中国空軍、無人知能技術で国際協力を呼びかけ 珠海エアショーでセミナー
中国空軍が、無人機や自律システムなどの無人知能技術をめぐり、軍事と民生、そして各国をまたぐ協力の深化を呼びかけました。中国南部の沿岸都市・珠海で2025年11月12〜17日にかけて開催された第15回エアショー・チャイナ(正式名称:中国国際航空宇宙博覧会)の会場で開かれたセミナーでの発言です。
無人機や人工知能をめぐる国際ニュースが相次ぐなか、本記事ではこのセミナーの狙いと背景を整理します。
中国空軍が訴えた無人知能の国際協力
セミナーでは、中国空軍の代表者が、無人知能の革命は世界の変革を推し進める重要な原動力になっていると述べ、軍事と民生の両分野をまたいだ世界的な協力の必要性を強調しました。無人知能とは、無人機(ドローン)や自律航行システム、人工知能(AI)を組み合わせた装備や運用の総称として使われています。
代表者は、こうした技術が単なる軍事分野にとどまらず、産業やインフラ、防災など幅広い分野で応用が期待される一方で、共通ルールや安全な運用体制づくりが求められていると指摘しました。
爆発的に拡大する無人装備
ある中国空軍の高官は、無人装備の種類と用途が急速に広がり、爆発的な成長を遂げていると述べました。機体のサイズや性能、任務のタイプが多様化し、運用の前提そのものが変わりつつあるとの認識です。
高官は、低コストで、状況に応じて柔軟に改造・投入でき、必要であれば消耗を前提に運用できる無人知能技術が、軍事分野に深い構造変化をもたらしていると指摘しました。前例のない機会と同時に新たな課題も生まれているとして、この分野でのコンセンサス形成と協力の拡大を呼びかけています。
30カ国超が参加、軍民・国際の対話の場に
セミナーには、中国空軍の幹部に加え、30カ国以上の空軍関係者や各国代表、国内の無人知能分野の専門家が参加しました。軍事関係者と民間の技術者が一堂に会することで、技術と運用をめぐる議論を共有する狙いがあったとみられます。
参加者たちは、無人知能のイノベーション(技術革新)、実際の運用、直面する課題などについて意見交換を行いました。軍事と民生の境界をまたぐ技術だからこそ、国際的な対話の継続が不可欠だという問題意識も共有されたといえます。
議論の焦点:群制御・知能センサー・低コスト化
セミナーでは、特に次のようなテーマが取り上げられました。
- 多数の無人機を同時に運用する群制御(スウォーム・コントロール)の技術
- 周囲の状況を高精度に把握する知能センシング(インテリジェント・センシング)の開発
- 性能を維持しながらコストを抑えるための設計・生産手法
参加者は、それぞれの国や組織での取り組み事例や技術的な工夫を共有し、協力の余地や共通課題を探りました。低コストで大量に展開できる無人システムが現実味を帯びるなか、安全性や誤作動の防止、責任の所在なども含めた総合的な議論が重要になっています。
これからの無人技術と国際社会
無人知能技術は、軍事バランスを左右するだけでなく、産業や社会インフラにも大きな影響を与える可能性があります。その一方で、技術の広がりが誤解や不信を生みかねないという懸念もあります。
今回のセミナーで中国空軍が示したのは、軍と民間、そして国境を越えた協力を通じて、無人技術の機会とリスクを共に管理していこうというメッセージです。今後、こうした対話の場がどこまで具体的な協力や国際的なルール作りにつながるのかが注目されます。
Reference(s):
Chinese Air Force calls for deeper collaboration in unmanned tech
cgtn.com








