国連で中国代表、イスラエルにガザ人道支援の制限停止を要求
国連で中国代表、イスラエルにガザ人道支援の制限停止を要求
ガザの食料安全保障をテーマに国連安全保障理事会で開かれた会合で、中国の傅聡(フー・ツォン)国連大使が、イスラエルに対しガザへの人道支援を制限せず「交渉材料」にもしないよう強く求めました。すでに深刻なガザの人道状況が、さらに急速に悪化していると警告しています。
「人道問題は政治化できない」「飢餓は兵器ではない」
傅大使は安保理のブリーフィングで、「人道問題は政治化されるべきではなく、飢餓が武器として利用されてはならない。これは国際人道法の根本的なボトムラインだ」と述べました。
そのうえで、ガザでの紛争が13カ月にわたって続くなか、市民が繰り返し基本的ニーズを奪われ、「あらゆる人道的な一線が何度も踏み越えられてきた」と指摘しました。ガザの人道状況はもともと危機的だったところから、さらに悪化しているとしています。
最大の障害は「物資不足」ではなく「人為的な制限」
傅大使は、人道支援を拡大するうえでの最大の課題は「物資の不足」ではなく、「人為的に設けられた人道アクセスの制限」にあると強調しました。イスラエルに対し、ガザへの全ての検問所を直ちに開放し、ガザ全域で人道アクセスを妨げる障害を実質的に取り除くよう求めました。
また、イスラエルが一方で人道アクセスを制限しながら、他方で国連や人道支援機関の「不作為」を非難していると批判し、「これは受け入れられない」と述べ、イスラエルが国連やその他の人道機関と全面的に協力するよう呼びかけました。
問われる政治的意思とワクチン接種の例
傅大使は、人道支援の実施において最も不足しているのは、物資や政策条件ではなく、「関係当事者の政治的意思」だと指摘しました。
その例として、世界保健機関(WHO)の支援を受けてガザで最近完了したポリオワクチン接種キャンペーンに言及しました。これは、適切な環境と協力があれば、人道支援を拡大することが十分可能であることを示していると述べています。
国際法上の義務と二国家解決への言及
傅大使は、イスラエルが「占領権力」として国際法上の義務を果たさなければならないと強調しました。そのうえで、人道支援を「交渉の切り札」として利用することは許されるべきではないと指摘しました。
さらに、ガザにおける「即時かつ持続的な停戦」と、二国家解決(イスラエルとパレスチナがそれぞれ国家として共存する枠組み)の早期実現こそが、紛争を終結させ平和を回復するための根本的な道筋だと述べました。イスラエルに対しては、ガザでの軍事行動を停止し、レバノンやその他の国々に対する違反行為もやめるよう求めています。
私たちはこの発言をどう受け止めるか
今回の安保理会合は、「武力紛争」と「食料安全保障」が切り離せない問題になっていることを浮き彫りにしました。ガザのような紛争地での飢餓や物資不足が、どこまで戦闘当事者の意思によって悪化させられているのかという問いが、改めて突きつけられています。
中国の国連代表による「飢餓を武器にしてはならない」というメッセージは、国際人道法の原則を再確認するとともに、人道支援と停戦交渉をどう結びつけていくかという課題を国際社会に投げかけるものでもあります。
ガザで人道アクセスをどう確保するのか、人道支援を政治的な駆け引きから切り離せるのか、そして停戦と二国家解決にどのように道筋をつけるのか。これらの論点をめぐる議論は今後も続きそうです。その間にも、現地の人々の生活をどう守るかという時間との競争が続いていることを、私たちは意識しておく必要があります。
Reference(s):
Chinese envoy urges Israel to stop using Gaza aid as bargaining chip
cgtn.com








