中国本土の走れるヒューマノイド「天宮」 オープンソース化のねらい video poster
中国本土で開発されたヒューマノイドロボット「天宮(Tiangong)」が、オープンソースとして公開される取り組みが始まりました。人のように走れるフルサイズのロボットが開かれた形で共有されることで、世界のロボット研究と私たちの生活にどんな変化が生まれるのでしょうか。
人のように走るフルサイズロボット「天宮」とは
中国本土のEmbodied Artificial Intelligence Robotics Innovation Center(エンボディードAIロボットイノベーションセンター)は今週、フルサイズのヒューマノイドロボット「天宮」のオープンソース化イニシアチブを立ち上げました。
天宮は、純粋な電気駆動だけで人間のように走ることができるとされるロボットです。平均時速は約10キロ、最高時速は約12キロに達し、同クラスのロボットの中で新たなベンチマークとなると位置づけられています。
また、天宮はスロープや階段、芝生、砂利、砂地など、さまざまな地形を走行できるとされており、屋内外を問わず柔軟に動けるプラットフォームとして設計されています。
オープンソース化でねらう「二次開発」の加速
今回のオープンソース化イニシアチブは、ヒューマノイドロボットの二次開発を促し、人間社会への本格的な導入を加速させることをねらいとしています。二次開発とは、既存のハードウェアやソフトウェアを土台にしながら、新しい機能やサービスを付け加えていく開発のことです。
天宮を開発するイノベーションセンターは、知能技術のブレークスルーと産業協調を推進する中核的なプラットフォームと位置づけられています。現在、国産プラットフォームとしての天宮の高度化に加え、全身協調型の知能「小脳」プラットフォームや、多機能知能ボディプラットフォーム「開物(Kaiwu)」の開発も進めています。
大学・研究機関とつくる「開かれたロボットコミュニティ」
天宮のオープンソース化に合わせて、イノベーションセンターは今後、世界中の大学や研究機関、システムインテグレーターなど、ヒューマノイドの二次開発能力を持つ組織との連携を進める方針です。
目標は、知能ロボット分野で最も影響力のあるオープンソースコミュニティを構築することだとされています。ハードウェア設計や制御ソフトウェア、学習用データなどが共有されれば、各地の研究者や開発者が天宮をベースに独自の応用ロボットを作りやすくなり、イノベーションのスピードは大きく変わる可能性があります。
ヒューマノイドロボットは日常にどこまで入ってくるか
人間のように走れるフルサイズのヒューマノイドロボットがオープンソースとして公開されることは、ロボットの「日常化」を考えるうえで象徴的な動きです。移動性能やバランス制御が高いロボットは、将来、物流や点検、サービス現場などさまざまな場面で活用される可能性があります。
一方で、ロボットが人間の生活空間に入り込むほど、安全性の確保や倫理、雇用への影響、プライバシーなど、考えるべき課題も増えていきます。オープンソースコミュニティを通じて、技術だけでなくルールづくりや社会受容性についても、多様なステークホルダーが議論を深めていくことが求められます。
国際ニュースとして見る「天宮」オープンソース化の意味
各国で人工知能とロボット技術の開発競争が続くなか、中国本土発のヒューマノイドプラットフォームを世界に開く今回のイニシアチブは、国際的な連携の新しいモデルとなる可能性があります。
研究者や企業だけでなく、学生やスタートアップも巻き込んだ開かれたロボット開発がどこまで広がるのか。ヒューマノイドロボット「天宮」をめぐる動きは、今後の国際ニュースとしても注目していきたいテーマです。
Reference(s):
China launches open-source initiative for 'Tiangong' humanoid robot
cgtn.com








