中国が新メタン観測衛星を打ち上げ 気候変動対策で存在感
中国が温室効果ガスの一つであるメタンの監視を目的とした新しい商業衛星を打ち上げました。国際ニュースとしても、宇宙技術と気候変動対策を結びつける動きとして注目されています。
商業ロケットLijian-1 Y5で15基の衛星を打ち上げ
中国は月曜日、北西部にある商業宇宙イノベーション試験区から商業キャリアロケット「Lijian-1 Y5」を打ち上げ、合計15基の衛星を軌道に投入しました。その中には、中国で初めての高分解能メタン観測を行う商業衛星「Xiguang-1 04」が含まれています。
高分解能メタン観測衛星「Xiguang-1 04」の特徴
「Xiguang-1 04」は、中国科学院の西安光学・精密機械研究所が設立した商業宇宙企業「Xiopm SPACE」が開発した衛星です。複数の観測機器を搭載し、メタンを中心とした環境データを高頻度・高精度で取得できることが特徴です。
- メタンカメラ:メタン排出の状況を詳細に把握
- クロロフィルカメラ:植生の状態などを観測
- マルチスペクトルカメラ:さまざまな波長の光で地表を解析
これらの機器により、メタン排出量のモニタリング、排出傾向の追跡、炭素排出源の特定、さらには炭素中立に向けた取り組みの評価が可能になるとされています。
メタン監視が持つ気候変動対策としての意味
メタンは、地球温暖化に大きな影響を与える強力な温室効果ガスです。「Xiguang-1 04」は、世界各地のポイントソースからのメタン漏えいを高頻度・高精度で観測できるとされ、メタン排出の実態把握と対策立案に必要なデータや技術的な支援を提供します。
こうした宇宙からの監視データは、各国や地域がメタン排出の監督体制を整え、対策の優先順位を付けるうえで重要な基盤となります。
中国の環境政策と宇宙技術の連携
今回の衛星は、単に宇宙技術の成果というだけでなく、中国のエコロジー・環境保護、産業分野の排出監督、ガス漏れ検知といった分野を強化する役割を担っています。また、炭素中立をめぐる国際的な取り組みの中で、中国がデータ提供や技術協力を通じて存在感を高めることにもつながるとみられます。
Xiopm SPACEの秦静(Qin Jing)会長兼総経理は、「Xiguang-1 04」の成功は高分解能メタン観測の重要なブレークスルーであり、中国の宇宙技術の力と、地球温暖化に取り組む決意を示すものだと強調しています。
「Xiguang-1 05」を含む衛星群と今後の展望
今回の打ち上げでは、「Xiguang-1 05」衛星も同時に軌道に投入されました。この衛星にはハイパースペクトルカメラと全色(パンクロマチック)カメラが搭載され、
- 農業モニタリング
- 鉱物資源の探査
- 環境監視
など、幅広い用途への活用が想定されています。
Xiopm SPACEは、次世代の高分解能メタン観測衛星や炭素監視衛星の開発も進めており、「Xiguang-1」シリーズのハイパースペクトルリモートセンシング衛星コンステレーション(衛星群)を構築する計画です。これが実現すれば、国内外の需要に応えるよりきめ細かな環境・資源モニタリング体制が整い、宇宙からのデータが気候変動対策や産業政策を支える時代がさらに加速しそうです。
Reference(s):
cgtn.com








