げてきた外交コンセプトと、グローバル・サウスとの連携強化を結びつけるメッセージだと言えます。
グローバル・サウスの「歴史的使命」とメディアの役割
習主席は、世界が「百年に一度」とされる大きな変化に直面する今、グローバル・サウス諸国が近代化を進め、より公正で公平な国際秩序を実現することは「歴史的な使命」だと位置づけました。同時に、それはグローバル・サウスのメディアとシンクタンクにとっても、時代から課された共通の課題だと指摘しました。
そのうえで、フォーラム参加者に対し、次のような役割を期待しています。
- フォーラムでの深い議論を通じて共通認識を築き、「グローバル・サウスの声」を一層はっきりと発信すること
- グローバル・サウスが国際社会に対してどのような責任と姿勢を持っているのか、「グローバル・サウスの責任感」として示すこと
- グローバル・サウスが平和の安定装置であり、開放と発展の支えであり、グローバル・ガバナンス(国際協調の仕組み)の建設的な担い手となるよう、知恵を提供すること
- 文明間の対話と相互学習を促す原動力となり、異なる文化や価値観のあいだの理解を深めること
メディアは情報を伝えるだけでなく、どのテーマを取り上げ、どのように問題を切り取るかによって、国際世論の方向性に影響を与えます。シンクタンクは、政策立案に必要な調査や提言を通じて、国際秩序づくりに間接的に関わります。習主席のメッセージは、こうした役割を担う主体として、グローバル・サウスのメディアと研究機関を位置づけていると言えます。
なぜ今「グローバル・サウス」が注目されるのか
グローバル・サウスとは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどを中心とする多くの発展途上国や新興国を指す言葉です。人口や経済成長のポテンシャルが高く、エネルギー、資源、若年人口などの面でも世界にとって重要な地域です。
一方で、国際金融や安全保障、気候変動の枠組みづくりでは、十分に声が反映されていないとの問題意識もあります。今回のフォーラムと習主席のメッセージには、次のような狙いが読み取れます。
- 発言力の強化:メディアとシンクタンクを通じて、グローバル・サウスの問題意識や政策提案を国際世論に発信し、議題設定に影響力を持つこと。
- 連携の可視化:ブラジルをはじめとする各国と中国などが、開発や投資だけでなく、情報・知的交流のレベルでも協力を深めていることを示すこと。
- 国際秩序の議論への参加:多極化やグローバル化の在り方をめぐる議論に、グローバル・サウスが主体的に関わり、自らの立場を打ち出すこと。
気候変動への対応、インフラ整備、デジタル格差や債務問題など、グローバル・サウスが抱える課題は、日本経済や日本社会とも密接に関わります。日本語ニュースを通じて国際ニュースを追う読者にとっても、今後、国連やG20などさまざまな場で「グローバル・サウスの声」がどのように反映されていくのかを見ていくことは重要になりそうです。
これからの議論と日本への示唆
サンパウロでのグローバル・サウス メディア・シンクタンクフォーラムは始まったばかりですが、ここで交わされる議論は、グローバル・サウスと世界の関係を考えるうえで一つの試金石になります。習主席やルラ大統領のメッセージは、メディアとシンクタンクが単なる情報の受け手ではなく、国際秩序を形づくる主体として期待されていることを示しています。
日本のメディアや研究機関にとっても、グローバル・サウスの動向を「支援の対象」としてだけでなく、「共に議論を行うパートナー」として捉え直すことが求められているのかもしれません。国際ニュースを日々チェックする読者にとって、このような視点の変化は、身近なニュースの読み方にも静かな変化をもたらしそうです。
Reference(s):
President Xi congratulates Global South Media and Think Tank Forum
cgtn.com








